はじめに
この記事について
私がずっと思い描いている将来像として、ぼんやり「現場目線でプロジェクトをコントロールできるリーダーになりたい」という気持ちがあるんですが、具体的な形が浮かばず悩んでいました。
そんな中「Team Geek」を読み、私の思い描くリーダー像が言語化できそうだったのでまとめてみました。(以前HRTについての記事を書いた時点では、実は「Team Geek」を読んでなかったという(-_-;))
また、「10年後の仕事図鑑」も読んでリーダー像について思ったことがあったので、合わせてまとめています。
ここでいうリーダーは、いわゆる「TL(チームリーダー)、PL(プロジェクトリーダー)」といった現場の作業をコントロールする立場の人をイメージしてください。
本題の前に:なぜリーダーになりたいのか?
皆さん、自分のプロジェクトへの関わり方はどのようにありたいと思いますか?Qiitaを利用している方としては、**「開発者たるもの、より沢山コードを書いていいものを沢山作りたい!」**という方は多いと思います。
私はというと、「自分が一番コーディングできなくてもいいから、新人でも強い開発者でもパフォーマンスを発揮できる、強いチームを作れるようになりたい!」と思っています。
なんでそのような考えを持っているか?の動機について、「Team Geek」で同じことを言ってくれていました。
マネージャーになるべきには大きな理由がある。まずは、自分自身をスケール出来るからだ。コードを書くのが得意だとしても、1人で書けるコード量には限界がある。
自分がリーダーになって、優秀なエンジニアのチームにコードを書いてもらえば、どれだけのコード量になるかを想像してほしい!
本当に「いいものを作りたい!」のであれば、リーダーとして上手にメンバーの手を借り、チームでものを作るの方がやれることは増えますよね。
「Team Geek」から学ぶ理想のリーダー像 "HEART"
「Team Geek」を読んだ上で大事にしたい要素について、本記事では大事な言葉「Humility(謙虚)」、「Respect(尊敬)」、「Trust(信頼)」に加えて独自に「Empathy(共感)」、「Accept(容認)」を追加した5点で記載していきたいと思います。
リーダー問わず大事な言葉「Humility(謙虚)」、「Respect(尊敬)」、「Trust(信頼)」
Team Geekの中で一貫して主張されているHRT、リーダー論の根本にもしっかりと根付いています。
例えばTeam Geekで紹介されていたリーダーとしての要素について、HRTの観点で以下のようなことが書かれています(かなり自分の言葉で要約・抜粋しています)。
####「Humility(謙虚)」
- 自分の中のエゴをなくし、チームとしてのエゴ・アイデンティティを持つ。
- チームの幸せを考え、最高のパフォーマンスが取れるよう行動する。
####「Respect(尊敬)」
- 適切な答えを自分が知っている必要はない、適切な答えを持つ人を知っていればいい。
- 周りを尊重し、周りが問題解決をする後押しが出来ればそれでいい。
####「Trust(信頼)」
- チームメンバーを子供のように扱わず、相手の自律心を尊重する。
- 相手に改善点を伝えるときは、相手を信頼して正直に伝える。
その他の大事な要素
「Empathy(共感)」~相手に共感し、パフォーマンスを発揮できる環境を作る
チームメンバーが最高のパフォーマンスを発揮する為には、仕事場での活動だけではなくプライベートな部分も大きく関わってきます。
例えば家族が病気にかかってしまった等大変なことがあれば、仕事どころではないという状況もあると思います。しょうがないです。
そういった相手の状況について、相手の(プライベートも含めた)人間関係について共感し、作業調整等できることをサポートする行動力が必要ですね。
「Team Geek」では「人は植物のようなもの」ということも書いていました。全員同じ方法で平等に扱えばいいわけではなく、その人々が必要としているものをつかみ、適切なものを与える必要があるというもの。
じゃあ**具体的にどうすればいいの?の第一歩が「Empathy(共感)」**だと思います。
その人に共感し、どうすべきかを真剣に考え行動に移すことでチームとしての強さが増していくのではないかなと思います。
共感が一番難しい点ですけどね。
「Accept(容認)」~チームメンバーの活動を失敗のリスクも含めて許容する
よく「リーダーは責任を取ることが仕事」みたいなことを言われたりしますが、ここではもう少し広義の書き方をしてみました。
チームの現状を把握し、チームが成長する為に活動することを許容する。
パフォーマンスが低い人がいるなら、相手の能力を信頼して成長できるような活動を認める。
時には失敗するかもしれない、リスクある提案が出てくるかもしれないけど必要なことであれば「失敗してもいい」と受け入れる。
「Team Geek」を読んで、改めて懐深く「Accept(容認)」することが必要だと強く感じました。
よく「リーダーは自分のタスクを持ってはいけない」とも言われますが、これも個人的には「容認できる余裕」を持つ為に必要な振る舞いだと考えています。
ああ、余裕をもった振る舞いが出来るようになりたい…(遠い目)
「Accept(容認)」はチームの為。チームの障害は「Reject(却下)」
Accept、なんでもかんでもすればいいわけではないですよね。チームの為にならないことは「Reject(却下)」することがチームの為の行動になります。
その為にはまず何がチームの為なのか?を明らかにするためにもチームの目標を明確にすること、そして目標に向かってチームが同じ方法に進む為に行動することがまず必要だと思います。
上記をチーム内で共有し、行動に移す。その為の障害となる行動を起こす人がいるのであれば、そこで戦う姿勢を見せることが必要ですね。何気にここポイントがリーダーとして一番重要かもしれません。
さいごに 実際にリーダーの立場かによらず持っておきたい「リーダー像」
理想のリーダー像について、"HEART"の5点でまとめてみました。
いずれも「1チームとして高パフォーマンスを発揮できるように取り組む」為の考え方なので、リーダーという立場にあるかどうかは関係なく意識したいと思います。
もちろん「Team Geek」にはここで書ききれない考え、ポイントが沢山書かれていますので、何度も読み直して考えを活用できるようにしていきたいです。
AI時代とリーダー
ここからは「10年後の仕事図鑑」を読んで思った、近い将来訪れるAI時代とリーダーとの関係について書いていきたいと思います。
AIの登場⇒ AIに仕事を奪われる AIが雑多な仕事を引き取ってくれる
AI時代が到来することにより、例えば「自分の仕事が取って代われるのではないか?」といった不安を持っている人もいると思います。
その点について「10年後の仕事図鑑」では、定型的な誰でも出来る作業をAIが代わりにやってくれる、人はその分単純作業ではないクリエイティブな仕事に専念できるといった表現をしています。
そう、AIが時間のかかる面倒な仕事を片づけてくれるので、私たちは定型的にできないものづくりの本質的な部分にもっと時間をかけることが出来る!
人の代わりになるAIの活用=チームが高パフォーマンスを発揮するためのアプローチの一つ
AIが仕事を代わってくれるということは、もうAIはプロジェクトメンバーの一人みたいなものですよね。しかも疲れ知らずでヒューマンエラーの無い優秀なメンバー。
皆さんもし「新しいチームにマシンのように正確な仕事をするすげーのが来るぞ!」となったら、彼・彼女をどう活かそうかとワクワクしませんか?
そう考えると、AIを活用する=チームが高パフォーマンスを発揮するためのアプローチと考えられるかもしれませんね。
チームが高パフォーマンスで活動させることが出来るリーダーなら、AIもチームに活用出来るはず!
AIの活用=チームへのアプローチと考えてしまえば、そこからはリーダーの得意分野です。
チームが高パフォーマンスで活動できるように振る舞うリーダーの資質は、AIを活用する資質にもつながるはず。実はAIに詳しい人よりも活用するという点では資質があるかもしれませんね。
もちろん実際にAIを活用する為には、チームメンバーに共感するのと同じようにAIの能力や特徴を知ることが必要となります。
この具体的な行動として、機械学習等のAI分野を勉強することが必要になるんでしょうね。どんな立場に立つかが違うだけで、日々勉強が必要なのは変わらないですね。
さいごに リーダーの資質で一人 × AIでのいいものづくりも夢ではない!かも
本記事をまとめようと思った際に読んだ本について振り返り、「優秀なリーダーになれれば、AIの活かし方もうまく見えてきそうだな~」と思い立ったのでまとめてみました。
「10年後の仕事図鑑」の中では、「AIが出来ることが増えれば、楽しいと思うことをポートフォリオで表現できる人が増える」といったことが話されていました。
いうなれば「リーダー私×AI軍団」によるいいものづくりができる時代が来るかもしれませんね。
私はまたAI業界に詳しくない為どのように活用すればいいのかわかりませんが、「チームのパフォーマンスを上げるには?」みたいな目線でAI業界について触れてみるのも面白いかもと思いました。
(AI界に限らずですけど)
参考
Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか | Brian W. Fitzpatrick (著), Ben Collins-Sussman (著), 及川 卓也 (解説), 角 征典 (翻訳)
10年後の仕事図鑑 | 堀江 貴文 (著), 落合 陽一 (著)