USBトラックポイントキーボードを改造して、マイクロスイッチを使ったミニキーボードを作成
背景・目的
- タッチタイプのできるキーボードを持った、
シャツのポケットに入るUMPCの新製品がなかなか出ないので、
スティックPCやGOLE1と組み合わせて使うこと考えて作成。
(Viliv N5のバッテリが持たなくなってきたので乗り換えたい) - GPD Winはかなり良いが、キーボードがタッチタイプできないので。
要件
- 持ち歩きたいのでなるべく小さいものが欲しい。
- シャツのポケットにも入れたいので奥行き10cm以下にしたい。
- ポインティングデバイスも欲しい。
- Bluetoothキーボードは、時々切断されていらいらさせられるのでUSBキーボードで。
改造元
レノボ ThinkPad トラックポイント・キーボード - 英語 0B47190
解析
ピン
- 印刷: R1 R7 R6 S9 R4 R5 S0 R2 R3 S5 S1 R0 S2 S4 S7 S8 S6 S3 S12 S13 S14 S11 S10 S15 M0 ML MM MR
- M0 GND
- ML,MM,MR 3.3V pull-up クリックボタン
- R0-7 5V pull-up
キーマトリクス
キーマトリクスを調べる際に使ったmbed LPC1768用コード: KeyMatrixAnalyzer
S0 | S1 | S2 | S3 | S4 | S5 | S6 | S7 | S8 | S9 | S10 | S11 | S12 | S13 | S14 | S15 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
R0 | esc | f4 | g | h | f6 | ' | f5 | alt | up | |||||||
R1 | tab | f3 | caps | t | y | ] | f7 | [ | shift | bs | win | |||||
R2 | q | e | w | r | u | i | o | p | ||||||||
R3 | ~ | f2 | f1 | ctrl | 5 | 6 | = | f8 | - | f9 | home | del | ||||
R4 | a | d | s | f | j | k | l | ; | \ | fn | prtsc | |||||
R5 | 1 | 3 | 2 | 4 | 7 | 8 | 9 | 0 | f10 | f11 | f12 | end | ins | |||
R6 | z | c | x | rctrl | v | m | , | . | rshift | enter | pgup | |||||
R7 | b | n | / | sp | down | ralt | right | left | pgdn |
ミニキーボードの作成
配列
Esc | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | - | \ |
Tab | q | w | e | r | t | y | u | i | o | p | = | BS |
` | a | s | d | f | g | h | j | k | l | ; | ' | [ |
z | x | c | v | b | n | m | , | . | / | ] | ↑ | |
Win | Alt | Ctrl | Shift | Shift | Space | Enter | BS | ← | ↓ | → |
この配列情報と、配線情報をもとに配線・はんだ付け。
- サイズ: 横220mm(周辺除去時175mm)、縦86mm(周辺除去時79mm)、厚さ18mm(表11mm,裏6mm,基板厚さ1mm)
- 重さ: 100g
- キーピッチは、横方向が13mm、縦方向が7.5mm。キーストロークは1mm程度
作成中や使ってみて思ったこと
- キーボードサイズを小さくするため(千鳥格子でなく)格子配置にしたが、
nを押すつもりでmを押してたりすることあり。慣れればなんとかなりそう。 - 右端は押しにくい。
- 右端よりも上にキーを増やした方が押しやすそう。
- 最初、BSは右端に配置していたが、押しにくいので、←の左にも配置。
- レイアウト変更は配線変更(要はんだ付け)。ブレッドボードみたいに簡単にしたい。
またはファームウェア変更だけで。 - Fnキーとの組み合わせでHome/End等を入力できるようにしたいが、
既存キーボード改造だと不可。 - ピッチ変換基板の使い方は裏表逆にすべきだった。
ケーブルの付け外しが面倒。ピン番号が裏表で違うので間違いやすいので。 - マイクロスイッチを隙間無しにユニバーサル基板に横に並べると、
少しサイズが大きいため、浮き上がる。 - マイクロスイッチのレバーにひっかかって速く打てない場合あり。
- マイクロスイッチのレバーを外してクリアファイルをかぶせて使ってみた感じでは、
人差指は問題ないが、小指では少し押す際に力が必要になって、いまいち。
Known Issue
- マイコン基板は仮どめ状態
- ユニバーサル基板の周りは現状残したまま。
スティックPCや6型HDMI LCDと
組み合わせて、UMPC自作したい気もあるので、
LCDとつなげることもできるように。 - 裏側はカバーを付ける必要あり
部品
- レノボ・ジャパン ThinkPad トラックポイント・キーボード - 英語 0B47190
- マイクロスイッチ D2F-01FL: マルツ、千石電商
- FFCコネクタ 1.0/30P CN-FFC(1.0)30PD aitendo
- ピッチ変換基板 1.0/30P P-CN(0510)30P aitendo
-
FFCケーブル(1.0/28P)
aitendo店頭には長すぎる30cmのものしか見あたらなかったので、
1.0/15P 11cmを2本使用(端の1PIN分をカッターで切って)。 - ユニバーサル基板10cm*22cm。紙フェノール。千石電商
- M2ネジとナット 3セット 西川電子部品。
トラックポイント固定用。M3だと入らない。M2.6なら入る。
参考:候補だった部品
-
プッシュスイッチ62T-14
キーピッチ8mmだと狭い。11mmなら行けそう。
D2F-01FLに比べると固いのであまり速く打てなさそう。
スイッチキャップは、とりあえずPLSA44CP
- その他のキー候補
- プッシュスイッチ62T-14、キャップ
- キーボードスイッチKPT-3PY。ストロークが深いので持ち歩き用キーボードには使いにくいかも。
- プッシュスイッチ、キャップ。キーピッチ10mm。8番より重い
- キースイッチ、キーピッチ15mmのキャップ。軸は十字。山長通商
- プッシュスイッチ。キーピッチ10mm。6番のタクトスイッチよりも重い。
- タクトスイッチ、キートップ。キーピッチ13mm。7番よりも気持ち固い。小指で打つのは少し重い。
-
アルプス電気 タクトスイッチ AKC-8S。
キーピッチ13mm。
もう少し軽く打てる方がいいが、小指で打つ時もまあ使えなくもない。
(KC-901と同じ?) - フジソク TP-2 7.5mm角、フジソク TP-2 10mm角。キーピッチ10mm、13mm。重くて小指で打つには少しつらい。
副産物:フルキーボード合体用USB小型トラックボール
Realforce91Uのひらがなキーを外すとちょうど収まる。
ホームポジションから手を動かさずにマウスカーソルを移動可能。
当初は、ミニキーボードをファームウェアから自作するつもりだったので、
ポインティングデバイスとして購入した小型トラックボールの流用。
ほとんど使ってない。加速処理を作った方がいいかも。
またはホイールスクロール機能の方が使うかも。
部品
- SparkFun Blackberry Trackballer Breakout
- A-Star 32U4 Micro
- マイクロスイッチ D2F-01FL: マルツ、千石電商
- ソースプログラム
参考:改造元キーボードの他の候補
-
サンワサプライ タッチパッド付キーボード SKB-TP01SVN:
タッチパッドが少し大きすぎて場所を取るので見送り。 - MINI Keyboard Pro
参考リンク
USBキーボードをファームウェアから自作する話
-
Atmel AVR ATmega32U4 で Matias Half Keyboard っぽいのを作った。
tmk_keyboardベース。 - ArduinoでUSB接続の分割キーボードを作ってみた話
- Arduino Micro を使って、USB 小型 キーボードを自作
-
USBキーボードの自作方法、
USBキーボードコンストラクションセット(ピンヘッダ付) (KBDCSET1 Plus)。
PIC18F4550使用 -
『わかるマイコン電子工作 USB機器の製作 「EZ-USB」と「AKI-H8」で作るオリジナルUSBデバイス』。
EZ-USB FX2LP使用。 - http://optimize.ath.cx/FX2_USB/
- https://strawberry-linux.com/catalog/items?code=50011
- https://www.amazon.co.jp/dp/B00W8YUB6Y