こんにちは。今回はキャリアネタを書きます。
私は2023年の春から準備して、冬にIT業界に転身しました。そのときの経験を記事にしてみました。
要約
理系院卒の30代前半男が、食品メーカー開発職から、資格取得とハンズオンを独学で半年やり、100社くらい応募した結果、大手SIerから内定頂戴した。
内容
前提
- 旧帝大・同院卒(農学部、バイオ系)。研究でシミュレーションをやるためにプログラミングを、やっていたわけではありません。。。
- 30代前半
- 独身男
- 食品メーカーで開発業務3年間
- テック系ベンチャー企業3年間
- ITエンジニアの友人が多い
前職で雇用整理があるレベルの経営難で、解雇はされなかったが会社に愛想を尽かした。社会に出て6年間で大したキャリアを積めなかったのでいっそのことITに転身しようとIT系友人に色々教えてもらえばいけると信じてつっこみました。
魅力に感じた点
もともと、働く場所を選ばない雇用形態や、知り合いのエンジニアが仕事に直結する技術の勉強をしているのに憧れがありました。
友人に色々相談に乗ってもらいましたが、これは複数の人から聞いたアドバイスです。
- 継続して勉強できる奴はIT業界入ったほうが稼げる。やってれば給料上がる。
- コンサルも稼げるかもしらんが、「頭よくて稼ぎたい奴ら」が多い業界で頑張るより、「幅広い人材ピラミッド」の中で頑張ったほうが効率的。特にITは伸びている。
- エンジニアの中では、インフラエンジニアが不足していて穴場。30歳過ぎて未経験ならインフラが最善。
特に最後の点は、私は性格的に「みんな知らんけど必要なもの」に対してロマンを感じるので、マッチしていると思いました。
転活開始前
取り組んだことを順番に書いていきます。
CCNA取得
- 所要期間:3カ月
- 目的:ネットワークの基礎知識を身に着けるため
- 教材:Ping-tと白本
CCNAは暗記勝負なので、この資格勉強だけだと砂を噛むがごときつまらない作業になってしまいますが、名著「ネットワークはなぜつながるのか」を読み、全貌を見直しながら勉強をしました。白本を辞書にして、Ping-tで問題演習をひたすらやりこみです。
個人的に、「CCNAで落ちるようなら、おとなしく食品業界内で転職しよう」と覚悟して受験しました。一発合格でした。
基本情報
- 所要期間:1カ月
- 目的:基本的な知識を身に着けるため。特に、用語を理解して会話ができることは大切と認識し、わかっていることをアピールするため。
- 教材:キタミ式(私にはあまり合わなかった)とパーフェクトラーニング問題集。
パーフェクトラーニング問題集はパーフェクトだと思います。合格に必要十分な問題量・解説量でした。5年分を3周くらいこなして本番に挑戦し、まぁまぁ余裕をもって合格。
感想としては、アルゴリズムや集合は、(今は亡き)センター試験数学に取り組んだ経験があれば有利やな、という点。加えて例えばfor文は数学的帰納法っぽいなと思ってました。こうして学んだことが時間を経て役に立つ感覚っていいですよね。
白状すると、1年半くらい前にディープラーニングの本(オライリーの魚の本)を写経し、paizaでもDランクくらいまで行った経験もありました。それでpythonを少しだけ覚えていたのも勉強期間が短く済んだ要因でしょう。
蛇足ですが、過去問道場はやりませんでした。というのもCCNAのためにPing-tやったときに紙の本が私にとって最適であることを確信したからです。どうやらペラペラめくって「あれどこに書いてあったかなー」と探すのが向いているようです。(ITエンジニアとしてはどうなん?と若干の不安が。。。)
応用情報
- 所要期間:2カ月
- 教材:パーフェクトラーニング問題集
応用情報の勉強もパーフェクトラーニング問題集を使用しました。忙しくて3周はできませんでした。基本情報との重複が多いので教科書は購入しませんでした。応用情報は、午後問題にどれを選択するかの戦略を立てて勉強してください。選択するつもりのないものはやらなくていいと思います。正直、日本語力だけで解けてしまうのもあります。まだ合格発表待ちです。6:4くらいで合格の手ごたえです。
(追記)
受かってました。
応用情報は基本との重複が多いので、セットで挑戦してよかったと思っています。基本との違いは、応用では午後問題の選択だということ。捨てた問題はやらないでいいと思います。
ハンズオンと書類の準備が重なって大変きつかったです。
ハンズオン
書類のアピールポイントにもなるハンズオンにとりかかりました。書籍に倣ってやってみて、わからなかったり興味がわいたら深掘りする、といった学習です。
- ハンズオン1としてこの本をやりました。といっても、暗記するとかではありません。さらっと真似してみました。今もう忘れてしまっているので、またやり直したいです。
- ハンズオン2はこれ。エラー出まくりましたが、ESの具にもなるしよかったです。
転活開始
約半年も準備に費やしました。のんびりしてると現職での首も危ういです。
先に書くと、本格的に開始してから1.5カ月で内定でした。
書類
これまで勉強したことについて書類を書き、言い回しが自然になるように、友人に添削してもらいました。
アピールポイントは技術に興味・好奇心を抱いていることと、わからないことは自分で調べて勉強する意欲があること。食品業界の経験の中でも、顧客に対するコミュニケーション経験はとりあえず書いておきました。その他はほぼ書いてません。
転職サイトの「職務経歴」を書く欄も、独学した内容を書いたりしてアピールしました。食品メーカーにいた経験などほぼ役に立たないと判断したので。
友人に壁打ちに付き合ってもらい、本気の面接練習をやってもらいました。本番より友人の方が怖かったです。
応募
未経験のため年収が下がる覚悟はありましたが、最初は背伸びをした求人に応募していました。すなわち「未経験歓迎」をあえて避けていました。当たりまえですが書類で切られます。わずかに通った会社にも面接で落とされました。
40ほどの会社からお祈りされたところで諦めて、未経験でも可というところに出したところ、書類も面接も通過するようになり、心に余裕が生まれました。内定を数個頂戴しました。
現職からかなり収入が減ってしまいますが、挑戦ってそんなもんやなと覚悟していたところ、一番最初のほうに応募していた大手SIerから内定を頂戴し、現職と同水準だったこともあり二つ返事で承諾。
結果的には、100社応募、10社書類通過、5社内定、くらいだったと記憶しております。
全体を通じて感想
私は新卒の就活では、60社くらい書類出して内定もらえたの1社だけだったので面接巧者というわけではないと思います。そんな私がつかんだポイントをば。
- 論理的であることが重要。論理的なことは業界が違っても通用する。以下のような気持ちで書類作成と面接の準備をしていました。超がつくほどの当たりまえですが・・・
- 「覚悟がある」なら資格は取れる。高額なCCNAでも。
- 「普段から勉強している」なら最近読んだ本についての意見も話せる。
- 「技術が好き」なら興味を持った技術要素について調べたことが話せる。
- 30過ぎての転職なので面接官は警戒心を持っているように感じた。
- 「なぜ30にもなって異業界異業種?」というのは絶対に聞かれた。
- 基本的に「技術に詳しくなりたい」というのをベースに回答したが、深掘りされた場合は雇用整理があって不安だったという事実も話した。
- ネガティブな理由だが、一個目の理由でなければ問題なく受け入れられた感触だった。
- 自然なコミュニケーションが取れることは本当に大切。例えば、向こうの冗談はきちんと受け取って返すなど。能力も見られるが、職場にいて「問題がないか」を見られてもいるのかなと
- 業界研究が甘いことが敗因となった面接もあった。自分の言葉が出てくるまで研究はやるべき。
偉そうに書きましたが、いい結果を得られたのは相談に乗ってくれた友人のおかげです。
彼はエンジニア専門の転職支援エージェントをやっていいるので、興味のある方はコンタクトをとってみてはいかがでしょう。https://yamapan.tokyo/?p=2525
今後、彼の知らない技術を業務で経験したときは、情報共有して恩返ししたいです。
お読みいただきありがとうございました。