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こんにちは、株式会社方角という会社で代表取締役をしております方山れいこと申します。「デフエンジニアの会」アドベントカレンダー17日目を担当させていただきます。

デフエンジニアの会アドベントカレンダーに参加していますが、実は私は耳が聞こえる、いわゆる「聴者」です。そしてエンジニアでもありません(htmlとCSSを触れる程度です)。
「なぜ聴者の非エンジニアが参加しているの?」と疑問に思われた方も多いと思います。今回私は「聴覚障害者を雇用する経営者」そして「聴覚障害者の雇用の未来をより良いものにしたい起業家」という目線から書かせていただければと思います。

株式会社方角の現状

社員のプライバシーに関わる話も出てくるため詳細に書くことは控えさせていただきますが、弊社は聞こえる社員と聞こえない社員が一緒に働く職場です。
少人数の小さい会社ですが、コミュニケーション方法など工夫して文化として浸透させることを目的としています。
前提として、弊社は週の半分はリモートワークです。出社率は時期によって違います。(最近は寒いのでリモート率高め)

どんな人が働いているのか

福祉的なバックボーンを持った人は一人もおらず、入るまでこういう世界を知らなかったという社員もいます。ですが皆口を揃えて言うのは「耳が聞こえてても聞こえてなくても、別に関係なくないっすか?」って感じです。
今までとは違うコミュニケーションの方法や人との関わり方に柔軟に対応できる人たちなので、いい意味でこだわりのない人たちかもしれないですね・・・。

株式会社方角のマインド

代表が障害当事者の文化や生活をまずよく知り、企業文化に発展させることが大事であると考えています。 ここが欠けていると、小手先の配慮だけで終わってしまい、中身の伴わないものとなってしまうからです。
文化や生活を理解した上で、以下のことを行っています。

積極的に行っていること

全社的にテキストコミュニケーションを主とする
聞こえる者同士でも極力電話を使わない文化とし、テキストでのコミュニケーションを推奨します。

ブギーボードを会社で購入し使用する
ちなみに弊社がよく使用しているのは、キングジムのこちらのブギーボードです。

全社員に定期的に1on1を行う
最近困っていること、悩んでいることなどを積極的に聞き出す機会を作っています。

ゆるく繋がってくれる当事者を巻き込む
聴者の目から見て不明なことがある時は、何名かの当事者に気軽に聞ける場所を設けています。

雇用してみて思ったこと

弊社の事例は聴覚障害に限定されるものではありますが、それを踏まえても、障害者の雇用は決して難しいことではないなと感じています。
当事者の文化や生活をまず理解すれば、企業がやるべきことは自ずと見えてくるのではないでしょうか。

今後の株式会社方角の課題

会社専属の手話通訳スタッフを入れる
理由は2つあります。
・今後社員が成長していった際に、クライアントともより対等に話せる機会を創出したいため
・メディア露出の機会などで通訳を必要とする場面がありそうなため
それぞれで担当する方も変わってきそうなので、場面によってお願いする方を変えられる仕組みができないか模索中です。

会社主催の手話教室を必須とする
今聞こえる社員には自主的に手話を覚えてもらっていますが、より基本を学んでもらうために手話教室の導入を考えています。

株式会社方角の新たな取り組みについて

聴覚障害当事者と関わることが増え、企業がコミュニケーションの方法を整備すれば、お互いがより快適に仕事をすることができると実感しました。
おこがましいですが、弊社のような企業をもっと増やしたいと思い、聴覚障害者の雇用を創出する求人プラットフォーム「 グラツナ」を立ち上げます。

23年1月にまず仕事情報掲載サイトとしてオープンします。その後23年3月以降、企業研修プログラムやコンサルティング、サポートデスクの設置を予定しています。

障害者雇用はハードルが高い、とどうしても思われがちですが、企業がきちんと適切に理解すれば決して難しいことではない、ということを広めてゆきたいと思っています。

来年以降の株式会社方角も、どうか見守っていただけますと幸いです!

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