概要
ソフトウェアの開発における「レビュー」の効果を最大化するために、依頼者・レビュアーの双方が頭に入れておきたい事柄を簡単にまとめました。
レビューとは
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レビューの目的
- 誤りの検出 →レビュアーの注意力・知識を借りる
- トレードオフに対する妥協点の決定 →レビュアーの知識・判断力を借りる
- 情報共有 →レビュアーに内容を知ってもらう
- 工程上の手続き →正式なものとして承認する
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レビューは依頼者とレビュアーの共同作業
(少なくともレビューの場においては) 両者の立場は対等であり、互いに敬意を払いつつも遠慮はないようにし、レビューの効果を最大にすることを考える。 -
レビューの主体は依頼者
依頼者が自身の仕事の完成度を高めるためにレビューという道具を「利用」する。
レビュアーの心得
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不可解だと思う箇所があった時にはすぐ誤りだと判断ぜず、なぜそうしたのかを依頼者に聞いてみる。
レビュー対象については依頼者の方がよく知っている。 -
修正方法を押し付けしない。
修正案として提示だけして、実際どのように修正するかは依頼者の裁量とする。 -
指摘したことが意図どおりに理解されているか確かめる。
誤った理解によって依頼者の作業時間を無駄にしないようにする。
依頼者の心得
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レビューの場で本質ではないことに時間を消費することがないよう努める。
文章の不備、ルールの違反、タイプミスなどがないか見なおす。 -
理由があって素直ではない方法をとった場合は、あらかじめそのことをレビュアーに伝える。
レビュアーの思考時間を無駄づかいしないようにする。 -
指摘をうのみにしない。
レビュアーはレビュー対象についてすべて理解している訳ではないので、誤った指摘をするかもしれない。
最後に
レビューはともするとやらされ感から形骸化したり、受けた指摘や返される反論でムッとすることがあったりしがちですが、依頼者とレビュアーが同じ目的・考え方を持って行うことで、効果的かつ気持ちよく進められたら良いなあと思います。
おわり。