はじめに
本記事では、ウイングアーク社のBIツールであるDatalizerを使用して、予実管理レポートを作成する際のやり方を紹介します。やり方の案を概要として紹介するところまでの記事なので、具体的な実装方法は公式マニュアルを参照いただければと思います。予算データと実績データの2つのデータセットを組み合わせたレポート作成には、以下の2つの方法があります。それぞれの方法の特徴や選択肢についても比較します。
Datalizerとは
[Dr.Sum]とはウイングアーク社のBIツール・データベースであり、DatalizerはDr.SumのデータをブラウザやExcel上でレポートとして表示することができるツールです。レポートは明細表や集計表などの表形式で構造化されたデータを表示することが可能です。
予算データと実績データの掛け合わせたレポートの作成案
Datalizerでは基本の定義ファイル(レポート)で指定可能なデータソースは1つだけなので、予算データと実績データの2つの異なるデータセットを組み合わせた予実管理レポートを作成するには工夫が必要です。
作成方法としては以下の2つの案があります。
1. 予算データと実績データを1つのテーブルに集める方法
この方法では、Dr.Sumにデータを取り込む際に、予算データと実績データを1つのテーブルにまとめます。
予算データと実績データを別のテーブルに取り込むのではなく、1つのテーブルに取込してレポートで集計をかけます。
補足
- テーブルに登録するデータは、データセットごとにレコードを分けて作成します。
- データが取得できないカラムは空や0にしておきます。
- データセットの種類を識別できる区分やコードなどを付加すると、後でデータを操作する際に便利です。
2. マルチビュー(結合表)を使用してレポートをまとめる方法
この方法では、Datalizerのマルチビュー(結合表)機能を使用して、2つのレポートを1つのレポートにまとめます。
補足
- 予算データと実績データをそれぞれ別のテーブルに分けて作成します。
- レポート(集計定義ファイル)も予算データと実績データそれぞれで作成し、更にそれらを1つにまとめるマルチ集計定義ファイルを作成します。
- Datalizerのマルチビュー(結合表)は、マニュアル(リンク先はver5.6)を参照して作成方法を確認してください。
注意点と特徴
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予算データと実績データを1つのテーブルに集める方法
データ連携元で処理を作成したり手作業などでデータをまとめる対応が必要ですが、予めデータをまとめておくことでレポート表示時のパフォーマンス向上が期待できます。 -
マルチビュー(結合表)を使用してレポートをまとめる方法
Datalizer側でデータの結合やまとめる処理を行うため、データ連携元のシステム側で処理を作成したり手作業でまとめるといった手間は省けます。一方で、レポート表示時の処理は少しパフォーマンスが落ちる懸念はあります(データ量にもよるため一概に落ちるとは言えない)。
まとめ
本記事では、Datalizerを使用して予算データと実績データを組み合わせた予実管理レポートを作成する方法について解説しました。これらの方法は、予実管理だけでなく異なる複数のデータソースを組み合わせて集計したい場合に応用できます。データ量やサーバスペックなどの環境面やデータ連携元での対応可否などの要件を考慮し、最適な方法を検討してみてください。