今回は、今更ながらですが、最新バージョンのvSphere 8.0について、従来のバージョンとの互換性の変更点を紹介します。
vSphere 8.0では、仮想マシンの互換性、ゲストOSの互換性、デバイスの互換性、ソフトウェアなどいくつかの重要な変更があります。それでは、詳細を見ていきます。
※主にvSphere 8.0のリリースノートから抜粋した情報を基に紹介していきます。
ESXiのデバイス互換性
ESXi 8.0と互換性のあるデバイスを確認するには、VMware Compatibility Guideを参照してください。
vSphere 8.0では、プロセッサ、ストレージデバイス、およびI/Oデバイスの互換性に関する情報が提供されています。これにより、既存環境に使用しているデバイスがvSphere 8.0と互換性があるかどうかを事前に確認することができます。
検索カテゴリから確認対象のカテゴリ、フィルタを設定して検索をします。
ESXiとvCenter Serverのバージョンの互換性
vCenter Server 8.0はESXi 6.7以降と互換性がありますが、ESXi 6.5とは互換性がありません。
したがって、vCenter Server 8.0でESXi 6.5を管理したい場合は、先にESXiをアップグレードする必要があります。
参考:Product Interoperability Matrixes
https://onl.sc/yK5zifw
ESXiの仮想マシンの互換性
vSphere 8.0は、ESX 3.x以降(ハードウェアバージョン4)と互換性のある仮想マシンをサポートしており、古めのバージョンまで広く対応しています。
なお、ESX 2.x以降(ハードウェアバージョン3)と互換性のある仮想マシンはサポート対象外となっています。
ESXiのゲストOSの互換性
vSphere 8.0では、VMware Compatibility Guideを参照して、互換性のあるゲストOSを確認することができます。
今回のリリースでは、いくつかのゲストOSが非推奨またはサポート終了となります。例えば、Windows Vista、Windows 2003/R2、Windows XP、Oracle Linux 5.x、CentOS 5.x、SUSE Linux Enterprise Server 10 SP4などが含まれています。
これらのゲストOSはサポートされませんので、利用している場合は新規作成や、新しいゲストOSへのデータ移行等が必要となるのでご注意ください。
NSX for vSphere (NSX-V)との互換性
vSphere 8.0では、NSX for vSphere(NSX-V)との互換性はありません。
NSX-Vを導入している環境からvSphere 8.0へのアップグレードはサポートされていません。そのため、NSX-Vを継続して利用したい場合は、新たにNSX-T(NSX)を準備する必要があります。なお、vSphere 8.0でサポートされるのはNSX(NSX-T)のバージョン4.1.0.0または4.0.1.1です。
アップグレードパス
互換性のお話ではありませんが、アップグレードパスについても記載しておきます。
vSphere 8.0へのアップグレードを検討する際にはアップグレードパスを確認します。アップグレードパスは現在利用中のvSphereのバージョンに依存します。vCenter Server 8.0はESXi 6.5を管理できません。
vSphere 6.5の環境は、一度6.7もしくは7.0にアップグレードしてからvSphere 8.0にアップグレードする必要があります。
※ESXi 6.5 U1以前の場合は、ESXi 6.7へのアップグレードが必須で、7.0へのアップグレードはサポートされていません。
一方、vSphere 6.7と7.0は直接vSphere 8.0にアップグレードできます。
参考:Product Interoperability Matrixes
今回はvSphere 8.0の互換性に関する変更点の概要について紹介しました。アップグレードを検討する際には、リリースノートやVMwareの公式ドキュメントを参照し、システムの互換性を確認するようおすすめします。
次回は互換性以外のアップグレードに関する注意点など投稿したいと思っています。