アメリカのラスベガスで開催された、VMwareのイベントである「VMware Explore 2024 Las Vegas」に参加したので、個人的に注目した機能に関して小出しですが紹介します。
今後リリース予定のVCF9(VMware Cloud Foundation 9)で実装されるVMware vSANの新機能として「グローバル重複排除(Global Deduplication)」が一部のvSAN関連のブレイクアウトセッションで発表されていました。
本記事では、このグローバル重複排除機能の概要とそのメリットについてご紹介します。
グローバル重複排除機能とは?
vSAN ESAの今後のアップデートにより、ストレージ効率を向上させる「グローバル重複排除」機能が追加されます。従来のvSAN OSAはディスクグループ単位での重複排除機能を持っていましたが、新しいグローバル重複排除機能では、クラスタ全体を通じて重複データを削減できるようになります。
主な特徴
1.広範囲な重複排除ドメインの実現
クラスタ全体をカバーすることで、複数のノード間のデータ重複を効率的に削減し、ストレージ容量の削減に期待できます。
これにより、単一ノード内の重複排除よりも、さらなる効率化が期待できます。
2.仮想マシンへのオーバーヘッドを最小限に抑える設計
新しい重複排除の仕様は、パフォーマンスへの影響を最小限にするよう設計されています。従来のOSAの重複排除の際に発生していたオーバーヘッドを抑え、高いデータ効率を実現します。
グローバル重複排除のメリット
この新機能の実装により、ストレージ効率の向上と同時に、総所有コスト(TCO)の削減を実現できます。具体的なメリットは以下の通りです。
•TCO削減
VMwareの社内検証情報によると、従来のストレージに比べて最大34%のTCO削減が可能となります。また、従来のストレージと比較して、1TBあたりのコストを46%削減することができ、vSAN OSAと比較しても、1TBあたりのコストが36%削減されると発表されています。
•コスト効率の高いデータ保護の実現
vSANをレプリケーションターゲットとして使用することで、データ保護にかかるコストも5倍の効率化が図れるため、バックアップや災害復旧におけるコストを大幅に削減できます。
今後の展望
今回のグローバル重複排除機能は、VCF9におけるvSANの目玉機能として、魅力的な機能になることが期待されています。
VCF9ではその他にも最適なインフラを提供する新しい機能や技術を導入していくことが発表されていますが、
本記事では、vSANのグローバル重複排除機能について解説しました。リリース時期は未定ですが、今後のストレージ環境の効率化に役立てていただければ幸いです。