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Product ManagerAdvent Calendar 2015

Day 14

プロダクトマネージャーが見るべきデータ ~パレートの法則をどう見るか編~

Last updated at Posted at 2015-12-13

##自己紹介

こんにちは。井原真吾です。

普段はリクルートライフスタイルという会社でいろいろなプロダクトの主にToB系のデータ分析をしながら、プロダクトマネージャー的な人にデータを元に示唆を渡したり、データドリブンに動けるよう現場向けにツールの整備までしたり、「データマネジメントチーム」というチームを作っていろいろなデータ関係の仕事をやっています。
会社的に特にToBのデータ量は日本一ではないか?というほどに多種多様なデータを持っておりますので、非常に面白いですよ!(宣伝)

僕自身はプロダクトマネージャーではないですが、普段プロダクトマネージャーはどんなデータを見て、どんな打ち手を行えばいいか、悶々とすることが多くないでしょうか。
僕はいろんな事業に入って日々たくさんの種類のデータと向き合っているので、そんな立場からこの記事ではプロダクトマネージャーのみなさまに示唆を与えることができればと思います。

書いてみたいことはいろいろあるのですが、
例えば、どの事業でも見てみると面白いのが「パレートの法則」、いわゆる「2:8の法則」です。

##プロダクト内のパレートの法則を明らかにしてみる

詳細はWikipediaのパレートの法則の例など見ていただくとわかりやすいですが、

現代でよくパレートの法則が用いられる事象
*ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。
*商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。→ロングテール
*売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
*仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
*故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
*所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。
*プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。
*全体の20%が優れた設計ならば実用上80%の状況で優れた能力を発揮する。

このように、いろんな例において「2:8」が当てはまることが多い、と言われています。
僕は複数の事業やプロダクトのデータ分析を行ったことがありますが、これはたしかに結構当てはまることが多いです。

「ふーん、じゃあ2割に力を注げばいいじゃん」と思われるかもしれませんが、
重要なのは**自分のプロダクトの中で「どこにおいて、パレートの法則が当てはまっているか」**を明らかにすることです。

##あなたのプロダクトの上位2割が占める8割はなんだ?

つまり、「●●のうち、上位2割が8割の■■を占める」の「●●」と「■■」が何かを明らかにすることが重要なんです。

例えば、
「顧客のうち、上位2割が8割の売上を占める」構造になっているのか、
「顧客のうち、上位2割が8割の粗利を占める」構造になっているのか
は、出てくる示唆がずいぶん違います。

また、
顧客のうち、上位2割が8割の売上を占める」構造なのか
ログインユーザーのうち、上位2割が8割の売上を占める」構造なのか
によって、また打ち手も大きく変わります。

僕の経験上、このパレートの法則が適用される場所はプロダクトごとによって全然違い、非常に示唆に富んでおり、現在のプロダクトの性質がよく表れます。

また、「偏り」がわかると、非常にその後の打ち手につながりやすいです。

##偏りはわかった。じゃあ打ち手はどう考える?

打ち手はいろいろ考えられますが、大別すると

1.上位20%をもっと獲得できないか?
2.上位20%にリソースを絞って、もっと磨けないか?
3.下位80%を上位20%に引き上げることができないか?

に収束するのではないでしょうか。

その際、重要なのは「その違いがもたらされているのは変動要素によるものなのか、固定要素によるものなのか」です。

例えば「上位20%の日付によって、80%の行動が起こっている」という場合、
上位20%の日付というのは、3連休だったり夏休みだったり、特定の事情がある日だったりします。
その場合「3連休を増やせないか?」などは固定要素で現実的ではないので、1の打ち手はありえません。
UXを考えて3ができないか?(3連休の時のような振る舞いをユーザーにしてもらうことはできないか?)などは多少ありえたりします。
現実的には2の打ち手で、その期間の効果を最大化するためにその前にプロモーションを打ったり、キャンペーンを行ったりして、上位20%での効果をもっと上げることに注力するのが費用対効果が良かったりします。

これらのように、打ち手を考える際は何が固定要素か変動要素かを考え、

1.上位20%をもっと獲得できないか?
2.上位20%にリソースを絞って、もっと磨けないか?
3.下位80%を上位20%に引き上げることができないか?

の軸で打ち手を考えると、結構スッキリします。

例えば「営業マンのうち、上位2割が8割の売上を占める」だったら何ができるか?
カテゴリのうち、上位2割が8割の投稿数を占める」だったら何ができるか?
執筆者のうち、上位2割が8割のPVを占める」だったら何ができるか?

などなど、いろいろ考えてみるとバリエーションが多くて面白いかもしれません。

プロダクトマネージャーをやっているわけではないですが、気づきを提供できれば幸いです。

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