今回、「ブラック企業」を英語でどう表現すればいいのか調べたため なぜ調べたのかという理由は差し置いて 覚書として残したい。
Ⅰ. 「black」のニュアンスが異なる
Wiblio大先生によると、直訳"black company"だと「黒人の企業」と誤解の可能性があるとのことだった。
確かに日本の「ブラック」と英語圏の「ブラック」では歴史的にも文化的にも大分認識が違うのだろう。
とはいえ今回は手っ取り早く「ブラック企業」を英語で表したい。それだけだ。表現方法を見ていこう。
Ⅱ. 「ブラック企業」の表現3選
1. sweatsshop ・・・搾取工場
スウェットショップとは、労働者を低賃金かつ劣悪な労働条件で働かせる工場。開発途上国であることが多いが、米国などでも報告されている。語源は1830年代で、下請け作業のことを「SEWAT(汗をかく)」と呼んだことに始まる。
搾取工場 (SWEATSHOP) by「WWDJAPAN」
- この意訳が一番
kuso &f**k企業の意訳としてしっくりきた
2. exploitative enterprise ・・・搾取的な企業
- 【exploitative】/ɪksplˈɔɪṭəṭɪv/ 搾取的な
- 2016年過労死に関するJapanTimesの記事では、この「Exploitative enterprise」という表現も使われている。
- ※別記事では「EvilCompany」といった表現もあったため、統一やニュアンスによって異なる可能性については考慮したい
3. evil corporation ・・・悪徳企業
cf.) 社外に対して悪い企業
「ブラック企業」というのは働き手にとって悪いというのが基本だと思うが、Wiblio大先生によると社外に対してのブラック企業の存在も示唆されていた。
rapacious dealer(強欲な、貪欲な、略奪する商売)
dishonest business(不正直な、誠実でないビジネス)
crooked company(不正直な、不正手段を使った、歪んだ企業)
Ⅲ. Wiki先生にも聞いてみた
何となくWiblio先生だけに頼るのは不安だったのでWiki先生にも力を貸していただいた。
- 「ブラック企業」→「Black company (Japanese term)」
- 題名としてブラック企業はジャパニーズタームとして「Black Company」となっていた。
- 内容
-
「exploitative sweatshop-type employment system.」
→Ⅱでも記載した表現3選のうち二つを合体させた「とりあえず搾り取っている」というのがブラック企業の英語表現となっている。 - しかし、「sweatshop」という表現だと、「手工業、肉体労働系の業務」であると結び付けられやすいらしい。
大手総合職やオフィスワークで過労死を引き起こしている日本のブラック企業を表現するためには「sweatshop」の使用には注意が必要そうだ。
-
「exploitative sweatshop-type employment system.」
ブラック企業の定義とは
最近一挙手一投足全部がブラックとしか思えない、というブラックバイアスにかかってしまっているため、認識を認識を改めるため、デジタル大辞泉による定義を以下記載する。
- 労働条件や就業環境が劣悪で、従業員に過重な負担を強いる企業や法人。
- 長時間労働や過剰なノルマの常態化、セクハラやパワハラの放置、法令に抵触する営業行為の強要といった反社会的な実態がある。
「ブラック企業」の「ブラック」の内容には色々な側面や種類が存在するが、方向性として、"じわじわと人間を蝕む"という点に関しては変わらないのだろう。
【おまけ】 「ブラック企業大賞」HPについて
「ブラック企業」という概念に関してはぶっちゃけどうでもいいと考えていたダメ人間だが、ネトサをしている中で「ブラック企業大賞」なる存在に辿り着いた。
パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、派遣差別、偽装請負・・・。日本の労働環境はいまますます悪化の一途をたどっています。それらの職場はここ数年で「ブラック企業」と称され、社会的にも注目されつつあります。・・・そこで私たちは、ブラック企業の個別の事例はもちろんのこと、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして「ブラック企業大賞企画委員会」を立ち上げました。
ブラック企業大賞HP
ぶっちゃけどうでもいい。なら載せるな
しかし、このサイトにアクセスする際、「http通信サイトのため安全ではありません」なる警告が出て、「あ、なんかアレだなアレ。」という感覚に陥った。
そう自分はまだ「http通信」と「https」通信を言語化できない情弱なのだ。
そう。調べよう。chatch upしよう。
参考文献
- Wiblio英会話コラム.「英語で考える「ブラック企業」と英語の「black company」」.2016-10, https://eikaiwa.weblio.jp/column/phrases/natural_english/black-company#i-5, (参照 2023-05-27).
- Wiblio英和辞典.「exploitativeとは 意味・読み方・使い方」. https://ejje.weblio.jp/content/exploitative (参照 2023-05-27).
- WWDJapan.「搾取工場 (SWEATSHOP)」.搾取工場 (SWEATSHOP), (参照:2023-05-27).
- theJapanTimes.「Exploitative enterprises continue to menace society」.2016-02, https://www.japantimes.co.jp/news/2016/02/06/national/media-national/exploitative-enterprises-continue-menace-society/#.V_xceYiLQfc, (参照:2023-05-27).
- デジタル大辞泉.「ブラック‐きぎょう〔‐キゲフ〕【ブラック企業】」.2023, https://www.weblio.jp/content/ブラック企業, (参照:2023-05-27).
- Wikipedia.「Black company (Japanese term)」.2022-10, https://en.wikipedia.org/wiki/Black_company_(Japanese_term), (参照:2023-05-27).
- Wikipedia.「ブラック企業大賞」.2022-12,https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラック企業大賞, (参照:2023-05-27).
- Wikipedia.「Evil corporation」.2023-05, https://en.wikipedia.org/wiki/Evil_corporation , (参照:2023-05-27).
今週は何度「chatch upします」という単語を使ったことだろうか。
ダメ人間。辛い。
そして、明日の朝にはきっとブラック企業の英訳を忘れてQuiita Pageを開くに違いない。