LoginSignup
25
25

More than 5 years have passed since last update.

grub.cfgが破損してOSが起動しなくなった場合の対応方法①

Last updated at Posted at 2018-08-04

前置き

最近、OSが起動しないパターンの障害によく遭遇するので、忘れないうちに記事にしておきます。
今回は、GRUBが破損してOSが起動しなくなった場合の対応方法についてです。

OSが起動しない場合の対処方法は、以前にも記事にしたのでこちらも併せて読んでみてください。

実施環境はESXi6.5のネステッド環境に、ゲストOSとしてCentOS7.3をインストールしています。ファームウェアはEFIで実施していますので、BIOSを使用している環境で試す場合はご注意ください。

grub.cfgが破損してOSが起動しなくなった場合の対応方法

前準備

grub.cfgが破損した状態を再現するために以下を実施しました。

1.grub.cfgのバックアップを取得。

cpコマンドでgrub.cfgのバックアップを取得します。

GRUBファイルの格納場所は以下の通りです。
EFI:/boot/efi/EFI/centos/grub.cfg
BIOS:/boot/grub2/grub.cfg

[root@localhost]# cd /boot/efi/EFI/centos/
[root@localhost]# ls -l /boot/efi/EFI/centos/grub.*
-rwx------. 1 root root 4221  7月 28 15:54 /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg
[root@localhost]# cp -p grub.cfg grub.cfg_bk
[root@localhost]# ls -l /boot/efi/EFI/centos/grub.*
-rwx------. 1 root root 4221  7月 28 15:54 /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg
-rwx------. 1 root root 4221  7月 28 15:54 /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg_bk

2.grub.cfgを破損させる

疑似的にgrub.cfgが破損した状態を再現するため、grub.cfgを/dev/nullで上書きします。

[root@localhost]# cat /dev/null > /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg
[root@localhost]# ls -l /boot/efi/EFI/centos/grub.*
-rwx------. 1 root root    0  8月  4 20:46 /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg
-rwx------. 1 root root 4221  7月 28 15:54 /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg_bk
[root@localhost]#

これで準備完了です。

エラー状態

OSを起動させようとした場合、通常時はgrub.cfgが読み込まれ、以下のようなOSの選択画面が表示されます。
【通常時】
image.png

今回、前準備でgrub.cfgを破損状態にしていた為、grub.cfgが読み込めずgrubのコマンド画面が表示されてしまいました。なお、【通常時】の画面からcキーを押下してもこちらの画面に切り替えることができます。1

image.png

対応方法

grub.cfgのバックアップがある場合は、バックアップされたファイルを読み込むことでOSを起動させることができます。対応手順は以下の通りです。

1.grub.cfgのバックアップファイルを探す

grubコマンド画面でlsと叩くと認識されているディスク一覧が表示されます。2
表示されるディスク名はOS上と名前が異なるので注意してください。

grub> ls
(hd0) (hd0,gpt1) (hd0,gpt2) (hd0,gpt3) (hd0,gpt4) (hd1) (hd1,gpt1)

参考までに簡単な対応表を置いておきます。

OS GRUB(EFI) GRUB(BIOS)
sda (hd0) (hd0)
sda1 (hd0,gpt1) (hd0,msdos1)
sdb2 (hd1,gpt2) (hd1,msdos2)

さらにlsコマンドに表示されたディスク名を付けると、配下のディレクトリとファイルが表示されます。コマンドの最後に/を付けるのを忘れないようにしてください。

grub> ls (hd0,gpt1)/
efi/

lsコマンドを駆使して、grbu.cfgのバックアップファイルがあるディレクトリを探します

grub> ls (hd0,gpt1)/efi/
./ ../ centos/ boot/
grub> ls (hd0,gpt1)/efi/centos/
./ ../ grubenv grub.cfg_bk ...

バックアップされたgrub.cfgファイルが確認できました。

2.grub.cfgを読み込ませる

以下のコマンドでバックアップされたgrub.cfgを読み込ませます。
configfile [バックアップしたgrub.cfg]
今回の場合ですとconfigfile (hd0,gpt1)/efi/centos/grub.cfg_bkとなります。

image.png

無事OSの選択画面を表示される事に成功しました。
このままOSを起動します。

3.grub.cfgを再作成する

OSにログイン後、以下のコマンドで破損しているgrub.cfgを再作成します。
grub2-mkconfig -o [grub.cfgの格納場所]

[root@localhost]# grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg
Generating grub configuration file ...
Found linux image: /boot/vmlinuz-3.10.0-514.16.1.el7.x86_64
Found initrd image: /boot/initramfs-3.10.0-514.16.1.el7.x86_64.img
Found linux image: /boot/vmlinuz-0-rescue-084b46c885214a3eb90bb06d2dde1d48
Found initrd image: /boot/initramfs-0-rescue-084b46c885214a3eb90bb06d2dde1d48.img
done
[root@localhost]# ls -l /boot/efi/EFI/centos/grub.*
-rwx------ 1 root root 4385  8月  4 21:16 /boot/efi/EFI/centos/grub.cfg

破損したgrub.cfgの再作成が成功しました。
これで対応は完了となります。

grub.cfgのバックアップを取得していなかった場合

この場合は、CD/DVDブートで「Troubleshooting」よりOSにログインし、grub.cfgを再作成する必要があります。
CD/DVDブートでのOS起動の方法は「SElinuxの無効化に失敗してOSが起動しなくなった話」を参考にしてください。なお、CD/DVDブートでのgrub.cfgの再作成は未検証ですので実施する場合はご注意ください。

あとがき

今回はGRUBが起動しない場合のリカバリー方法を一つ紹介しました。
対応方法としては、grubコマンド画面から直接OSを起動させる方法もありますので、機会がありましたら記事にしたいと思います。

追記:grubコマンド画面から直接OSを起動させる方法を記事にしました。

以上


  1. カーネル起動オプションの設定を誤り、「対応方法」に記載されている方法でバックアップしたgrub.cfgを読み込みたい場合などに使用します。 

  2. バックアップファイルがLVM上にある場合はinsmod lvmでモジュール読み込んでからlsするとパスが表示されるようになります。その他のgrubコマンド画面で使用できるコマンドは[Tab]キーで表示されます。 

25
25
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
25
25