MS-Wordのmetapher(比喩)はもともとタイプライターで,textを平文で打つイメージでした.その後,版組や写植の技術も取り込んで進化し,文章の体裁を整えて見栄えを良くできるようになってきています.プログラマは,Wordを超えるいくつものより便利なツールを手に入れていますが,それらの元になるのは,WYSIWYG("what you see is what you get")のtasteです.それをこの講義で身につけてください.
コツは,「文章」の中身にはなく,「文書」のパーツ(構成要素)を適切に組み合わせることです.
文書の構成要素は,
- タイトル,作者情報
- 平文(段落,フォントサイズ,)
- head(階層)
- リスト(記号付き,数字付き,宣言的)
- 図・表(番号,キャプション,参照)
- 数式
- 引用
- 参照文献
からなります.これらの掟を見抜く目を身につけてください.Markdownはそれを強制します.
作業手順:テキストの流し込み
- qiita記事-双曲割引とスマート戦略-すぐやれない理由とその克服法-を開く
- 左横のペインにある「Markdownで本文をみる」ボタンを選ぶ
- titleと本文を領域選択してコピー
- Word(or pages for Mac)にペースト
- mark up(印,*, # $)に従って体裁を修正.
- マークアップはWordの本文では削除しておくこと.
体裁:文書パーツの着眼点
段落の体裁
- 配置は両端揃え
- 表題(title)はゴシック,センタリング
- 学籍番号,所属,名前は右詰め
- 見出しはゴシック.
- 字下げはスペースではなくインデントで調整
- ドキュメントの上の目盛りをいじって下げてね
- 引用した文章は両端のインデントを小さめにする.
- リスト(箇条書き)では,字下げを逆にする(つきだし,あるいはぶら下がり)と見栄えが良い.
フォントの体裁
- 本文は明朝,見出し(, *, *)はゴシック
- レポートのページ数はフォントの大きさで調整.
- レポートでフォントの大きさが指定されたときは,行間で調整(最終手段)
図表のキャプション(caption)
- キャプションとは図表の内容を説明する文章.
- 図は下に,表は上にキャプションを配置.
- 図,表それぞれで通し番号をつける.
- キャプションも文章なので,最後はピリオドで終わる.
引用(quote)1
- 無断の引用は剽窃になる.
- 短いときは鉤括弧「」でくくる.
- 英語は斜体(italic)かクオーテーション(', ")
- 長いときは,block quoteと呼び,両端にインデントをとって本文と区別する
- 引用元を明示する.
- 角括弧[1]か上つき2にして,番号をふり文末に参考文献としてまとめる.
参考文献(references)
- 本文で出てきた順にナンバリングする.
- 著者・題目・出版社・出版年をかく(体裁,書き方をそろえること!).
- ピリオドで終わる.
- 本文中の引用元の記載は[文献のナンバリング,引用元のページ数]というように書く.
- 本文で引用されていない参考文献はない.
完成例
完成例は,
です.私は,こんだけ整えるのに1時間とか,かかってしまいます .なんで,Markdown .そうすれば文章の中身に集中することができます.
おまけ(appendixとかsupplement)
明朝とゴシックの違いとは??
書体は,欧米ではcalligraphyという一つの学問になってます.Appleの創始者のSteveJobsが大学でそれしか学ばなかったのは有名な話.
- 文字の『止め』『跳ね』があるのが明朝体(教科書体)
- 文字が太めで均一なのがゴシック体(強調体,見出し体),校正ではゴチとも書く.
- 欧文のSerif(セリフ)とSans-serif(サンセリフ)に対応
- Serifは文字の端っこに付いている飾り線(ひげ)
- 『Sans』はフランス語で『ない』という意味
- roman(正体,立体), bold(太字), italic(斜体) なんかの書式とはちょと違う
もう一つのチェックリスト
パーツ | フォント設定他 | 段落設定 |
---|---|---|
題目 | ゴチ(ちょっと大きめ) | 中央揃え |
名前 | 学籍番号,所属,名前 | 右ヅメ |
見出し | ゴチ | (左ヅメ) |
本文 | 明朝(10-12p) | 両端揃え,先頭行一字下げ |
引用文献 | 上述を参照 |
Footnotes
1 引用は基本的に引用元にでてくる文章をそのまま使う.長いときとか,概念なんかはまとめてしまうが,参照元を明示._参考_文献ってのは日本語として確立しているけど,あやふやなイメージを学生は持つので注意すべき.参照も同じかも.
2 これは例です.
- source ~/Desktop/lecture_24s/comp_a24/d1_6_learning/d4_doc_discount/report_format.org