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RPAAdvent Calendar 2024

Day 13

RPAによる業務効率化への第一歩

Last updated at Posted at 2024-12-12

この記事は、RPA Advent Calendar 2024 13日の金曜日担当分の記事です:knife:

はじめに

2024年は、業務改善プロジェクトのメンバーとして、RPAツール等を使用した業務自動化推進を担当させていただきました。

プロジェクトを通して、業務の自動化や効率化に取り組むことができ、たくさんの学びや小さな成功体験を得ることができました。

このブログ記事で、プロジェクトの背景や目的、活動内容、RPAを導入した感想について書いております。少しでも参考になれば幸いです。

プロジェクトの背景と目的 🎯

管理部門では、お客様からご注文をいただいてから製品をお届けするまでの一連の工程を管理しています。それら管理業務は、得意先様や製品などにより複数の従業員が関わっています。

しかし、従来の業務では、以下のような課題がありました。

業務の非効率性として、データ入力やシステム連携など担当者間で手順にバラつきがあり、手間や人為的なミス等のリスクがありました。

また、業務の非透明性として、一部で属人化した業務プロセスも存在し、担当者の異動や欠勤時に業務が滞るリスクもありました。

これらの課題を解決するために、業務プロセスを見直し、手順の標準化を図り、RPAによって反復的なデータ入力やシステム連携を自動化し、人的ミスの低減業務効率を改善することを目指しました。

ツールの選定 🛠️

今回対象となった業務はデスクトップ上の操作を必要とするため、RPAツールの導入を前提としており、「Power Automate for desktop」を採用。

すでに社内ではMicrosoft 365が導入されており、親和性が高く、何よりクラウドフローとデスクトップフローの連携Microsoft365製品との連携によるさまざまな拡張性に期待しました。

活動概要 📋

対象業務の選定

少人数のプロジェクトでもあり、業務プロセスを洗い出し、定型化できる割合が高い業務人為的なミスが発生しやすい業務作業時間や頻度といった観点から、RPA導入による効果が大きいと判断できる業務を選定しました。

特に、大量のデータを手動で入力・加工する業務は、RPAによる自動化に適していると判断し、優先的に取り組むこととしました。

現行プロセスの分析・標準化

対象業務の現行プロセスを担当者から順次ヒアリングし、作業内容の整理と標準化を図りました。特にデータ加工の工程は、担当者のみ理解していた内容を重点的に聞き取り、作業プロセスをドキュメント化。また、加工に使うExcelファイルのフォーマットを統一し、データ加工手段の一貫性を確保しました。

RPAの開発・検証

前述の工程が完了した業務より順次RPA開発を進めていきました。

手動での運用検証 ⇨ RPA開発 ⇨ テスト環境で検証」という流れで進行。

まず、標準化された業務手順に基づき、人(手動)による運用検証を実施しました。

その後、自動化への置き換えが可能だと判断した業務からRPAの開発を開始し、開発したRPAはテスト環境で検証。担当者からのフィードバックを踏まえ、入出力の精度やエラーの傾向などを観察し、繰り返し改修しました。

運用開始と効果測定

動作検証に基づき、運用切り替えが可能と判断した業務よりRPAでの運用を開始しました。

結果として本プロジェクトでは、初動で約50の業務プロセスをRPAに置き換え1日あたりおよそ10時間の効率化に成功。

複数の従業員が関わっていた業務を一元的に管理できる体制への移行、また、RPA導入による省力化と作業精度を高めることができたのは「大きな一歩」でした。

成果と効果 🌟

人による作業時間削減

  • 1日あたり10時間分の自動化を実現し、業務全体の生産性が向上
  • 従来、多くの時間を要していたデータ入力や集計作業が自動化され、従業員はその他の重要な業務へシフト

人的ミスの削減

  • 人による入力ミスが減少し、データの正確性と信頼性が向上
  • 必要な情報の集約に集中することで、需要の予測など価値あるデータ分析に繋がる取り組みも進行中

業務プロセスの可視化

  • 属人化していた業務が可視化され、業務フローが明確化

一元管理

  • 複数の従業員が関わっていた業務を一元管理できるようになり、業務の透明性が向上

一例)データの取得、加工、登録や出力といった工程をRPAで効率化

AIの活用 🤖

一部では、紙や画像形式のデータを扱う必要がありました。

この課題を解決するため、「AI Builder」を導入し、画像からドキュメント情報を抽出。AI Builderをフロー内の組み込むことで、今までにない改善効果を得ることができました。

※こちらの記事で少しだけ紹介

失敗と学び:フロー共有化による保守性向上 📚

初期段階では、シナリオごとに個別フローを作成していましたが、フローが増えていき、管理面も課題となりました。そのため、作成したフローについて共通処理部分を抽出し、フローを共有化させることで保守性の向上に取り組んでいます。

RPAを導入してみた感想 💭

RPAを導入することで、業務効率化は実現しましたが、同時にシステム環境などの変化に大きく左右されることも実感しました。このため、適切な管理体制と組織的なサポートが非常に重要であると感じます。

RPAは予期せず中断することがあります。

たとえば、システムのアップデートやネットワークの不具合が原因で、RPAの稼働が停止することも。このような状況に備え、マニュアル作業への切り替え、他のツールやプロセスの活用など代替手段を確保し、RPAが停止しても業務が継続できるようにしておくことがとても重要です。

さらに、RPAの管理自体が属人的になる可能性があるため、ドキュメント管理も重要です。各プロセスやシステムの変更点などをドキュメントとして整理し、組織やグループ、チームで情報を共有している状態が必要だと感じております。

今後の課題 🔮

潜在的な課題や問題は依然として存在しますが、標準化を基盤に、引き続き効率化と安定した管理体制の構築を進めていきたいと考えています。

また、ローコードツールの普及により、アプリやフローの開発、環境管理の負担増も予想されます。限られた人員で効率的に開発が進められる環境作り、また、仮想環境導入などRPAの稼働安定性を確保することで、業務の継続性を高め、お客様へのサービス向上に繋げていける取り組みを進めていければと思います。

最後に

今回のプロジェクトメンバーにはとても感謝しています。

業務を見直し、適切なプロセスにする作業は非常に重要で大変な作業。プロセスにバラつきがあることで余計なシナリオが増え、業務およびRPAの管理工数も増えてしまいます。チーム全体の協力があってこそ、今回の活動が進められたと感じております。

そして、2024年も勉強会やコミュニティイベントの開催、ブログなどを通じて情報を発信してくださっている皆様に感謝の一年となりました。皆様、本当にありがとうございます🙇

まだまだIT知識が乏しい私ですが、2025年も引き続き良いローコードライフを送るために努力してまいります。

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