この記事は、Power Apps Advent Calendar 2023 12月21日担当分の記事です。
こんにちは。DAIと申します。
2023年のアドベントカレンダーも錚々たる参加者とテーマの中、簡単な記事で恐縮ですが、何となくでも私を知っていただいている方も、「なんだチミは?」という方も、どうぞよろしくお願いします🙇
以前は業務で利用するツールといえば、主にOffice系アプリケーションを使用していた私が、所属する組織でPower Appsセミナーを企画し、開催しました。社内でPower Appsを推進させるべく、少々冒険的だったその挑戦について記事にしてみました。
Power Appsと私
私が初めてPower Appsに出会ったのは2020年ごろでした。
その当時、私が業務で使用していたツールは、主にOfficeアプリケーションが中心でした。当時の上司から「計算アプリ」の作成に関する相談を受け、それがきっかけでPower Appsというツールについて知ることとなりました。
Power Appsでのアプリ作成を機に、Microsoft Power Platformというサービス群に触れることとなりました。その中で、 「すべての人が開発者になれる」 というビジョンにひかれ、自然な流れで書籍を購入し、動画やブログを参考にアプリを試作してみたり、更には勉強会などのコミュニティイベントにも参加するようになりました。
<Power Appsと私>
2020年 Power Appsに出会う。
2021年 Power Appsで簡単なアプリが作れるようになる。
2022年 社内導入されたPower Appsアプリが定着する。
2023年 Power Apps社内セミナーを開催する。
セミナー開催の目的
Power Appsの活用を通じて、社内でも業務自動化やペーパーレス化といった私の取り組みに関心を持っていただけるようになりました。この経験から、「より活用の幅を広げたい」という思いが芽生えました。
それと同時に「Power Appsが使えるとモテるかも」と、淡い思いも芽生える。
しかし、社内においては、ITに関する教育や制度が整備されているとは言い難い状況でしたが、一部からの期待もあり、皆さんにもPower Appsに触れる「きっかけ」を提供することを目的に企画しました。
もしも、前述の「計算アプリ」の話がなければ、私自身もPower Appsに触れる機会がなかったかもしれず、「きっかけ」があったからこそだと思っています。ですので、少しでも多くの方に触れていただく機会を提供するセミナーとして考えました。
また同時に、この取り組みを通じ、社内でのIT活用に関するコミュニケーションがより活発になることに期待しました。
セミナーの概要
セミナー対象者
セミナーの受講は希望制とし、以下に該当する方は積極的な参加を呼びかけました。
- 業務改善に興味があり、新しい技術やツールの活用に積極的に取り組める方
- ビジネスアプリケーションプラットフォームに興味があり、学ぶ機会をお探しの方
(プログラミングやExcelのワークシート関数などの事前知識は必要なし)
開催時間
セミナーは3日間にわたり、それぞれ3時間の枠で募集を行いました。
開催方法
オフラインセミナーとし、空き会議室などを利用して行いました。
セミナーの内容
社内セミナーの内容は、以下のような構成にしました。
前半戦/座学形式
Power Platformの全体像
Power AppsをはじめとしたPower Platform製品群を紹介。
- Microsoft365とは
- Power Platformとは
- ノーコード・ローコード開発とは
- ノーコード・ローコード開発普及の背景
Power Appsで何ができるの?
Power Appsの社内外における活用事例を紹介。
現在も社内で活躍中の「体調管理」や「戸締り点検」、「問い合わせ管理」などの比較的シンプルなアプリ、また、生産管理など少し踏み込んだ社外の導入事例も取り上げました。
「自分でも、何か変えることができるかもしれない」
このコンセプトを具現化したヒースロー空港のサミットさんの動画も紹介しました。これにより、Power Appsの可能性と実践的な利用に対する理解を深めていただくことを狙いました。
Power Appsのデータソース
Power Appsを利用するうえで、かかせないデータソースについて紹介。
- データソースの構造(テーブル、レコード、値)
- データ型について(文字列、数値、日付 etc)
- Power Appsで扱えるデータソース
SharePointの基礎講座
Power Apps初学者が利用するデータソースといえばSharePointのリスト。自分たちが扱うリソースの環境についても理解する必要があると考え、SharePointにおける基本的な機能にも触れました。
- SharePointとは(ポータルサイトとは)
- SharePointが持つ主な機能(サイト、ドキュメントライブラリ、リスト)
後半戦/ハンズオン形式
Power Appsハンズオン!
実際にPower Appsでアプリを作成するハンズオン。
「ハンズオン」の本来の意味とは少し違うと感じているが、気にせず進みます
“かっちょいい”アプリを作ってもらおうと考えましたが、内容はシンプルに「トップ画面」「新規登録画面」「編集画面」という構成のアプリを、データソース作成から一緒に手を動かしながら学べる内容にしました。
“かっちょいい”アプリは、前半戦のPower Appsで何ができるの? で他社事例に頼る
※データソースはMicrosoft Listsを使用
ハンズオンにおいて、ギャラリーコントロールやフォームコントロールの説明に重点を置き、これらの説明に多くの時間を割り当てました。
セミナーを受講した方は、おそらくセミナー後に自らPower Appsでアプリを作り始めると思います。私自身の経験から、これらの概念がなんとなくでも理解できていると、つまずいた際にも挫折しにくいかと考えました。また、Power Appsのアプリの多くがデータソースと連携されているため、Power Appsアプリの構造に何となくでも理解いただくことに重点を置きました。
受講者の感想
3日間の開催期間での参加募集において、6名の方にご参加いただきました。
参加者の属性は、一般事務職や組織の管理者、年代も30~50代と多様でした。
セミナー終了後には、受講者の方にFormsを利用したアンケートに回答をいただきました。
『セミナー内容の難易度』 に関しては、回答者の半数が「まあま簡単」、残りの半数が「まあまあ難しい」と感じたとの回答がありました。
また、『今後もPower Appsを活用したいか?』 については、「自分の仕事で紙を使っている業務に置き換えられそう」といった好意的な反応が得られました。
受講者の声
- 関数を入れるあたりで難しくなったと感じましたが、実際に作成してアプリが動いた時は感動しました!
- 説明だけではなく実際に作成してみる方法は本当にわかりやすいです。
- Appsの基本的なスタートのさせ方、動かし方を判り易くハンズオンを交えて行って頂きとても判り易かったです。
- まだ入門編なところなのでついていけてはいます!
- 最後の方が駆け足で終わってしまいちょっとわからず終わりました。
セミナーを実施した感想と今後の課題
セミナーや勉強会の開催経験がほとんどなく、講師としても未経験であった私が、一人で「企画」から「準備」「開催」までを手がけることとなりました。この孤独な挑戦の中で、勉強会などのコミュニティや有志の方々の情報をフル活用し、見よう見まねでセミナーを開催しました。これにより、私自身も大変有益な経験を積むことができました。
今年は、本セミナーに加え、Power Automateのクラウドフローやデスクトップフローを扱ったハンズオンも開催しました。思い切って実施しましたが、「案外、人に教えることも好きかも」と、新たな発見もありました。
セミナーの内容には触れていませんが、全てのセミナーにおいて、おまけ講座として 「TeamsとSharepointとOneDriveの関係性」 の話も行い、この内容がメインの部分よりも反響をいただいた場面もありました。
受講者は日々の業務でMicrosoft365を利用している環境ですが、その環境の基本的な要素について理解を深め、「あの使い方は注意しないと」といった関心を示していました。
ツールの使い方を学ぶことも重要ですが、環境の基本的な要素についてもしっかりと伝えていくことも大切。私自身が背伸びしていると感じることが多い中、相手にも背伸びさせてしまっていることもあると感じ、伝え方や順序についても再検討する必要があると思いました。
それでも、セミナー後には、「点検アプリを作りたいので相談させてください」といったお問い合わせもいただき、また、新卒入社の方への実施を望む声もいただきました。
少しモテはじめたかも?
今後も、積極的に推進活動に取り組むことで、Power Appsを使ったアプリが広がり、よりコミュニケーションや利活用の向上が見込まれることに期待します。また、Power AppsはPower Automateなど、他のPower Platformの製品との統合が重要なポイントとなるため、連携に関しても段階的に展開していければと思います。
ただし、ツールの使い方を習得するだけでなく、業務プロセスを適切に整理する力、データを収集して有効活用する力も重要だと考えます。これらのスキルは単なる操作技術だけではなく、ツールをより効果的に利用するための重要な力であると考えます。今後は、今回のように使い方だけではなく、業務プロセスの最適化や、データの効果的な取り扱いにも焦点を当て、これらの要素をどのように向上させていくかについて考え、伝えていく必要もあると考えています。
また、組織内で利用が増えると、管理や作成の方法においてバラつきが生じる可能性があります。このような状況に対処するためには、共通の理解を確立することが重要と考えています。そのため、組織での取り組みが不可欠であり、コミュニティのようなグループ作りや適切なルールの整備など、組織全体で安心・安全に活用できる環境を整備することが、今後の重要な課題になると考えています。
最後まで記事を見てくださりありがとうございます