分散分析
分散を用いた平均値の分析。
因子の異なる水準が特性値の平均にもたらす差の有無を調べる。
要因:データの値に変化を与える要素のこと。
因子:要因の中でも特に、母平均に差をもたらすことから研究対象となる(注目する)要因を指す。
水準:1つの要因に含まれる項目のこと。
◯元配置:データに含まれる因子の数を表す。
一元配置分散分析
1つの因子からなるデータを分析する方法で、因子に含まれる水準間の平均値の差を見ることができる。
データ全体の平均値から因子の各水準の平均値がどのくらいずれているかを見ること。
一元配置分散分析の流れ
1 帰無仮説(各群の母平均は等しい)$H_0$と対立仮説$H_1$を立てる。
2 有意水準$a$を設定する。
3 平方和(a.b.c.)を求める。
$a = b + c$
a.全体の平均値からの各データのズレ(全体)
b.全体の平均値からの因子の各水準の平均値のズレ(要因)
c.それ以外のズレ=因子の各水準の平均値から各データのズレ(残差)
4 a.全体($n-1$)、b.要因($n-1$)、c.残差($a-b$)の自由度を求める。
5 b.要因とc.残差の平均平方(平方和$÷$自由度)を求める。
6 統計量Fを求める。
F=\frac{s_{1}^{2}(要因の平均平方)}{s_{2}^{2}(残差の平均平方)}
7 F分布表(要因の自由度、残差の自由度)から値を読み取る。片側検定で行う。
8 検定統計量を元に結論を出す。
二元配置分散分析
2つの因子からなるデータを分析する方法で、各因子における水準間の平均値の差を見ることができる。
二元配置分散分析の流れ
1 帰無仮説(各群の母平均は等しい)$H_0$と対立仮説$H_1$を立てる。
2 有意水準$a$を設定する。
3 平方和(a.b.c.d.e.)を求める。
$a = b + c + d + e$
a.全体の平均値からの各データのズレ(全体)
b.全体の平均値からの因子1の各水準の平均値のズレ(因子1)
c.全体の平均値からの因子2の各水準の平均値のズレ(因子2)
d.全体の平均値からの因子1×因子2の各水準の平均値のズレからb.とc.を引いたもの(交互作用)
e.それ以外のズレ=因子の各水準の平均値から各データのズレ(残差)
4 a.全体($n-1$)、b.因子1($n-1$)、c.因子2($n-1$)、d.交互作用($b×c$)、e.残差($a-(b-c-d)$)の自由度を求める。
5 b.因子1とc.因子2とd.交互作用とe.残差の平均平方(平方和$÷$自由度)を求める。
6 統計量Fを求める。
F=\frac{s_{1}^{2}(各因子の平均平方)}{s_{2}^{2}(残差の平均平方)}
7 F分布表(各因子の自由度、残差の自由度)から値を読み取る。片側検定で行う。
8 検定統計量を元に結論を出す。
交互作用
2つの因子が組み合わさることで初めて現れる相乗効果のこと。
主効果:1つの因子に絞った場合の効果。
多元配置分散分析
3つ以上の因子からなるデータを分析する方法。