ServiceNowにてSLA定義を標準範囲内で作成してみます。
ITSMプロセスを運用する中で必要となるSLA計測、ServiceNow内でプロセス毎に自動で計測及び、経過状況により通知するための方法です。
※参考情報
・SLAとは、Service Level Agreementの略で、サービスの提供事業者とその利用者の間で結ばれる、サービスのレベル(定義、範囲、内容、達成目標等)に関する合意サービス水準、サービス品質保証などと訳されます。
・ServiceNow Docs
https://docs.servicenow.com/ja-JP/bundle/rome-it-service-management/page/product/service-level-management/concept/c_SLADefinitions.html
使用している環境は以下です。
環境:ServiceNow Developer環境
バージョン:Utah
権限:Adminを使用
■SLA定義の要件
対象テーブル:インシデント
対象フィールド:インシデントチケットの優先度(1-2)に従ってSLA計測を実施する。
SLA Target:Response
Duration Type:User specified duration
Duration:30分(優先度1)、2時間(優先度2)
※ボリュームが大きくなるので優先度1,2かつ、Target:Responseのみ作成し、優先度が変更された場合の挙動も含めて記事に記載します。
Response SLA(Priority:1の場合) | 詳細 |
---|---|
開始条件 | Active=Ture、Priority=1-Critical、Assignment Groupは空欄ではない、CategoryはInquiry/Helpではない、Status=New |
キャンセル条件 | Priorityは1-Criticalではない |
停止条件 | StatusはNewではない、アサイン先は空欄ではない |
一時停止条件 | なし |
リセット条件 | なし |
Response SLA(Priority:2の場合) | 詳細 |
---|---|
開始条件 | Active=Ture、Priority=2-High、Assignment Groupは空欄ではない、CategoryはInquiry/Helpではない、Status=New |
キャンセル条件 | Priorityは2-Highではない |
停止条件 | StatusはNewではない、アサイン先は空欄ではない |
一時停止条件 | なし |
リセット条件 | なし |
■通知要件
デフォルト(Default SLA Flow)を使用します。
カスタマイズするためにはDefault SLA Flowを参考にフロー/ワークフローの作成が必要となりますが、今回は不要とします。
SLA は、SLA 定義で指定された期間の 75% です。通知は、インシデント フォームに記載されている [担当者] フィールドのユーザーとユーザーのマネージャーに送信されます。
SLA 違反: インシデント フォームに記載されている[担当者]フィールドのユーザー とユーザーのマネージャーに通知が送信されます。
SLA経過率:50%
通知先:[Assign to] フィールドと構成アイテム フォームの [サポート対象]フィールドにあるユーザーに送信される。
SLA経過率:75%
通知先: [Assign to] フィールドのユーザーとユーザーのマネージャーに送信されます。
SLA違反時:
通知先: [Assign to] フィールドのユーザーとユーザーのマネージャーに送信されます。
■事前作業
Developer Siteより環境を払い出した直後、SLA定義が標準で設定されています。
こちらを非アクティブ化します。
・手順
All > SLA Definitionで検索する。
一覧よりインシデントテーブルのSLA定義を非アクティブ化する。
■SLA定義作成手順
1 SLA定義の新規作成
以下の画像を参考にSLA定義一覧を開き、Newをクリックします。
2 Priority:1の要件に従って設定を行います。
設定 | 値 |
---|---|
Name | SLA TEST Priority1 |
Type | SLA |
Target | Response |
Table | Incident |
Flow | Default SLA flow |
Duration Type | User Specified duration |
Duration | Days 00 Hours 00:30:00 |
Schedule source | No schedule |
※スケジュール設定なしにすることによって24/365で計測を行います。
※スケジュール設定方法は別記事で記載します。
■動作検証
動作検証として以下の観点で実施しました。
・インシデントチケットの作成に伴う、SLA計測の開始
・Priority変更(1→2)時の動作
- インシデントチケットの作成に伴う、SLA計測の開始
インシデントチケット:INC0010001を起票しました。
アサイン先グループを空欄にしているので、TASK SLAにはなにも起票されません。
アサイン先グループ:Softwareを指定しました。
Priorityの値により、先ほど作成したTASK SLAがチケット化され、計測が開始されました。
関連リンクより、SLA Timelineを開くことでSLA計測状況を詳細に確認できます。
・Priority変更(1→2)時の動作
Priorityの修正を想定し、変更を行いました。
SLAの計測も、Priority:1がキャンセルされ、Priority:2の計測が開始されていることを確認できました。
※Priority:2のSLA計測開始時、経過時間は引き継がれます。
以上がSLA定義の作成方法となります。
引き続きスケジュールの作成方法と、設定方法を別記事にて作成予定です。
ご不明事項、問合せ事項がございましたらコメントにてご連絡ください。
よろしくお願い致します。