はじめに
直角双曲線(の一種)の式が
y=\frac{a}{x}
であることは誰もが覚えていると思うが,非直角の場合はどうだったか,忘れてしまうので備忘録として記録する.
双曲線の定義から攻めていくと,焦点をどこにすればいいのかとか,変換行列をどうすれば求める双曲線になるのかとかがわかりにくい.ので,本記事では,私にとってわかりやすいようにパラメータを定めた.
式
漸近線をそれぞれ $y=ax$, $y=bx$ とする双曲線は,
y=\frac{a+b}{2}x+\frac{b-a}{2}\sqrt{x^2+c}
と書ける.$x\rightarrow\pm\infty$ の極限で $y=ax,,bx$ となることがわかる.$c=0$ なら2直線となり,$c$ の絶対値が大きくなるほど漸近線から離れる.
さらに,$b<a$ なら漸近線の下側,$a<b$ なら漸近線の上側となり,$0<c$ なら連続したカーブ,$c<0$ なら多値となる双曲線の上側か下側になる.具体的には下図の通り.
さらに,漸近線の交点を原点から $(p,q)$ にずらすには,
y=\frac{a+b}{2}(x-p)+\frac{b-a}{2}\sqrt{(x-p)^2+c}+q
とすればよく,一方の漸近線が $y$ 軸に平行の場合は.
y=\frac{a}{x-p}+b(x-p)+q
とすればよい.これらが「双曲線」であることの証明は省略する.
利用
2直線に漸近するカーブのフィッティングに使うとうまくいくことがあったり,2直線に漸近するなめらかなカーブの一種として使われることがある.例えば
y=\sqrt{x^2+1}
( $(a,b,c)=(-1,1,1)$ のケース ) は,絶対値関数 $y=|x|$ に漸近するなめらかな関数の一つである.