はじめに
IBM Cloud VPC環境にて、オンプレミス環境と接続する場合、仮想サーバーはプライベート・ネットワークのみ通信可能とするケースが多くあります。オンプレミス環境とはDirect Link等で接続した後はsshで仮想マシンにログインできますが、構築時などDirect Link接続前はIBM Cloudのコンソール・サービスを使用してアクセスできます。本記事ではコンソール・サービスを使用するための仮想サーバー作成時の設定およびGUIまたはCLIを使ったコンソール・サービスへのアクセス方法を紹介します。
仮想サーバーの作成
IBM Cloudより提供される仮想サーバー用のイメージにはパスワードは設定されていません。IBM Cloudのコンソール・サービスはユーザーIDとパスワードで認証されますので、仮想サーバーを作成する時に、コンソール・サービスで使用するユーザーIDとパスワードを設定する必要があります。
VPCでは、cloud-initテクノロジーを使用して、仮想サーバーを構成できます。仮想サーバー作成時に、以下の画面にある詳細オプション > ユーザー・データにcloud-configのデータを指定することでユーザーの作成が可能となります。
IBM Cloud提供のRHELイメージで、ユーザーID user2、パスワード mypassword2 のユーザーを作る場合のcloud-configの例が以下になります。ただし、OSのよって記述方法が違いますので、注意が必要です。
RHEL用
#cloud-config
users:
- default
- name: user2
gecos: User2 Name
selinux-user: staff_u
groups: users,wheel
chpasswd:
list: |
user2:mypassword2
expire: False
GUIでのコンソール・サービスの使用
作成された仮想サーバー・インスタンスをクリックします。仮想サーバーの概要が表示されますので、右上にあるアクションのプルダウンよりVNCコンソールを開くをクリックします。
新しいタブもしくはウインドウが開き、Webブラウザー内にコンソールが表示されます。
login : のところにユーザーID、上記のcloud-configではuser2
Password : のところにパスワード、上記のcloud-configではmypassword2
を入力します。
作成した仮想サーバーにログインできました。
上記cloud-configのuser2のグループとして、wheelを記述しています。この設定によりuser2はsudoコマンドを使用してrootユーザーになることができます。
CLIでのコンソール・サービスの使用
お使いのPCにIBM Cloud CLIが導入されているのが前提となります。未導入の場合は、以下を参考にしてセットアップしてください。
IBM Cloud Webポータルにログインします。
IBM Cloud Webポータルの右上のアイコンよりCLIとAPIにログインをクリックします。
ワンタイム・パスコード付きのログイン用CLIが表示されますので、IBM Cloud CLIのコマンドの右側のアイコンをクリックして、コマンドをコピーします。
コピーしたコマンドをPCのターミナルにコピーして、CLIにてIBM Cloudにログインします。
ログイン後、以下のコマンドで仮想サーバーにログインします。 $instance_idは、接続したい仮想サーバーの概要ページに表示されています。
ibmcloud is instance-console $instance_id
この後は、GUIと同じようにコンソール内で、上記cloud-configで指定したユーザーIDとパスワードでログインすることができます。
おわりに
プライベート・ネットワークとのみ通信可能か仮想サーバーにログインする方法を紹介しました。現時点では対象OSがRHELのみですが、後日Ubuntu等他のLinuxサーバーのcloud-config設定についても追記していく予定です。