はじめに
エンタープライズ用途では、パブリック・クラウドを利用する場合でも、インターネット接続を許可しないケースが多くあるかと思います。この記事では、IBM Cloud上に作成したWindows Server 2019 仮想サーバーのWindows Update接続先を変更してみます。
準備
仮想サーバーを立てます。
今回は、クラシック用仮想サーバーからMicrosoft Windows Server 2019 Standard Edition (64bit) -HVMを選択しています。
Windows Update接続先情報
仮想サーバーに接続します。
インターネット接続は許可されていませんので、VPN接続して、Remote Desktopでアクセスします。
この状態で、設定(Settings)を開いて、Update & Security > Windows UpdateからCheck for updatesを試してみます。
インターネット接続が許可されていないため、以下のようなエラーが出ます。
そこで、Windows Updateの接続先をIBM Cloudのローカル WSUS(Windows Server Update Services)に変更します。IBM Cloud上のドキュメントとしては、こちらに情報があります。
https://cloud.ibm.com/docs/virtual-servers?topic=bare-metal-updating-an-instance-to-use-a-local-wsus-server
接続先変更用のレジストリの情報は、以下になります。
今回の仮想サーバーは、TOK05
のロケーションに作成していますので、WUServerとWSStatusServerのホスト名をwsustok0501
に変更しています。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate]
"ElevateNonAdmins"=dword:00000000
"WUServer"="http://wsustok0501.service.softlayer.com"
"WUStatusServer"="http://wsustok0501.service.softlayer.com"
"DoNotConnectToWindowsUpdateInternetLocations"=dword:00000001
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate\AU]
"AUOptions"=dword:00000005
"NoAutoRebootWithLoggedonUsers"=dword:00000001
"NoAutoUpdate"=dword:00000000
"RebootReLaunchTimeout"=dword:000000f0
"RebootReLaunchTimeoutEnabled"=dword:00000001
"RebootWarningTimeout"=dword:0000000a
"RebootWarningTimeoutEnabled"=dword:00000001
"RescheduleWaitTime"=dword:0000000a
"RescheduleWaitTimeEnabled"=dword:00000001
"ScheduledInstallDay"=dword:00000000
"ScheduledInstallTime"=dword:00000002
"UseWUServer"=dword:00000001
この情報を任意のファイルに保存します。ここでは、wsus.regとします。
Windows Update接続先変更
regeditでレジストリ・エディタを開きます。
念の為、既存の設定をバックアップします。
Computerを選択後、FileメニューからExportを選択します。
Export rangeとしてAllが選択されているのを確認後、ファイル名をつけて、保存します。ここでは、all.regというファイルで保存しています。
次に、先ほど作成したWindows Update接続先変更のレジストリを登録します。レジストリ・エディタでFileメニューからImportを選択します。
ファイル・ダイアログが開きますので、作成したファイル、今回はwsus.regを選択し、Openボタンを押します。
wsus.regの内容が反映されているかどうか確認します。
HKEY_LOCAL_MACHINE
> SOFTWARE
> Policies
> Microsoft
> Windows
> WindowsUpdate
とツリーと展開していきます。
WindowsUpdate
以下に4レコード、さらにその下のAU
に12レコードが登録されているのを確認します。
動作確認
動作確認のため、先ほどエラーとなったWindows Updateを実行します。IBM CloudローカルのWSUSに接続されたため、Windows Updateが成功したことが確認できます。
おわりに
サーバーマネージャーの役割と機能の追加
についても、ここで設定されたWSUSが使用されますので、プライベート・ネットワークのみで使用されるWindows Serverには忘れずに設定しましょう。
ありがとうございました。