はじめに
フロントエンドエンジニアにとって、効率的な開発環境は生産性を大きく左右します。その中でも、VSCodeは多くのエンジニアに愛用されているエディタであり、拡張機能を活用することで作業効率を大幅に向上させることが可能です。
2025年に向けて新しい技術やツールが増える中、どの拡張機能を導入すればよいか迷っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、フロントエンドエンジニアがぜひ導入すべきVSCode拡張機能を厳選してご紹介します。初心者の方にもわかりやすいように、それぞれの拡張機能の特徴やメリットを丁寧に解説しますので、ぜひ参考にしてください!
※ 前提として、この記事では多くの記事でよく取り上げられている定番の拡張機能(例: ESLint, Prettier, zenkaku、Code Spell Checkerなど)との重複をできる限り避けています。
その代わりに、フロントエンドエンジニアとして特にTypeScriptやNext.jsを活用する方に特化した拡張機能を中心に選びました。また、最近話題のAI補助ツールも1つピックアップしています。
1. Biome
Biomeは JavaScript、TypeScript、JSX、JSON、CSS そして GraphQL のための高速なformatter であり、Prettier と97%の互換性を持ち、CIと開発者の時間を節約します。
Biomeは JavaScript、TypeScript、JSX、CSS そして GraphQL のための高性能なlinter であり、ESLint、typescript-eslint、その他のソースに由来する 200以上のルール を備えています。
Biomeは次世代のformatterおよびLinterの機能を有するツールです。
フロントエンドではLinterとFormatterで使用するツールが異なっていたため、それを一元管理すべくできたツールと言えるでしょう。
最近、導入している個人・企業が増えてきています。
かなり使い勝手が良いので、今後はESLint・Prettierの代わりにBiomeを使用することを強くおすすめします。
ただし、Tailwind CSSのLintルールは現状まだ実装されていないので、Tailwind CSSをメインにしたい場合は、検討が必要です。
2. Console Ninja
フロントエンドエンジニアはプリントデバックを非常によく使います。
つまり、console.log
をよく使うということです。
Console Ninjaはプリントデバッグを効率化するために設計された、フロントエンドエンジニア必携の拡張機能です。
この拡張機能を入れるだけで、エディタ上でコンソールの出力を確認できるようになります。
3. Turbo Console Log
次もconsole.log
系の拡張機能です。
この拡張機能も導入するだけで、console.log
によるプリントデバックが効率化されます。
ctrl + alt(option) + l
のショートカットを該当の変数にカーソルがある状態で実行するだけで、なんとプリントデバックがなされるという地味だけど、開発効率が上がるものになっております。
const hoge = 'hoge'
console.log("🚀 ~ hoge:", hoge)
特にフロントエンドだと、useEffect
などで値の追跡が必要なケースが多いので、多用することになると思います。
4. Quokka.js
こちらは、VSCode上でTypeScript Playgroundのように実行結果をすぐに確認できる拡張機能です。
いちいちWeb上でPlaygroundを検索せずとも、ライブで実行結果を確認することができます。
さらに嬉しいのは、VSCode上であるため、実行確認したい関数をすぐにコピペで持ってきて確認することもできる点です。
こちらはフロントエンドエンジニアだけでなくTypeScript・JavaScriptエンジニアであれば必携の拡張機能です。
5. Prettify TypeScript: Better Type Previews
こちらは以下の記事で紹介されており、私もこの記事を読んで即導入した拡張機能です。
概要としては、型や変数等にカーソルホバーするだけで、すべての型情報を展開してくれるといったものです。
拡張機能がない場合、型情報を一部のみしか見れないため、結局コードジャンプしたり、ライブラリの場合はd.ts
ファイルを見に行ったりしなければいけなかったりします。
さらに、複雑な型だと、読み解くのにも非常に苦労しますが、この拡張機能があれば、そのすべての手間が不要となります。
これはTypeScriptエンジニアであれば必携の拡張機能なので、今すぐ入れましょう。
6. Pretty TypeScript Errors
こちらはTypeScriptのエラーを整形してくれる拡張機能です。
例えば、以下のような関数があったとしましょう。
この場合、hogeStr
にはhoge
という文字列が代入されているので、hogeFoo
の返却値の型とは一致せずエラーとなります。
エラーとなっている箇所にカーソルを当ててみましょう。
const hogeFoo = async () => {
await new Promise((resolve) => setTimeout(resolve, 1000))
return {
hoge: 'hoge',
foo: 'foo',
}
}
const hogeStr: Awaited<ReturnType<typeof hogeFoo>> = 'hoge'
エラーとなっている箇所にカーソルを当てると以下のような表示がされます。
通常のTypeScriptのエラーである型 'string' を型 '{ hoge: string; foo: string; }' に割り当てることはできません
が表示されています。
そして、その1つ下に見やすくなっているエラーメッセージが表示されています。
さらには、リンクのようなアイコンが付いています。
このようにエラーメッセージの整形とエラーコードの説明サイトのリンクをあてがってくれる非常に優れた拡張機能となっています。
この例のようにエラーが簡単なものであれば、この拡張機能なしでもよいですが、実際、そのようなケースはほとんどないに等しいでしょう。
なので、この拡張機能についてもTypeScriptエンジニアは必携です。今すぐいれてください。
7. Import Cost
次に紹介するのはImport Costという拡張機能です。
これは、3rd party libraryのコストを表示してくれるライブラリです。
React19が安定版となりNext.jsだけでなくReactでもRSCが使用できるようになったので、この拡張機能は、より活躍の場が増えそうです。
理由としては、重たいimportを可能な限りRSCで行い、クライアントに送られるバンドルサイズを軽減する必要がRSCを用いた開発では求められるためです。
こちらは中上級者向けなので、初級者はまずはRSCとはなんぞやという部分から理解する必要があります。
8. Next.Nav
これはNext.jsエンジニア向けの拡張機能です。
Next.jsは言うまでもなく、ファイルベースルーティングですが、他人が実装したルーティングって、どうなっているか追いづらいということがあるのではないでしょうか?
または、自分が実装したルーティングについても一度、視覚化して確認したいというケースがあるのではないでしょうか?
そんなときに活躍するのが、この拡張機能です。
ドキュメントにデモなどがありますが、ルーティングを視覚化しGUIの容量でファイルの操作が行えるようになります。
使う場面はそこまで高くはなさそうですが、ネストが深かったりする場合などには非常にルーティング構造の把握に役立つのでNext.jsを使用する方は入れてみてはどうでしょうか。
9. Highlight Matching Tag
こちらはフロントエンドエンジニアであれば、必携です。
マッチするタグ同士をハイライトしてくれる拡張機能です。
JSXやHTMLのネストが深いとどうなるのかは想像に難くないでしょう。
とにかく相方探しが大変になります。
そんなときにこの拡張機能があれば、相方が瞬時にみつかり、ネストのエラー等に苦しめられることがなくなります。
10. Continue
こちらは最近知ったのですが、CopilotのようなAI開発補助ツールです。
Copilotにフリープランがきて神対応と思ったのも束の間、上限値が渋すぎるため、何とか低価格もしくは無料で収められないかということでたどり着きました。
CursorやCodeiumのWindsurfなどAI搭載エディタも非常に魅力的で、特にWindsurfはCurosorの半額の値段で使用でき、お値段的にも機能性も抜群です。
ただ、Continueを導入しQwenCoder2.5 32B
の設定を行えば、無料でCopilotと同じか、それ以上のことができます。
APIキーを使うので無料上限超えると請求が来るのと、どこが上限なのかが曖昧で不明なのですが、個人であれば、そこまで使用することもないので、行ってもCursorレベルかなと思います。
ちなみに、オープンソースで開発も活発です。
おわりに
VSCodeの拡張機能は、フロントエンドエンジニアにとって欠かせない相棒となります。
今回ご紹介した拡張機能を取り入れることで、開発効率が格段に向上し、より快適でスムーズな開発体験が得られるでしょう。
また、拡張機能は常に進化しているため、定期的に新しいものをチェックし、自分のワークフローに合ったものを選ぶことも重要です。これからフロントエンドエンジニアを目指す方も、ぜひこれらのツールを活用して効率的な学習と開発を目指してください。
2025年、新たな挑戦をするあなたの開発がより充実したものになりますように!