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【読書感想】図解即戦力 要件定義のセオリーと実践方法がこれ1冊でしっかりわかる教科書

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書籍タイトル:【読書感想】図解即戦力 要件定義のセオリーと実践方法がこれ1冊でしっかりわかる教科書

はじめに

四月から新しい案件に配属され、初めて上流工程から関わることになりました。これまでは、他の方が作成した設計に従ってコーディングを行うことがほとんどで、上流に携わる機会は新卒時の研修程度しかありませんでした。

今回のお客様は、プロダクト企画の段階から専門業者を起用しており、カスタマージャーニーの設計など、UI/UXの専門的な視点からシステム全体をデザインしています。そのため、非常に良い学びの機会となっています。

私はバックエンド担当として、要件の洗い出しといった要件定義フェーズから関わっており、今後はデータベース設計や実装も担当していく予定です。せっかくの機会なので、「要件定義」では何をすべきかを系統的かつ俯瞰的に学びたいと思い、このテキストを購入しました。

📚 本書の詳細情報

印象に残ったポイント

1. 業務要求・機能要求・非機能要求の分けて整理すること

業務要求・機能要求・非機能要求を分けて整理することは、一見すると簡単に思えますが、実際の現場では話が混ざってしまったり、要件定義の初期段階ではうまく分類できなかったりすることが多いと感じました。

業務要求は、ビジネス上の視点から「こういった課題を解決したい」「こんなことを実現できるシステムがほしい」といった目的を示すものです。

機能要求は、その業務要求を実現するために「このような画面が必要」「テーブル構成はこうした方が良い」といった、具体的な機能に踏み込んだ内容になります。(詳細は今後の「設計」フェーズでやりますが)

一方で非機能要求は、システムを安定的に運用・維持していくために必要な条件を定義するものであり、「最低限必要なパフォーマンスはどれくらいか」「セキュリティ上どのような対策が必要か」などが該当します。

実際にお客様と一緒に要件の洗い出しを行っていると、業務要求・機能要求・非機能要求といった分類を明確に意識して会話することはほとんどなく、話題があちこちに飛び交う中で要件をすり合わせていく場面が多いと感じました。

しかし、本書を読んだことで、自分の中では「これは業務的な話だな」「これは非機能要件だな」といった具合に、頭の中で自然と分類しながら会話を整理できるようになり、とてもスッキリしました。

2. 要件定義のための下調べが大事であること

初めて特定の業界のシステムに配属されると、新人はおそらく業界特有の知識がないため、最初の会話についていくことすら難しいと感じると思います。

今回のお客様は、事前に専門業者とプロダクト企画をしっかり進めたうえで、私たちが要件定義フェーズに入る際には、前提や背景、事業目標、ステークホルダー、競合他社の状況などを非常に丁寧に共有してくださいました。まさに「天使のようなお客様」だと感じました。

ただし、毎回このように親切なお客様に出会えるわけではありません。今後、要件定義やITコンサルの専門家としてスキルを磨いていくならば、本書に書かれている「要件定義のための事前調査の進め方」をしっかり意識して、自ら動いて準備する姿勢が必要だと思いました。

実際今回も、お客様から多くの情報を共有していただいたとはいえ、会話の中で「この言葉の意味は何だろう?」と戸惑わないように、事前にUdemyで該当業界の知識を学び直しました。業界知識があるだけで安心感が生まれ、初対面の緊張も少し和らげることができました。

3. 合意・承認のタイミング

要件定義の段階では、お客様とさまざまなテーマについて意見交換を行いますが、最終的な意思決定はあくまでお客様側にあります。どんなに優れた提案をしていたとしても、「あれ、そんな話あったっけ?」となってしまっては困ってしまいます。

本書に書かれていた「定期的に合意を取る(最後まで放置しない)」や「テーマごとに合意を得る(話を混在させない)」という考え方は、非常に重要だと感じました。ですが、実際の現場ではこれがうまくできずに、話が混ざってしまったり、後で食い違いが生じたりするケースはありがちだと思います。

昭和的な「上司のスケジュールに合わせて、まとめて一括で報告・決定する」ようなウォーターフォール的進め方ではなく、なるべくアジャイル的な考え方で、小さなサイクルを回しながら要件のライフサイクルを柔軟に進めていきたいと思っています。

今回のお客様もアジャイルの考え方を大切にされており、私自身も以前スクラム開発のメンバーだった経験があるため、ガチガチのウォーターフォールにならないよう、意識して柔軟に進めていくつもりです。

まとめ・感想

今回は、エンジニア歴5年目にして初めて要件定義フェーズから関わることになり、本書はそんな私にとって非常に心強い“武器”となりました。

これまではコーディング中心の業務がほとんどで、物事をどうしてもプログラム視点でしか捉えられていませんでした。しかし、上流工程から関わることで、「なぜ当時あのような設計になっていたのか」が少しずつ理解できるようになり、単に面白さを感じるだけでなく、設計者としての責任の重さも実感しました。

今までは、さまざまな案件を経験する中で、幅広い知識に触れる機会はありましたが、それを系統的・俯瞰的に整理する機会はあまりありませんでした。本書を通じて、そうした知識を頭の中でしっかり整理するきっかけになり、大変勉強になりました。

これからも、他の分野についても積極的にテキストを手に取り、初心者レベル(ただ触れたことがある状態)から、上級者レベル(自分の言葉で体系的に語れ、人にも教えられるレベル)へと進化していきたいと思います。

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