1.はじめに
Oracle APEX (Application Express) は、データベース中心のWebアプリケーションを簡単に作成・管理できるローコード開発プラットフォームです。
開発中に、既存のアプリケーションに影響を与えずに新機能の追加やバグ修正を行いたい場合、作業用コピー機能が非常に有用です。
2.作業用コピーとは
作業用コピーとは、既存のアプリケーションの特別なコピーを作成し、そのコピー上で変更を行い、後でメインの開発アプリケーション(メイン・アプリケーション)にその変更をマージできる機能です。これにより、開発者は安全に新しい機能の開発やテストを行うことができます。
3.作業用コピーの利点
安全な開発環境:メイン・アプリケーションに直接影響を与えずに変更を試すことができます。
チーム開発の効率化:複数の開発者がそれぞれの作業用コピーで作業し、後で変更を統合できます。
選択的なマージ:作業用コピーとメイン・アプリケーションの差分を確認し、必要な変更のみをマージできます。
4.作業用コピーの作成手順
作業用コピーを作成するには、以下の手順を実行します。
アプリケーション・ビルダーにアクセス:Oracle APEXのアプリケーション・ビルダーにログインします。
対象のアプリケーションを選択:作業用コピーを作成したいアプリケーションを選びます。
作業用コピーの作成:
アプリケーションのホームページで、**「作業用コピーの作成」**オプションを選択します。
作業用コピーに適切な名前を付け、作成を確認します。
これにより、選択したアプリケーションの作業用コピーが作成されます。
5.作業用コピーの管理とマージ
作業用コピーでの変更が完了したら、以下の手順でメイン・アプリケーションにマージします。
変更の比較:
作業用コピーとメイン・アプリケーションの差分を表示し、どの変更をマージするかを選択します。
マージの実行:
選択した変更をメイン・アプリケーションにマージします。
必要に応じて、メイン・アプリケーションから作業用コピーへの変更のマージも可能です。
このプロセスにより、開発者は安全かつ効率的に変更を統合できます。
6. 注意点
サポートされていないコンポーネント:翻訳、テーマ、テーマ・テンプレート、サポート・オブジェクト、アプリケーションのプロパティ、ワークスペースレベルのコンポーネントなどは、自動マージがサポートされていません。これらの変更は手動で適用する必要があります。
作業用コピーの制限:作業用コピーの中にさらに作業用コピーを作成することはできません。また、作業用コピーで削除したコンポーネントは、メイン・アプリケーションで手動で削除する必要があります。
7. まとめ
Oracle APEXの作業用コピー機能を活用することで、開発者は安全かつ効率的にアプリケーションの開発やテストを行い、チーム開発の生産性を向上させることができます。適切に管理し、注意点を守ることで、メイン・アプリケーションへの影響を最小限に抑えながら開発を進めることが可能です。