はじめに
こんにちは、現在は開発ディレクター/スクラムマスターを担当しており、以前はエンジニアリングマネージャーとして活動していました。また、最近は技術広報にも取り組んでおり、カケハシのアドベントカレンダーにも参加しています。プロダクト開発の技術面や組織作り、開発プロセスの構築に関わっています。
エンジニアリングマネージャーとリーダーシップ
エンジニアリングマネージャーは多くの役割を担っています。
プロダクトマネジメント
プロジェクトマネジメント
ピープルマネジメント
テクノロジーマネジメント
それぞれのチームやプロジェクト、メンバーの状況に応じて、必要なリーダーシップを発揮していかなければなりません。
まず、リーダーとマネージャーの役割やゴールは異なります。
リーダーは先陣を切り、全員を新しい道へ導く役割を担います。
マネージャーはプロジェクトを適切に進行させ、管理を行う役割です。マネジメントが自動化され、最小限のコストで最大の効果を得ることが理想です。
エンジニアリングマネージャーは、プロダクト、システム、チームの成功に責任を持ち、状況に応じてリーダーシップを発揮していかなければなりません。
チーム作成の際は、自ら文化の基盤を設計し、メンバーを集めます。
既存のチームにおいては、変革をもたらすべきかサポートを行うべきかなど、リーダーシップのスタイルが異なります。
リーダーシップ理論
SL理論(状況対応型リーダーシップ)は、チームメンバーの能力やタスクに応じて、4つのリーダーシップスタイルを定義しています。
S1: 指示型
メンバーは初心者で、リーダーが具体的な指示を与え、細かく確認します。
S2: コーチ型
メンバーは仕事に意欲的で、リーダーは指示を与えつつ、提案を出しながら支援します。
S3: 援助型
メンバーは多くの仕事をこなしているが、全ての責任を取る自信がありません。リーダーは援助を行い、メンバーと共に意思決定を行います。
S4: 委任型
メンバーは自立しており、リーダーは意思決定を委任し、メンバーの能力を信頼します。
リーダーシップのスタイルはメンバーの成長に応じて変化し、適切な支援を提供していくことが大切です。
エラスティックリーダーシップ
エラスティックリーダーシップは、状況に応じてリーダーシップスタイルを柔軟に切り替えるアプローチです。以下の3つのモードがあり、それぞれに適したリーダーシップスタイルを適用します。
サバイバルモード
このモードでは、リーダーは指揮統制を行い、チームを厳しい状況から抜け出させるために決定を下し、指示を与えます。
学習モード
チームに学びの時間を提供し、リーダーはコーチングを行い、メンバーが自分で問題を解決できるように支援します。
自己組織化モード
チームが自己管理できる状態に達したら、リーダーはファシリテーターとしてサポートし、チームの自主性を尊重します。
山本五十六の教育における4段階法
山本五十六の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」には、人の成長を促すための4つのステップが含まれています。
やってみせる: リーダーが自ら模範を示す。
言って聞かせる: 方法や意図を説明する。
させてみる: メンバーに実際に試させる。
褒める: 成果を認め、モチベーションを高める。
このプロセスを繰り返し、メンバーの成長を促します。
まとめ
リーダーシップに固定的な正解はなく、チームや状況に応じて柔軟に対応する必要があります。エンジニアリングマネージャーとしての最終目標は、チームが自己組織的に動けるようになることです。そのためには、適切なリーダーシップを駆使し、チームの成長を支え続けることが重要です。
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