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容量単価の異なるドライブでのRAID構成

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Dellのエンタープライズ向けブロックストレージで、PowerVaultという製品がある。
その製品に搭載される機能の一つに、ADAPT RAIDを呼ばれる、通常のRAID技術から柔軟性、再構築時間の短縮、拡張性をより向上させたものがある。

仕様の詳細はSB C&S様のエンジニアブログで笠原さんによる非常にわかりやすい説明が記述されている。

ADAPTに関する記述ではこれ以上に質の高い投稿はできないため、着眼点の異なるところを題材にしていきたい。

このADAPTだが、特長の一つに「同種類のディスクであれば異なる容量同士のディスクが混在していても構成可能」というものがある。
今回は異なる容量のドライブを同じRAIDで構成されたストレージプールについて考えていきたい。

基本は同種類同容量の構成がベスト

複数の物理ディスクで一つのRAIDグループを形成しようとした場合、基本的には同じ種類で同じ容量で揃えて形成することが推奨される。
なぜならば異なる種類のディスク、異なる容量のディスクが混在によって形成されたRAIDによるストレージプールではパフォーマンスの低下、容量効率の悪さを引き起こす可能性があるからだ。

ここから、種類の異なるディスクを混在させたRAID構成、それと容量の異なるディスク(ディスクの種類は同じとする)を混在させたRAID構成。それぞれの弊害、デメリットを見ていく。

種類の異なるディスクが混在されたRAID構成

RAIDコントローラの性能に依存されるため、全てに適用、サポートされてるわけではないが、この構成自体は設定することは可能である。

たとえばHDDのSASディスクとSATAディスクで混在した、という例で考えてみる。種類の異なるディスクが混在されていた場合、そのストレージプールは性能が低い方のディスクにパフォーマンスを合わせる仕様になる。

そのため上記の例では実質的にSATAディスクのみで束ねられたストレージプールと同じ性能・パフォーマンスで稼働される。これではせっかく性能の良いSASディスクを使っている意味がなくなってしまう。

またストレージプールのパフォーマンスのみに限らず、管理ツールによる各ディスクの状態チェックなどで複雑性が増すため、この部分でもネガティブな影響を及ぼす。

容量の異なるディスクで混在されたRAID構成

こちらの構成ではいったんディスクの種類は同じで、容量の異なるディスクを混在させた形の仕様について。SASインターフェースの1TBディスクと3TBディスクの混在構成を例にして見ていきたい。
この容量の異なった混在構成はRAIDタイプによって挙動が異なる。エンタープライズ向けとして代表的に利用されるRAIDタイプごとに挙動を確認する。

RAID0:混在されたディスクの中でまず最小容量のディスクを認識して、そのディスクの持つ容量の倍の数値が実際に使われる容量となる。1TBと3TBのディスク、合計2本が使われた構成では論理的に全体の容量が2TBとなる。せっかく3TBディスクを使っているが、このケースだと大部分の容量が利用できない使い方となる。

RAID1:混在されたディスクの中で最小容量のディスクを基準に容量が使われる。1TBと3TBでの2本構成では、1TBに容量の基準が置かれるので3TBディスクでは1TBしか利用できない。RAID0と同じような結果となったが考え方と仕様は異なるので注意が必要。

RAID5:最小容量と全ディスク本数から1本を引いた容量で利用できる。例えば1TBディスクが3本、3TBディスクが3本の合計6本構成の場合は1TB×(6-1)となり、トータルで5TBが利用できる。3TBディスクが3本も使われているのに非常に容量効率が低い使い方となってしまう。

RAID6では最小容量から2倍以上のディスクが使えない。

ではRAID6の場合はどうだろうか。

パリティの2本で構成される仕様のADAPT RAIDでは以下の記述がある。

最小容量のディスクから2倍を超える容量のディスクを使ってはいけないのである。

ADAPT RAIDはディスク本数が最低12本となるので、同じ1TBディスク×6本と3TBディスク×6本の構成で考えてみる。
極端な話だが3TBディスク6本と1TBディスク2本をデータ用、1TBディスク2本をパリティ用、1TBディスク2本をスペアで使うと想定したら、データ用物理容量18TBをパリティ2TBで賄えるはずがないのである(これは本当に極端な例だが、混在構成では実際にこういうことが起こることもある)。

といったように、種類と容量が異なるディスクの混在でRAIDグループを形成するのは不便な点の方が勝るのだ。

SSDをキャッシュとして使い、HDDをデータ保存領域として使う機能として、NetAppのOSではflashpoolというものがあるが、これは同じRAIDグループではない。SSDとHDDを分けてそれぞれのグループでストレージプールを形成しているので、ここではパフォーマンスや容量の効率を下げることなく性能を発揮できる。

ひとりごと

3月下旬から公共交通機関のダイヤ改正があった。これは毎年のこと。

ただ今回は残念な改正となった。日常で頻繁に利用する路線バスの平日の終バスが改正前より30分前倒しとなった。
かなり頭が痛いのだが、かねてよりバス運転士の不足が利用者である我々にも勘付かれるほど、現場は混乱をきたしていたので仕方ない側面もある。

この際、終バスがなくなったら歩くか。健康面を考えてもそっちの方がいいし、意外とこの改正は自分にメリットがあるかもしれない、と無理矢理にでもポジティブに考えることにする。

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