Dellのエンタープライズ向けサーバ製品、PowerEdgeシリーズの中でR760xd2という型番がある。
様々なタイプを特徴を持ったサーバ機器がラインナップされているPowerEdgeシリーズにおいて、R760xd2はまずHDD SATAディスク(3.5インチ)を多く積める、という特徴を持つことで名が知られている。
通常、サーバ機器に内蔵する物理ディスクは3.5インチよりも2.5インチドライブの方を多くの本数を積めるような仕様になっている。
このR760xd2は例外的に2.5インチドライブはNVMeタイプが2本程度で、3.5インチドライブが最大24本も積める。
しかしR760xd2のユニークな特徴はそれだけでない。背面タイプの選択肢が非常に多い、という特徴も持っている。これは3.5インチドライブの件よりもそこまで知られていない印象がある。
どれだけ背面タイプの種類が多いか、簡単にざっと以下に一覧でまとめてみる。
- 4×3.5インチSAS/SATAまたは4×2.5インチNVMeドライブを搭載した3×PCIeロープロファイルスロット
- 1×CPUを搭載した2×PCIeロープロファイルスロットおよび4×3.5インチSAS/SATAドライブ
- 5×PCIeロープロファイルスロット
- 1×CPUを搭載した3×PCIeロープロファイルスロット
- 5×PCIeロープロファイルスロットおよび2×2.5インチNVMeドライブ
- 1×CPUを搭載した3×PCIeロープロファイルスロットおよび2×2.5インチNVMeドライブ
- 3×PCIeロープロファイルスロットおよび2×PCIe フルハイト/フルレングススロット
- 2×2.5インチNVMeドライブを搭載した2×PCIeロープロファイルスロットおよび2×PCIe×16フルハイト/フルレングススロット
- 4×E3.S NVMeドライブを搭載した5×PCIeロープロファイルスロット
- 4×E3.S NVMeドライブを搭載した2×PCIeロープロファイルスロットおよび2×PCIe×16フルハイト/フルレングススロット
こうして列挙してみると、何がどういう構造になっているのかわからない。
どういった用途でサーバを使うのか、を考えた際に拡張性や適切なPCIeカードの選択は必須になるため、ここの詳細を理解しておくことは重要である。
PCIeスロットの種類
まずPCIeカードを挿しこむためのスロットについてである。
x1:1レーンのスロット。低帯域のデバイスで使われる。ネットワークカードなどが候補になる。
x4:4レーンのスロット。高速なネットワークカード、SSDの利用で候補になる。
x8:8レーンのスロット。高速ストレージなどの利用で候補になる。
x16:16レーンのスロット。GPUはこのレーンで利用される。
というように、レーンの数が多いほど性能の良い使い方ができる特性となっている。
カードのサイズ
次はPCIeカードのサイズについて見ていきたい。
フルレングス:長さが312mmまでのカード。
ハーフレングス:長さが175.26mmまでのカード。近年はこのサイズが主流。
ロープロファイル:高さが64.41mmまでの小型カード。M1(長さ119.91mm)とMD2(長さ167.64mm)の2種類がある。
フルハイト:高さが107mmのカード。
これらのサイズのカードが背面に何種類、何個搭載できるのか、この組み合わせで背面の構造を選定していく。
よく使われているPCIeカード
最後に実際にPowerEdgeサーバのスロットでよく利用されているPCIeカードについて見ていく。
1GBase-T ×2ポートはマザーボード(サーバ機器に最初の段階で挿入されている基板)でよく搭載されている。
サーバ機器の空きスロットに挿入されるものとして、まずネットワークカードからいくと10GBase-T ×2ポートが搭載されているPCIeカード、Intel製のX550-T2はよくユーザさんに使われている。長さと高さの関係はハーフレングス、フルハイトとなっている。
同じくネットワークカードで、10GbE(SFP+) ×4ポートが搭載されたPCIeカード、こちらもIntel製でX710-DA4という型番、長さと高さの関係はハーフレングス、フルハイトとなっている。
高速ストレージであるBOSS-N1モジュールについてはどうだろうか。80mmのNVMe SSDをサポートしているこちらのカードもサイズはハーフレングス、フルハイトの関係となっていて、基本的にはハーフレングス、フルハイトのサイズで挿入されるPCIeカードを使う機会が多い傾向が見られる、ということもここで記述させていただいた。
ひとりごと
人生でまだ花粉症になったことが一度もない。
周りで発症している人が多く、彼らを見ていると毎春はかなりシンドそうで、未発症の自分はラッキーだなと思うことがある。
ただ花粉症は遺伝も年齢も関係なく、突然発症するものらしく、いつ自分が発症するのかわからない怖さもある。
「今年こそ発症してしまうのか」とビクビクしながら毎春を迎えるのは、花粉症の辛さがわからない分、ある意味では発症済の人よりもキツいのではないか、とも思っている。
今年の春も一応は発症を免れたようです。