IT資格の評価
この記事の対象者
- 資格取得に興味がある人
はじめに
各資格の難易度、実用度(内容が現場で役立つか)、就職・転職や他者からの評価を5段階評価(A~E)で独断と偏見で紹介していきます。
私は保守系エンジニアなので特に実用度に関して特にバイアスがかかっていると思ってください。
ここで紹介するのは私が取得済みのものだけです。ただし取得した時期が昔のものもあるので、現在とは状況が異なる場合もありますのでご了承ください。
基本情報技術者
難易度:E
実用度:D
評価:D
お勧め度:C
難易度は低いものの、完全な未経験者がここから学習をスタートする場合はそれなりに時間がかかります。私の場合は大体半年ぐらいかかりました。
浅く広くなので経験者でも対策していなければ落ちる時は落ちます。(特に午前問題)
実用的かというと「こんなの知らなくても自分の業務はできる」というものもあれば「これは常識レベル」というものもあります。浅く広くなので致し方ないところです。
学生さんが持っていればそれなりに評価されることもあると思います。
経験者で自信があるなら飛ばして応用情報からでもいいです。
応用情報技術者
難易度:D
実用度:C
評価:C
お勧め度:B
名称がソフトウェア開発技術者の時に取得しました。
基本情報の一つ上です。内容が重複しているところも多いので、基本情報を取得したらなるべく早めに取得して知識を定着させることをお勧めします。
IT資格を取得するならまずはこれを目標とするのがよいと思います。
データベーススペシャリスト
難易度:C
実用度:A
評価:C
お勧め度:A
高度情報処理技術者試験の中では論文が無く、技術的にもあまり変化しないので過去問をしっかりやれば比較的取得しやすい資格です。
内容が洗練されていて実務にも近いので個人的には最もお勧めです。
評価が高いかというと体感ではそうでもありませんが、これを持っていたらデータベースが得意と言っても差し支えないと思います。
ネットワークスペシャリスト
難易度:A
実用度:E
評価:C
お勧め度:E
割と最新の技術が問題に取り入れられてくるので、過去問をやってもなかなか対策がしづらいところがあるため難易度はかなり高いです。年度によって難易度の差はあります。
その技術を自分が現場で使うか、というとネットワークエンジニアでも現場によると思うのでピーキーなところです。
情報処理安全確保支援士
難易度:D
実用度:D
評価:D
お勧め度:D
名称が情報セキュリティスペシャリストの時に取得しました。
知識がなくても問題文の前後を読めば解答を導き出せることが多く、国語の試験などとも言われていました。
その分実用度もあまり高くありません。
また、セキュリティ関係は投資対効果がわかりづらいところもあって評価されにくい気がします。
(2024/10/18追記)
維持するためにお金がかかる資格というコメントを頂きました。
情報セキュリティスペシャリストの時には費用はかかりませんでしたが、現在は登録費用と更新費用がかかるようです。
IPAのサイトでは【情報処理安全確保支援士試験合格者は、所定の登録手続きを行うことで、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者となることができます。】とあります。
更新に必要な講習も年1回のオンライン講習2万円+3年に1回の実践講習8万円(または民間の特定講習)と費用も頻度も高く、さらに実践講習ではグループ討議などもあって大変です。
かといって資格を持っているというと嘘になってしまうので、履歴書には「情報処理安全確保支援士試験合格」と書くのがよいと思います。
Oracle Master
Bronze,Silver,Gold
の順で記載します。
難易度:D,C,B
実用度:A,C,D
評価:D,C,A
お勧め度:B,B,A
11g Bronze、11g Silver、11g Gold、11g⇒12cのバージョンアップ試験
というように取得しました。
Bronzeを持っていても評価されることはあまりありませんが内容は良いです。
Silverでも持っている人は多いので評価はそれなりです。
Goldは資格取得に高額の研修(当時20万円ぐらい)が必要なこともあって、持っている人が滅多にいないので希少価値があります。内容的にはRMANによるバックアップ・リカバリの話が多いですが頻繁に使うような機能でもありません。
しかしGoldの評価はどこでも高く、逆にこれ以外の資格が評価されたことはほとんどないぐらいダントツでした。Oracle DBの仕事がしたければ取得をお勧めします。
OSS-DB Silver
難易度:C
実用度:C
評価:D
お勧め度:D
オープンソースというかPostgreSQLの試験です。Goldも受験しましたが難易度が跳ね上がって撃沈しました。
内容は良いですが、知名度やシェアはOracleには及ばないので、特に現場でPostgreSQLを使う予定がなければOracle Masterを優先した方がよいかと思います。
CCNA,CCNP
難易度:C,B
実用度:E,E
評価:E,E
お勧め度:E,E
私は保守系のエンジニアなので実用度や評価は低いのですが、ネットワークエンジニアであれば必須ではないかと思います。
逆に言うとネットワークエンジニアでなければ取得する意味は薄いと思います。
有効期限があって維持するのは大変です。
Linuc
難易度:C
実用度:C
評価:C
お勧め度:C
レベル1と2、および304を取得しています。
レベルが上がってもそれほど難易度は変わりません。
実用度も評価もそれなりです。特にサーバ系のエンジニアであれば取得をお勧めします。
有効期限はないが有意性の期限があるというよくわからないポリシーです。
Oracle Java
Silver,Goldの順に記載します。
難易度:E,D
実用度:D,D
評価:C,C
お勧め度:D,D
Sun Microsystems社がOracleに買収される2010年以前はSJC-PやSJC-WCなどの資格があり、そちらも取得していましたがこちらも取得し直しました。
内容が重箱の隅をつつくような設問が多く、実用度はあまり高くない印象があります。
これを持っているから開発できるというものでもありません。しかしその割に評価は高い印象があります。SilverとGoldで差はあまりありません。
Python3エンジニア認定基礎試験も持っていますが同様です。
MOS(Microsoft Office Specialist)
難易度:E
実用度:A
評価:E
お勧め度:D
Word,Excel,PowerPointはどこの現場でもほぼ毎日といっていいほど使います。Accessを使った現場はありません。Excelの使用頻度はどこでも高く、PowerPointは現場によっては非常に頻繁に使います。Wordはまちまちです。
手足のように使えて当たり前なので実用度は極めて高いと言えます。
ただし難易度は非常に低いので評価もされません。
学生さんで自信がない人は基本情報技術者やITパスポートより先に取得してみるとよいかもしれません。
VBAエキスパート
難易度:E
実用度:B
評価:E
お勧め度:D
簡単に言うとマクロのプログラミング言語の試験です。ExcelとAccessのベーシックとスタンダートがあります。
Excelマクロに関しては使っている現場が多いので実用度は高いでしょう。簡単なので評価はされません。
学生でMOSを取ったが開発にも興味がある人は取得を検討してみてもよいでしょう。
まとめ
国家資格では応用情報技術者およびデータベーススペシャリスト、ベンダー資格ではOracle Masterをお勧めします。
ネットワークエンジニアであればCCNA,CCNP、サーバエンジニアであればLinucをお勧めします。
国家試験は教科書や問題集、過去問が充実しているのでとにかくそれをきっちりやれば十分合格できます。(論文は除く)
過去問は過去数回分、確実にほぼ満点が取れるようにしておきましょう。
ベンダー系の資格も基本的には教科書と問題集で十分ですが、可能な限り環境を構築して操作することをお勧めします。
ものによっては問題集が存在しないものもあります。クラムメディアやprepawayのようにwebで過去問を販売している業者が昔からいるので、場合によっては使用を検討してください。
ベンダー試験はそんなにパターンがなく、ほぼそのまま出るため内容を理解せず解答を丸暗記して合格することも可能ですが、はっきり言ってインチキです。モラル上の問題もありますが、そもそもいざ業務について何もできないと詰むので、しっかり内容を理解した上で最後の一押しで使うのが一般的な使い方です。