ITIL(アイティル)とは
ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめたフレームワークです。
ITサービスを効率的に運用し、顧客満足度を向上させるための知識や手法がまとめられています。
ITILは、Information Technology Infrastructure Libraryの略で、1980年代後半に英国政府が中心となって開発されました。
ITサービスを管理・運用において、どのようなプロセスや手順を踏むべきかを具体的に示したガイドラインが提供されています。
ITILを導入する4つのメリット
1.コスト削減
プロセスの効率化やリソースの最適化により、運用コストを削減できます。
2.サービス品質の向上
サービスレベルの向上やインシデント管理の強化により、顧客満足度を高められます。
3.リスク管理の徹底
変更管理や構成管理を適切に行えば、障害やトラブルのリスクを最小限に抑えられます。
4.組織全体の効率化
ITサービスに関する共通言語を持つことで、部門間の連携を強化し、組織全体の生産性向上につながります。
ITIL 4について
ITILの最新バージョンであるITIL 4は、従来のプロセス中心の手法に加え、より柔軟で実践的な考え方を取り入れています。
具体的には、以下の特徴があります。
・サービスバリューシステム(SVS)
ITサービスがどのように価値を創出するかの全体像を示し、組織の目標と連動した運用を支援します。
・4つの側面モデル
「組織と人」「情報と技術」「パートナーとサプライヤー」「価値の流れとプロセス」という4つの視点からバランスよくサービスを設計します。
・アジャイルやDevOpsとの連携
変化の激しい環境でも柔軟かつ迅速に対応できるよう、最新の開発手法や運用手法と統合されています。
ITIL 4は、これからのITサービス運用に求められるスピード感や柔軟性を補完し、より実務に即したフレームワークとなっています。
まとめ
ITILは、ITサービスの質を高めたり、コストを減らしたり、トラブルを防ぐための考え方やしくみをまとめたフレームワークです。
多くの企業が、サポート業務やインフラの運用などをより安定して、効率よく行うために活用しています。
新しいバージョンのITIL 4では、アジャイルやDevOpsなどの最新の手法も取り入れ、変化の早い時代にも対応できるようになっています。
IT部門だけでなく、会社全体の仕事の進め方をよくするためにも役立つ、実用的なガイドラインです。