ChatGPT（GPT-4o）にシンギュラれった小話

ちょっとした「アーキテクチャ」の PoC、というか導入サンプルのため、モデルを書いた。

「サンプル」プロジェクトのモデルを何にするか、というのは、一つの考え事となる事項ではあるが、あくまで「サンプル」のテーマであるから、最小、かつ（サンプル内での）拡張性を示すため、デジタル回路のNANDゲートを書いてみた。

本質的には関数完全性を持つ最小情報量単位の「モデル」ではないかと考えたからだ。

イメージとしては、一応、「デジタル回路」の話なので、bool ではなく、それらしい定義をして、

/// <summary>
/// 入出力端子の状態
/// </summary>
public enum TerminalState
{
    LOW = 0,        // LOW
    HIGH = 1,       // HIGH
    HIGH_Z = 2,     // HIGH Impedance
    UNDEFINED = 3   // 未定義
}

後はインタフェイスやeventなどを実装し、演算自体のロジックも書いた。

/// <summary>
/// 入力が変わったら出力を更新するイベントハンドラ
/// </summary>
private void InputsStateChangedHandler(object? sender, EventArgs arg)
{
    OutputsInternal[0].State
        = (
               InputsInternal[0].State == TerminalState.HIGH
            && InputsInternal[1].State == TerminalState.HIGH
          ) ? TerminalState.LOW : TerminalState.HIGH;
}

「アーキテクチャ」のサンプルだから、単体テストも書くか、でも GPT君に書いてもらおう、ということで、上記のロジックも見せつつ書いてもらい、テスト実行。

むむむ…。出力が 3 (TerminalState.UNDEFINED) になるようなロジックは今のところ書いていないが…。

GPT君が記述した単体テストを見てみる。

    // NANDロジックに合わせる
    if (input1 == TerminalState.HIGH && input2 == TerminalState.HIGH)
    {
        return TerminalState.LOW;
    }
    else if (input1 == TerminalState.HIGH_Z || input2 == TerminalState.HIGH_Z)
    {
        return TerminalState.UNDEFINED; // High-Zは未定義扱い
    }
    else if (input1 == TerminalState.UNDEFINED || input2 == TerminalState.UNDEFINED)
    {
        return TerminalState.UNDEFINED; // UNDEFINEDは未定義扱い
    }
    else
    {
        return TerminalState.HIGH; // それ以外はNAND=HIGH
    }

うっ…、「テストケース書いて」と言っただけなはずなのに、「俺より厳密でちゃんとした演算ロジック」 書いてきてやがるっっっっ…。

いつのまにかTDDに…(笑)

おしまい