AndroidでVolleyを使った送信でcookieを使用する場合

VolleyでCookieって・・・どうすんねん？

AndroidでVolleyを使ってMultipart/form-data形式で送信してみるでAndroidでVolleyを使ってHTTPでMultipart/form-data形式で送信する例を書きましたが、送信する相手がAPI形式で同時に認証もやってくれるならいいのですが、そうではない場合があります。

例えば、API形式のI/Fが全く用意されていないく、ブラウザからHTMLで送信する画面しか用意されていない場合があります。この場合、通常

1. ログイン
2. Multipart/form-data形式で送信
3. ログアウト

という流れになりますが1.でサーバ側からのレスポンスヘダーのset-cookieで払い出されたcookieをHTTPヘダーに設定して2.で送信しないと「ログインされていません」となります。

Volleyを使って1.、2.、3.で3回通信する場合、1.のレスポンスのset-cookieを2.、3.に引き継ぐ必要があります。

CookieManagerを使う

自前で1.のレスポンスヘダーのset-cookieを2.、3.のリクエストヘダーに設定する実装をゴリゴリ書いてもいいのですが(cookieの仕様がわかってしまえばそんなに難しくない)CookieManagerを使えばもっと簡単にできます。

CookieManagerとは？

CookieManagerはjava6くらいからありますが、
https://docs.oracle.com/javase/jp/8/docs/api/java/net/CookieManager.html
のクラスの説明文を見ると、

                  use
 CookieHandler <------- HttpURLConnection
       ^
       | impl
       |         use
 CookieManager -------> CookiePolicy
             |   use
             |--------> HttpCookie
             |              ^
             |              | use
             |   use        |
             |--------> CookieStore
                            ^
                            | impl
                            |
                  Internal in-memory implementation

HTTP通信にHttpURLConnectionを使っていれば、CookieManagerがCookiePolicyに従って、CookeStoreに保持してくれます。
CookeStoreはインタフェースであり、デフォルトではインメモリにCookieが保持されます。CookeStoreの独自実装を自作することにより、ファイル等にシリアライズすることも可能です。

VolleyはHttpStackに

1. HttpClientStack
2. HurlStack

が使えますが、どちらにしてもHttpURLConnectionを使っているので、CookieManagerでCookieの保持ができます。

CookieManagerを実装に追加する

前回、AndroidでVolleyを使ってMultipart/form-data形式で送信してみる作成したクラスにCookieManagerを実装を追加します。

HttpPostMultiPart.kt

class HttpPostMultiPart(private val context: Context) {

    /** CookieStore */
    private var cookieStore: CookieStore // ※１
    /** CookieManager */
    private var cookieManager: CookieManager = CookieManager()

    init {
        cookieManager.setCookiePolicy(CookiePolicy.ACCEPT_ALL)
        CookieHandler.setDefault(cookieManager)
        cookieStore = cookieManager.cookieStore  // ※１
    }

    ・・・(後略)

たった、これだけです。

1. CookieManagerを初期化して、
2. Cookieポリシーを設定(全て受入、全て拒否、同一サーバの場合)
3. CookieHandlerでデフォルトのCookieManagerを設定

これだけだと、CookieManagerのクラスとリクエスト、レスポンスを作る処理と何の関連も無いのでは？と思うかもしれませんが、CookieManagerのJavaDocの冒頭の説明の通り、内部でHttpURLConnectionが使われていれば自動的に、CookieManagerがCookieStoreにCookieを保持してくれます。

ただ、

1. ログイン
2. Multipart/form-data形式で送信
3. ログアウト

とCookieを引き継げばいいだけであれば※１の部分も要りません。※１が要らなければ実質、追加するのはたったの5行です。
内部でCookieがどうなっているか見たい、Cookieを操作したい場合は※１が必要です。

内部でCookieがどうなっているか見たいはこのようにします

cookieStore.cookies.forEach { cookie ->
    Log.d(TAG, "name = $cookie.name, value = ${cookie.value}")
}

独自のCookieをを追加した場合は

CookieStore#add(URI uri, HttpCookie cookie)

を使います。

VolleyだとCookieを使うのは意外と簡単でした。処理にはほとんど影響しません。