はじめに
この記事は会社のSlackの個人チャンネルで「声を大にして言いたい」として、書き殴った内容を改めて文章として清書したものです。
私は記事を書くのも読むのも好きなので、これを読んで多くの人が技術記事の執筆に興味を持ってくれればいいなと思っています。
記事を書くことの効用
技術力の物差しになる
自分が何をどのくらいできるのかを測るのは簡単ではありません。
「あなたの得意なことはなんですか?」
と聞かれたときに「◯◯です。」と答えるのは簡単ですが、
「じゃあ、それを見せてください」
と言われると、ちょっと詰まってしまいます。
個人開発したアプリやWebサイトなどがあれば一番わかりやすいのかもしれませんが、少しハードルは高そうです。
そんなときに、技術記事は自分の技術力の一部を可視化してくれます。
内容は自分が学習したこと、解決したエラーなどさまざまですが、そのいずれも自分ができることが形になったものです。
ちょっとしたエラーの内容と解決方法をまとめるくらいなら、1時間くらいでかけてしまうかもしれません。
「未知のエラーにも臆することなく対処ができます」
と口頭で答えるだけよりも
「例えば、以前はこうやって解決しました」
と提示できれば説得力がありますし、わかりやすいです。
自分ができること、知っていること、やったことは形にすることで初めて他人から計測可能になります。
ちょっとしたことでも書いてみることをおすすめします。
外部記憶装置になる
一生懸命調べてなんとか実装したけど、あとから思い返したときにどうやったのか思い出せないことってありませんか?
私は割とよくあります。
普段あまり使わないライブラリの使い方とか、ググっても出てこないような独特な実装とか、あれだけやったはずのに時間が立つときれいさっぱり忘れてしまいます。
仮に忘れたとしても、その時の実装を記事としてまとめておけば、あとから見返せばいいだけなので以前ほどの時間がかかりません。
しかも、他人ではなく自分が書いた文章なので、自分にとって一番わかりやすい内容になっていてスッと理解できます。
私はLINE開発関連の記事をよく書いているのですが、そのおかげで過去の自分に何度も助けられています。
未来の自分のつまづきを解消すると思って、困ってることや頑張っていることを記事にしてみてはいかがでしょうか。
自分の「わかっていないこと」が明らかになる
わかっているつもりになっていることはよくあります。というより、世の中つもりだらけです。
花の「バラ」を漢字で書けますか?(書ける人はめっちゃすごい!)
おそらく大半の人は「あー、なんとなく頭には浮かぶんだけどな」という状態だと思います。
あのメソッドのオプションの指定の仕方、似ている機能の使い分け、滅多にやらない環境構築なども同じことです。
なんとなくわかってはいるけど、実際にやると細かいところの理解ができていないことは多くあります。
自分がよく知っていると思っていることでも、他人に説明するつもりで記事してみると自分が雰囲気で理解しているところが浮き彫りになります。
そこを改めて調べて自分の言葉で形にすることで、より深い理解に繋がり、実践的な知識として身につきます。
頭の中にあるものを形にすることで、客観的に見ることができるようになります。
自分がよく知っていることをあえて記事にしてみると、新たな発見があるかもしれません。
モチベーションが上がる
人に褒められたり、認めてもらえたりするのは嬉しいものです。
記事を読んでもらえたり、いいねしてもらえたりすると単純にめちゃくちゃ嬉しいです。
それだけでなく、自分の書いた記事が誰かの役に立っていることがわかったときの喜びは、より一層大きなものになります。
私は以前、自分の記事が「参考になった」と会社のSlackで紹介していただいたことがありました。

このときはやる気がググっとアップしたのを覚えています。
じゃあ、誰にも読まれず、誰にも反応ももらえなかったらどうするのかという話になりますが、そうであっても問題ありません。
もちろん、一抹の寂しさはありますが、誰かの反応はあくまでも副産物です。
「技術記事を書いたほうがいいよなぁ」、「書いてみたいなぁ」
と思う人はたくさんいますが、実際に書いている人はそんなに多くありません。
そんな中、短くても、簡単でもいいのでなにか1つ形にしたときの達成感は、やった人にしか味わえません。
何かをやり切ったり、どんな形でもいいから成果を残すことは確実に自分の自信に繋がります。
まずは1つ、試しに何か書いてみませんか?
成長を実感できる
子どもの頃、「お、いま背が伸びているな?」と感じた人はほとんどいないと思います。
しかし、毎年の身体測定では確実に去年に比べて伸びていることがわかったのではないでしょうか。
日々の身長の伸びは目に見えては感じられませんが、測定することで過去との差分を取ることで、その成長の幅を知ることができます。
技術力も同じです。
新しくITエンジニアになった人は、日々の業務や覚えることに圧倒され、何もできていない無力さを感じているかもしれません。
長く業界に身を置いている人の中には、技術が伸び悩んでいるなと感じている人もいるでしょう。
記事は、その時の自分のスナップショットです。
あとから見返すことで、過去の自分との差分を実感できます。
あのときはこんな事もできていなかったのか
このときは、ここまでしか理解できていなかったけど、今はこの知識とも結びつけられるな
など過去と比べたとき、確実にできるようになっていることが増えています。
成長しているのかわからないなという人は、まずは今取り組んでいること、わかったことを記事にしてみてください。
あとから見返したときに、自分が前に進んでいることを知ることができます。
まとめ
技術記事をかくとこんないいことがあるよ
というのを全部で5つあげてみました。
この中のどれか1つでも、読んでくれた方の心の何処かに刺さって、今すぐでなくてもいいので、技術記事を書くきっかけになってくれればいいなと思っています。
Qiitaはレベルが低くなったとかオワコンだとか言われていますが、私が観測する範囲では7年くらい前からずっと繰り返し蒸し返されている話なので、記事を書くのに恐れる必要はありません。
どんな形でもいいので、自分の力でまずは一本、ぜひ書いてみてください。