はじめに
この記事はQiita Advent Calendar 2024に投稿したものです。
テスト管理ツールを乗り換える難しさ
- 品質保証業務を行う中で、テストの作成と管理は欠かせません。規模の小さなサービスやアプリケーションでは、Excelなどの表計算ツールで対応できることがあります。しかし、大規模なサービスでは管理が困難になるため、専用のテスト管理ツールを使用することが一般的です
- テスト管理ツールはさまざまな会社から提供されており、どのツールを選ぶべきか迷うことが多いでしょう。また、一度導入したツールは継続して使用し続けることが一般的で、ツールの乗り換えにはハードルがあるという印象を持たれていることが多いです
- 本記事では、サンプルやテンプレートの重要性について考察します
※この記事では「Quality Forward(以下:QF)」の無料版を利用し、個人的な考えをまとめています
ツール乗り換え時に重要なこと
①初期学習コストが低いこと
- ツールにサンプルやテンプレートが充実していると、初期学習の負担を軽減できます。ツール内で使い方が説明されていることや、テスト用のサンプルデータが提供されていると、導入時のハードルが下がります
- QFには「SNSアプリのテスト」を想定したサンプルが用意されており、テスト計画からテスト完了までの一連の流れを学べるようになっています。このサンプルにより、初めて利用する人でもスムーズにテスト管理を始められるよう配慮されています
- サンプルの種類も分かりやすく整理されており、次のように分類されています
テストケースのサンプル→「テストスイート」
テスト実行のサンプル→「テストフェーズ」
テストレポートのサンプル→「レポート」
②テスト設計をスムーズに進められること
- サンプルやテンプレートの存在は、テスト設計を効率的に進めるためにも重要です。ゼロから作業を始める必要がないため、導入後すぐに利用できるメリットがあります
- QFでは、提供されたサンプルをそのまま活用したり、編集して利用することが可能です。例えば、「テストスイート」をコピーして類似のテンプレートを増やす仕組みや、事前に入力されたコメントを参考に運用イメージを掴むことができます。これにより、効率的にテスト設計を進められます
③チーム間での標準化を容易にできること
- サンプルやテンプレートを活用することで、チーム内の作業や運用ルールを標準化しやすくなります。これにより、チームメンバー全員が同じ基準で作業を進めることができます
- ツールをチームで運用する際には、独自ルールやドキュメントが増えがちです。しかし、QFのサンプルを活用することで、これらを簡略化しながら効率的に運用ルールの標準化を進めることができます
- QFでは「テストフェーズ」に複数の「テストスイート」が含まれ、その中に「テストサイクル」が階層化されています。このような構成や用語は文章だけでは理解しにくいですが、QFではサンプルを実際に触れることで直感的に理解できるようになっています
おわりに
- サンプルやテンプレートからも、テスト管理ツールを提供する企業の工夫や配慮が伝わってきます
- 今後もテスト管理ツールの調査を続け、学びを深めつつ情報を発信していきたいと思います