ビットコインを代表とする仮想通貨で注目を集めたブロックチェーンですが、
仮想通貨以外の用途で事業化に成功させた企業はまだありません。
ブロックチェーンの概要に入る前に、
ブロックチェーンの現状の立ち位置をAIと比較してみます。
数年前のAI
「AIとブロックチェーン」、両雄並び立つかのように次世代への応用が
期待されていた両技術ですが、自動運転や画像処理など、実用面、
ビジネス面共にAIは事業化されており、成熟期とも言えます。
そんな輝かしいAIも、数年前までは今ほど注目されていませんでした。
将棋でプロ棋士に勝ったり、スピーカーで簡単なお喋りをする程度でした。
(もちろん凄いことですし、先駆者であることには変わりありませんが)
つまり、何が言いたいかというと、今、実用化に向けて
試行錯誤されているブロックチェーンは、「数年前のAI」と
同じ立ち位置。可能性を秘めているかもしれない。ということです。
では、ブロックチェーンの概要に入ります。
結論
メリット
・データの改ざんが実質不可能
・サーバが存在せず、障害でダウンしない(ゼロダウンタイム)
・データが全て公開される
デメリット
・一度公開されたデータは修正削除できない
・収益化が難しい
ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンとは
「取引データ」技術の総称
①取引のデータ(履歴)をトランザクションと呼び、
②複数のトランザクションをまとめたものをブロックと呼ぶ
③ブロックを1本の線でつなげたものがブロックチェーン
トランザクションってなに?
当たり前のようにトランザクション(履歴)って言われても困りますよね。
ブロックチェーンでいうトランザクションは「取引履歴」のことです。
お店で買い物したときにもらう「レシート」のようなものです。
ブロックチェーンの通信方式
ブロックチェーンの通信方式はP2P(Peer to Peer)と呼ばれるものです。
「従来のクライアント・サーバと異なり、一つのサーバ(中央)を基準と
するのではなく、各端末が共通のデータを相互に管理する」
↑のような説明がよくありますが、P2P自体は昔からある通信方式です。
(LINEやSkypeなど、個人同士でチャットや画像の履歴が残りますよね)
従来の通信方式のメリット・デメリット
①クライアント・サーバ型
メリット
・一つのサーバで管理できる
・基準となる管理者がいるため、情報の信頼性が高い
・データの修正・削除がしやすい
デメリット
・中央サーバにデータが集中しているため、攻撃者に狙われやすい
・セキュリティコストがかかる
・内部でデータの改ざんが可能
②P2P型
メリット
・情報が分散されているため、障害に強い(ゼロダウンタイム)
デメリット
・基準となる管理者(サーバ)が存在せず、情報の信頼性を担保できない
つまり?
・クライアントサーバ方式は、情報の信頼性を担保できるが、
中央管理によるデータの改ざん及びダウンリスクがある
・P2Pは、システムダウンこそしないが、情報の信頼性が低い
⇒P2P方式の課題となっていたセキュリティを担保したのがブロックチェーン
セキュリティの担保
ブロックチェーンのセキュリティを担保する2つの要素
①トランザクション(取引履歴)をハッシュ値を用いて暗号化している
②追加されるトランザクションの正当性を第三者グループが判断する
<ざっくり解説> (読み飛ばしてもいいです)
①によって、「AさんがBさんに100円あげた」という取引履歴を
ハッシュ関数で「fgdu0f9chufdps9fu8hcedf0huocdjhfpqehia」
というハッシュ値に置き換えます。次の取引履歴のデータが作られる時には、
新たに変換したハッシュ値の最初の1文字目が、直前のデータの最後の1文字と
結びつくようにすることで数珠繋ぎのチェーンを形成しています。
このデータの繋がりを改ざんするには、ハッシュ値を解読するだけでなく、
それまで積み重なった過去のトランザクション全てと整合性が取れるように
しなければなりません。
(整合性エラーが出ますし、第三者グループも承認しません)
ハッシュ値を一つ解読するだけでも膨大な計算量、及び時間を要します。
一市民はそんなスーパーコンピュータなぞ持っていないため、
ブロックチェーンに対してデータを改ざんするのは実質不可能という訳です。
新たに追加されるデータに対しては、②のように第三者グループが
そのデータに矛盾・悪意ないと判断・承認した上でブロックチェーンに
追加される仕組み(合意形成:コンセンサスアルゴリズム)となっています。
レシートに鍵をかけて…
そのレシートを集めて…こう!!!!!!!!!!!(雑だな
ブロックチェーンはどう活用できるのか
ブロックチェーンが可能にするものとは。
仮想通貨「ビットコイン」の特徴、何を目的に作られたのか。
他の通貨の特徴とは?スマートコントラクトとは?
ビジネスに応用する上での課題とは?
…また手が空いた時に書きます。Facebookの仮想通貨「Libra」とかね。
ご意見、ご質問などあればお待ちしております。
<参考>
さまざまなブロックチェーン技術