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群論・環論・体論

Last updated at Posted at 2016-08-10

(書き途中ー

定義

演算

  1. 二項演算
  • 写像$f:A \times A \rightarrow A$を二項演算という。
  • $f(a,b)$を$a+b$, $ab$などと書き、前者のように書いたものを加法、後者を乗法という。
  • $A$と$f$の組$(A,f)$をマグマ亜群という。
  1. 結合法則
  • 任意の$a,b,c \in A$に対して$(ab)c = a(bc)$をみたすとき、この演算は結合法則を満たすという。
  1. 交換法則
  • $a,b \in A$に対して、$ab=ba$のとき、$a,b$は可換であるという。
  • 任意の$a,b \in A$が可換のとき、この演算は交換法則を満たすという。
  1. 分配法則
  • 二つの二項演算$ \cdot, +$に対して、$(a+b)c=ac+bc$, $c(a+b) = ca+cb$が成立するとき、これは分配法則を満たすという。
  1. 単位元
  • ある$e \in A$が存在して、任意の$a \in A$に対して、$ea = a$が成り立つとき、この$e$を左単位元という。同様にして、右単位元も定義する。
  • ある$e$が左単位元でも右単位元でもあるとき、これを単位元という。
  1. 逆元
  • $a \in A$に対して、$b \in A$が存在して$ab = e$となるとき、$a$は右可逆であるといい、$b$は$a$の右逆元という。上と同様に左可逆左逆元可逆逆元も定義する。$a$の逆元を$a^{-1}$とかく。

  1. (G1) 結合法則
  2. (G2) 単位元の存在
  3. (G3) 任意の元に対する逆元の存在
  4. (G4) 交換法則
  • 二項演算で書いた通り、集合と、その中で閉じた二項演算の組を亜群という。
  • 亜群で、(G1)が満たされるものを半群という。
  • 半群で、(G2)が満たされるものをモノイドという。
  • モノイドで、(G3)が満たされるものをという。
  • 群で、(G4)が満たされるものを可換群とかアーベル群という。

部分群

$H$は群$G$の空でない部分集合。

  1. (B1) $a,b \in H \rightarrow ab \in H$
  2. (B2) $a \in H \rightarrow a^{-1} \in H$

(B1),(B2)がともに満たされるとき、$H$は$G$の部分群であるという。

$A,B$は群$G$の部分集合。

  • $AB := \{ ab | a \in A, b \in B \} $
  • $A^{-1} := \{ a^{-1} | a \in A \} $

$S$は群$G$の部分集合。

  • $H = \{ \prod_{i}^{r} {a_i}^{n_i} | a_i \in S, n_i \in \mathbb{Z}, r \in \mathbb{N} \}$

とすると、$H$は部分群をなす。この$H$を$\langle S \rangle$とかく。
特に$S={a}$のとき、$\langle S \rangle = \langle a \rangle$を$a$による巡回群といい、$a$をその生成元という。$| \langle a \rangle |$を$a$の位数という。

剰余類

群$G$とその部分群$H$をとる。

$G$上の関係$\sim$を、$a \sim b \Leftrightarrow aH = bH$で定める。
$aH$を左剰余類といい、$\{aH | a \in G\}$を$G / H$とかく。右剰余類も同様に定める。

$H$に対し、任意の$a \in G$に対し、$aH = Ha$が成立するとき、$H$は正規部分群であるという。

剰余群

群$G$とその正規部分群$N$をとる。

$G/N$上の演算$(aN)(bN)=(ab)N$を定義すると、$G/N$はこの演算で群をなす。この群を$G$の$N$による剰余群といい、$G/N$とかく。

環・体

加法と乗法が与えられた集合$R$がある。

  1. (R1) $R$が加法に関してアーベル群をなす。
  2. (R2) $R$が乗法に関して半群をなす。
  3. (R3) 分配法則
  4. (R4) 乗法の単位元の存在
  5. (R5) 乗法の交換法則

(R1-3)が成立するとき、をなすという。
(R1-3),(R4)が成立するとき、単位元を持つ環をなすという。
(R1-3),(R5)が成立するとき、可換環をなすという。

加法の単位元を零元といい、$0$とかく。
乗法の単位元を$1$とかく。

単位元を持つ環$R$で、加法の単位元以外が乗法で可逆のとき、$R$は斜体であるという。
可換な斜体をという。

環$R$がある。
ある$0 \neq b \in R$があって、$0 \neq a \in R$で、$ab = 0$となったとき、$a$を左零因子であるという。右零因子零因子も同様。

単位元を持つ可換環$R$で、零因子が存在しないとき、$R$を整域という。

部分環

$R$は環。$S$は$R$の部分集合。

  1. $a,b \in S \rightarrow a - b \in S$
  2. $a,b \in S \rightarrow ab \in S$

以上が成立するとき、$S$は$R$の部分環であるという。

$R$の部分集合$I$が部分加群であるとき、$I$をイデアルといい、$R/I$を$R$の$I$による剰余環という。

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