Amazon Linux 2023 (以下 AL2023)にリモートデスクトップでアクセスしようとしたのですが、AL2023では(2025/7/4現在) xrdp パッケージがサポートされておらず、リモートデスクトップでのアクセスは断念しました。
しかしながら、公式ドキュメントに VNC によるアクセス方法が載っていたので、その方法でアクセスすることにしました。
ここではAL2023でのデスクトップの設定、VNCによるデスクトップへのアクセス、デスクトップの日本語化について記しておきます。
(xrdpがサポートされるといいなと思いつつ)
GNOMEデスクトップ環境のインストール
前提条件
- AL2023のEC2インスタンスが作成済みであること
(以下のような記載がありますので、EC2インスタンスの選択に注意してください。)デスクトップ環境には、少なくとも 2.4 GB のメモリが必要です。したがって、適切なパフォーマンスを確保するために、 タイプt2.medium以上のインスタンスが推奨されます。
- AL2023のEC2インスタンスにSSHでアクセスできること
デスクトップ環境のインストール
GNOME デスクトップ環境と関連するパッケージをまとめてインストールします。
sudo dnf update
sudo dnf groupinstall "Desktop" -y
TigerVNC サーバー
インストール
TigerVNC は GNOME デスクトップ環境に含まれているため、インストールの実行は不要ですが、念のためコマンドを載せておきます。
sudo dnf install -y tigervnc-server
設定
-
VNCパスワードを設定します
vncpasswd
コマンドを実行するとパスワードの入力が求められますので、パスワードを入力します。
また、 readonly とするか否かを聞かれますのでn
を入力します。 -
ec2-userのパスワードの設定、または画面ロックの無効化します
- ec2-userのパスワードを設定する場合は次のようにします
このパスワードは、VNCパスワードと異なっても構いません。
sudo passwd ec2-user
このパスワードは、ロックの解除など、GNOME上で使います。 - 画面ロックを無効化する場合は次のようにします
gsettings set org.gnome.desktop.session idle-delay 0
- ec2-userのパスワードを設定する場合は次のようにします
-
ユーザーに表示番号を割り当てます
sudo vi /etc/tigervnc/vncserver.users
ec2-user に 1 を割り当てる場合、以下の内容を追加します。
:1=ec2-user
-
必要に応じて設定ファイルを編集します
sudo vi /etc/tigervnc/vncserver-config-defaults
私は以下の設定を追加しましたここでは画面サイズを 1280x800 にしています。
session=gnome securitytypes=vncauth,tlsvnc geometry=1280x800 localhost alwaysshared
VNCサーバーの起動
上記で設定した表示番号に対応したVNCサーバーを起動します。
sudo systemctl start vncserver@:1
インスタンス起動時にVNCサーバーを起動したい場合は、以下のようにします。
sudo systemctl enable vncserver@:1
VNCによるデスクトップへのアクセス
任意のVNCクライアントで、AL2023のデスクトップにアクセスします。
ちなみに、私は UltraVNC を使っています。
- SSHトンネルを作成します
ssh -i <keypair> -L 5901:localhost:5901 ec2-user@<address>
- VNCクライアントから localhost:5901 にアクセスします
GNOMEの日本語化
フォント
現状では、日本語に対応するフォントは Google Noto 一択です。
google-noto-cjk-fonts をインストールすることで、日中韓に対応した Sans と Serif がインストールされます。
sudo dnf install -y google-noto-cjk-fonts
日本語入力
日本語入力も現状では ibus-anthy 一択です。
インストールのコマンドの後は、
-
ibus-anthy をインストールします
sudo dnf install -y ibus-anthy
-
Settingsを開いて、以下のように設定し、日本語入力を有効にします (この操作はデスクトップにアクセスして行います)
キーボード
私の環境ではそのまま使えているためここでは触れません。
他の情報を参考に適宜設定してください。
参考