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NTTコムウェアAdvent Calendar 2024

Day 15

エンタープライズアーキテクチャって何?味見してみた

Last updated at Posted at 2024-12-14

※この記事はNTTコムウェア Advent Calendar 202415日目の記事です。

はじめに

 みなさん、こんにちは!NTTコムウェア入社6年目の佐藤克哉です。入社してから金融系のお客様先に常駐しプロジェクトマネージャーとして業務に携わっており、現在は2024年7月よりビジネスアナリシス(ビジネス上の要求とITソリューションを繋ぐための考え方)に関する支援や人材育成を推進している担当に所属しています。

 7月より新たな担当になったこともありますが、会社全体の変革や、世の中の急速な変化に直面していて、「もっとスキルを磨かなきゃ!」という気持ちが強くなっています。特に、今までプロジェクトマネージャーとしてQCD(品質、コスト、納期)を守り、お客様にシステムをお届けすることが重要と捉えて業務に励んでいましたが、組織からは「お客様目線でシステムを作れ」「お客様に価値のあるものをつくれ」と声が上がることもあって、正直なところ、どうやってその要求に応えればいいのか悩んでいました。

 そこで今回、エンタープライズアーキテクチャ(EA)を学ぶことで、お客様へ本当に価値のあるものを提供するためには何が必要かを考えるヒントにしたいと思っています。正しく正確に作る(QCDを守る)ことに加えて、正しいものを作る(価値のあるものを作る)ための新たな目線を広げるチャンス!というわけで、EAについて学んだことを少しご紹介させていただきます。

EAの構成と、今回のスコープ.png

エンタープライズアーキテクチャ(EA)って何?

 エンタープライズアーキテクチャ、略してEAって、具体的に何なのか?みなさんも耳にしたことがあると思いますが、「エンタープライズ」は企業全体を指し、「アーキテクチャ」は構造や設計のことです。これはまるで大きな都市を設計するようなものです。
 たとえば、新しい街を作るとき、まずはその街の全体像を考えます。交通の流れ、住宅、商業施設、公園、学校など、それぞれの要素がどのように調和して機能するかを計画する必要があります。EAもこれと似ており、企業のビジネスプロセス、情報、アプリケーション、インフラなど、すべての要素がどのように連携するかを考えて設計を行います。
 また、EAは建物の設計図とも言えます。建物を建てるためには、まずは設計図を描かなくてはなりません。設計図があれば、どんな材料を使い、どのように構築するかが明確になり、建物が安全で機能的になります。同様に、EAは企業が目指すビジョンや戦略を実現するための道筋を示してくれます。

 EAを通じてビジネスプロセス、情報、アプリケーション、インフラの整合性を保つことができるようになります。ビジネス戦略に基づいた統一的なアプローチを考えることで、部門の壁を越えて全体最適を追求できるのが、EAの魅力かもしれません。
 さらに、EAにより、エンタープライズのフワッとした曖昧な世界を視覚化し、誰かの頭の中に存在するアイデアやコンセプトを具現化することが可能になります。すなわち、複雑なプロセスや情報フローを明示化することで、組織全体が同じ方向を向いて動きやすくなっていきます。

 ただ、日本でEAが普及し始めたのは、2000年代初頭なのですが、その後は少し停滞気味だったりもしました。最近になってまた注目されているのはなぜなのでしょうか。

なぜ、今EAなのか?

 クラウドコンピューティングやAI、ビッグデータの登場で、企業の運営がダイナミックに変化しています。これらの技術に対応しないと、生き残れない時代が来ているのです。お客様からのオーダーも多様化してきて、「QCD」という考え方だけでは太刀打ちできなくなってきました。

 特に、デジタルトランスフォーメーションを進める多くの企業において、経営とITの協力が一層重要となっています。EAがその架け橋となり、ビジネス戦略とIT戦略との整合性を保つための基盤を提供します。顧客目線での業務運営を推進するためにも、EAは活躍します。

 EAとは単なる手法やフレームワークではなく、企業が将来を見据えて進化し続けるための基盤となるものです。今、このタイミングでEAを学び、さらなる能力を磨くことで、私自身も変革の波に乗り遅れないよう行動していきたいです。

具体的な手法は何?

 有名なフレームワークとしては「ザックマンフレームワーク」と「TOGAF」がありますが、所属組織では、TOGAF認定者が多くノウハウを身に着けやすいことから、「TOGAF」を学ぶこととしました。

 TOGAFとは「The Open Group Architecture Framework」の略です。特徴は、アーキテクチャ開発プロセス(ADM: Architecture Development Method)を通じて、企画から実装、管理に至るまでのプロセスを整理できるところです。具体的には、ビジネスアーキテクチャや情報システムアーキテクチャ、技術アーキテクチャなど、さまざまな側面から組織全体を見渡すことができます。そして、これを土台にして、ビジネスニーズに合致したITシステムを効率よく設計・実施していきます。

 TOGAFを学ぶことで、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)をよりスピード感を持って実現するための基盤が得られると考えています。フレームワークを理解することにより、さまざまな視点から見えるプロジェクトの構造や要件が明確になり、効率的に進めるための仕組みを築けると期待しています。しかし、これが本当に実務にどのように役立つのかは、実際のプロジェクトを通じて学んでいきたいです。

まとめ

 というわけで、最初に思っていた「エンタープライズアーキテクチャって何だ?」から始まり、EAの重要性、具体的手法について考えてきました。やはり、EAは単なる理論ではなく、実際のプロジェクトに役立つものだと思いました 。ビジネスとITのコミュニケーションを円滑にし、正しいものを作るための強固な基盤を築く道具だと思いました。

 EAが何か、どのように活用できるかの理解を深め、一丸となって進めていく必要があります。また、連携を強化し、さまざまな部門でEAの重要性を伝えていくことも必要だと感じているため、私の担当がその中心となって推進していけるように貢献していきます。

 これからの自分の目標は、学んだことを社内に展開し、実案件を通じてその先のお客様に価値のあるものを提供していくことです。やることや、学ぶべきことは山積みですが、EAを通じてビジネス側とIT側の間に架け橋を作り、持続可能で競争力のある企業をめざしていきたいと思います(目標は大きく!!)。

 EAは一過性のものではなく、継続的に見直し、進化していくもの。これからも常に学び続け、変化に対応していくつもりです。皆さんも一緒にこの道を歩んでいきましょう!

 記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。

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