IT企業の皆様、自社のPR・広報に悩んでませんか?
そんな仕事に直接は関係ないエンジニアの皆様も、自分たちの面白さが伝わらず、楽しくなくなっていませんか?(せめてもとQiitaアドカレに必死に吐き出してませんか?)
処方箋となり得る"技術広報"をご存知ですか?
※この記事はNTTコムウェア Advent Calendar 2023 25日目の記事です。
メリークリスマス https://qiita.com/advent-calendar/2023/nttcomware
NTTコムウェアのKoDAMAと申します。スクラムマスターや巨大システム開発のエンジニアから、広報や最近は生成AI利用促進など色々やってきた中堅サラリーマンです。
エンジニアと技術広報を結びつけたく本記事を書きました。
さて、技術広報とはその名の通り技術、エンジニアを起点とした広報とも言えます。
この技術広報は一般の企業広報と何が違うのか?ただの技術のプロモーションなのか?
もちろん違います。
それではまず、技術広報の主な目的と施策から説明します。
1.技術広報が行われる目的は大きく2つ
◆採用
技術広報は"経験者採用"の側面から多くは行われます。
新卒も経験者もエンジニアの採用は難易度が増しています。待遇以外にも、エンジニアは同じような仲間と思いを分かち合える組織に惹かれます。
こんな技術者の居る会社、こんな風に技術者が情報発信する会社、
"居心地が良さそう" というイメージは大きなPRになります。
◆マーケティング
技術広報は"サービス・プロダクトのマーケティング"の側面からも多くは行われます。
サービス・プロダクトの認知を広めるのは一筋縄ではいきません。直接PRする以外にも、違う角度からPRする手段になり得ます。
こんな面白い技術が使われているなら、こんな技術者が支えるサービスなら、
"今後も更に期待できそう" というイメージも大きなPRになります。
当然どちらも結果的には、企業PRにもつながります。
2.技術広報の施策も大きく2つ
◆イベントやコミュニティ支援
エンジニア向け主催イベントから、有識者のイベント登壇、やっぱり人が話せば伝わります。
分かりやすいものでは、AWSやGoogleもエンジニア向けイベントを全体のイベントとは別に行っていますよね。
connpassなどのイベント管理サービス上にも沢山のイベント開催情報があります。
更にはこれらイベントを行える技術者コミュニティ、カンファレンスへの支援・協賛も含まれるでしょう。
◆ブログや記事のWeb制作
ある種の技術や手順を検索すると出てきやすいクラスメソッドさんを始め、技術ブログを多数Web公開している企業もあります。このようなQiitaのアドカレへの参加にしても、エンジニアにとっても会社の資料ではなくインターネット向けにアウトプットするのも大事ですよね。
記事広告でもエンジニアへのインタビューなどもこれにあたるでしょう。
3.企業の広報ともサービスの宣伝とも異なる営み、どうやって始めるか?
目的も施策も調べればもっと色々な情報は出てきます。しかし、どうすれば始められるのでしょうか?
実は技術広報は始めるための壁、継続のための壁が存在します。
この壁があるために、広く行われていないと私は思っています。
壁1
どこの誰がやるべきなのか?1で述べた目的に紐づけると採用とマーケではKPIが全く異なる物になります。ただでさえ悩ましい広報のKPI設定、ここが難しい壁①です。
個人的な私見ですが、企業の色合いにもよりますが採用との方が紐づけやすい印象があります。採用目的に見える技術広報の方が継続されている印象もあります。(そう見えているだけで実際に各技術広報さんに聞いたわけではありません)
IT業界、特に専門分野を持ったエンジニアの人手不足が進むいま、こうした差別化から始めるのも有益な選択肢になるでしょう。
(IT知識を世の中に提供する企業の社会的貢献の座組も考えられますが、尚更KPIが設けにくいので除外しました)
壁2
壁①を乗り越え技術広報を始める座組を設けられたとしても、継続するための難しい壁②があります。
もしも、技術に愛があり、エンジニアに気持ちよく協力して貰う事ができて、かつ広報・マーケティング的なスキルもあるAさんが技術広報を担当したとしましょう。その場合はAさんが異動や転職すると継続できなくなります。技術広報が立ち消えがちな要因の1つです。
このような事態を防ぐためにも、技術広報の理想的な姿はエンジニア側のコミュニティ的な輪がエンジンとなり、Aさんは入れ変わっても成立する状態だと言えるでしょう。
エンジニアは技術愛の無い依頼が嫌いです(私自身調べ)技術広報に関する業務がただの作業にならないように、コミュニティで愛を補完しあえる状態は1つの理想郷になるでしょう。
4.まずできること
ここまで大枠を述べてきましたが、さて、エンジニアの人は何ができるのでしょうか?
それは協力です。登壇したり記事を書いたりするのは上述のAさんではなく、エンジニアです。技術広報に関わる時間を絞り出して、技術を提供する。
どんな施策を行うにしても、見せ方や段取りは上述Aさんのような技術広報担当者が支えてくれます。
エンジニアの技術への愛を見せつけるだけでいいのです。
リアルに人前に出るのは躊躇する方もWeb上に是非何かを出してみて下さい。インターネット上に出て人に認められるのは、悪い気持ちではないはずですし、そもそもインターネットは集合知のツールだったはずです。
5.まとめ。エンジニアの為になる技術広報。
技術広報ポエムを何故私は突然Qiitaに書いたのか?
それは、技術広報でスポットライトを浴びたり、組織が面白くなったり、利点を得るのが(そのために実際に頑張るのも)まさにQiitaのアドカレに投稿するようなエンジニアの人たちだと思うからです。
多くの会社で技術広報に関わる人が増えれば、ITがもっと世の中に伝わりやすくなるはず、そしたらもう少し私たち、ITが好きでたまらない(ITリテラシーが低いニュースを見ると悲しくなる)人たちにとっても、過ごしやすい幸せな世界になるのではないでしょうか。
明確に技術広報の旗印でなくても、そんな色のする企画には、ちょっと面倒でもぜひ協力してください。
それでは、また。
※記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。