※この記事はNTTコムウェア Advent Calendar 2024 9日目の記事です。
https://qiita.com/advent-calendar/2024/nttcomware
自己紹介
NTTコムウェアの伊藤です。社内では、開発プロジェクト向けに品質向上に関する技術支援を行っており、特に探索的テストというテスト技法を活用した支援を行っています。
2023年4月から産休育休を取得し、2024年2月からフルタイムで復帰しています。
前書き
育休から復帰したほとんどの方は仕事と家事育児の両立について一度は悩まれるのではないでしょうか?
特に、エンジニアとして働いている場合、仕事の時間だけで技術的なスキルの習得までをカバーすることは難しい状況に置かれることもあり、かといって以前のようにスキルアップの時間を確保するのが難しくなっていることに不安を感じる方も多いと思います。
今回は、自身が育休から復帰後の3ヶ月間(2024年3月初旬~2024年6月初旬)で、2つ資格を取得した経験をもとに、家事や育児と自身のスキルアップを両立させるために、心にとめておく必要があると感じたことについて話したいと思います。
仕事と育児の両立の大変さは人それぞれだと思います。仕事内容、子供の性格、人数、自身や家族の働き方など、大変さにつながる要素も様々ですし、その大変さをどう感じるかも人それぞれです。一つの経験談として読んでもらえればと思います。
この記事では、取得した資格ならではのノウハウについては書いていません。
取得した資格
資格名 | 試験日 | 申込日 | 試験形式 | 会場 | 学習期間と学習時間 |
---|---|---|---|---|---|
AWS Certified Machine Learning - Specialty | 2024/3月末 | 2024/2月末 | PC(テストセンター) | 自宅 or テストセンター会場 | 3月初旬から3月末35h程度 |
JCSQE(初級) | 2024/6/8 | 2024/4月初旬 | マークシート形式 | 近隣の受験会場 | 4月中旬から6月初旬45h程度 |
考えたこと
計画を立てる際には、悲観的な要素は考慮し、楽観的な要素は考慮しない
- 悲観的な要素
- 進捗を遅滞、停止させる要素
- 子供や家族(自分含む)の病気
- 予期せぬ家事・育児の負担増など
- 進捗を遅滞、停止させる要素
- 楽観的な要素
- 進捗を捗らせる要素
- 期限の直前にまとまった時間が取れる
- 長期休暇がある
- xxのタスクが終わる分、時間が取れるなど
- 進捗を捗らせる要素
初めからなんだか悲しい話になりましたが、要は子育て中ならではのリスクを考慮し、十分なバッファーを積んでおこう、という話です。
悲観的な要素については、主に家族の病気が大きなリスクになります。家族全員健康に何ヶ月も過ごせると考えるのは(少なくとも自分の場合は)楽観的な考えだと思っています。自分だけが風邪をひいてもだいたい2-3日で治り、すぐに復帰できますが、家族が順番に風邪をひいていった場合だと、2週間以上何も手をつけられない可能性もあります。
逆に楽観的な要素については、子供のいる生活ならではの予想外のことで簡単に無くなってしまうので、元々考慮に入れず、時間がとれた場合は「ボーナスステージ」くらいの心構えがいいと思います。あと、楽観的な要素に長期休暇を入れていますが、むしろ子育て中は、以前と異なり長期休暇にまとまった時間が取れないこともあります。
ざっくりと1日あたり学習にあてられる時間と、だいたい予想される総学習時間から学習に必要な日数を割り出しておき、そのとき算出される学習期間の2倍程度余裕をもつと自分はちょうどいいくらいでした。
期限やマイルストーンを決める
忙しいと、期限のないタスクは後回しにされがちで、なかなか着手されません。特に小さい子供に関するタスクは、たいてい優先順位は「高」になりますし、期限も「今すぐ、むしろタスクが発生した時点で期限切れ」のようなタスクが多いので、この中に混じった期限の無いタスクはなかなか着手されません。
最初に期限やマイルストーンを決めてしまうことで、タスクの優先順位が上がり、時間を有効活用(ある意味無理矢理ともいう)できるようになります。
例えば資格取得などだと、受験日を最初に決めてしまい、申し込んでしまう方が捗ります。最近はCBTなどで自由に受験日を決めることができ、便利ですが、「いつでも受験できるから準備ができたら申し込めばいい」というスタンスでいると、永遠に受験日はやってこない、ということが起こる可能性があります。
逆にいうと、期限や達成内容、マイルストーンを決めづらい内容についてはなかなか進めるのが難しいです。何かスキルアップを始める際には期限やマイルストーンが決めやすいものをまずは選ぶと良いと思います。
取り組みやすいものから始める
前述した、マイルストーンの話でもありますが、スキルアップについて子育て中に取り組みやすいもの/取り組みにくいもの、は確実に存在します。まずは何をしたいかではなく、何ができるか、から考えるのもいいと思います。
取り組みやすいものから始め、徐々に難しいものギアチェンジすると挫折がなくスムーズにいく気がします。
取り組みやすいもの | 備考 |
---|---|
すきま時間にできる | まとまった時間をとることが難しいため。特に、急に中断でき、中断しても復帰しやすいものが望ましい |
自身が既に持っている知識を活用できる | 全く新しいことを始めるには想像以上にエネルギーが必要なため。うまくいかないことも多い。そのストレスを受容できる余裕があるか |
学習方法が確立されている | 例えば学習プラットフォームが既に確立されているものなどは、それを進めていけばある程度のスキル獲得は保障されているので取り組みやすい |
受動的に実施できる | 能動的に実施するものは、中断すると復帰しにくいため。例えば読書とイベント聴講(録画)だと、イベント聴講(録画)の方が取り組みやすい |
それでも難しければ一旦やめてみる
どのようにスキルアップを達成するか、ということについて考えてきましたが、一定期間休止する、というのも選択肢の一つだと思います。どうしてもまとまった時間を確保するのは難しく、限られた時間内でやれることは限られてきます。
一旦休んで、余裕ができた時に向けた充電期間として捉えるのも一つの前向きなアプローチと言えるのではないでしょうか。