もはや、かなり厳しい状態になってしまいますが、iBook Clamshell Firewire SE (466 MHz, DVD) に Ubuntu MATE 入れるというお話。
まず、Server 版であっても、現在入手できる Ubuntu PowerPC のバージョンだと ISO イメージが 640 MB を超えているので、それを 700 MB CD-R に焼いて内臓 CD ドライブで読み込ませようとしても、かなりの高確率で読めないか途中で読み込みエラーになります。
つぎに、iBook Clamshell / Dual USB では USB ブートができないので、外付けドライブでブートするには Firewire が必要になります。
このため、iBook Clamshell の場合は実質 "Firewire SE 466 MHz" の DVD ドライブ搭載モデルでないと「インストールするのがかなり厳しい」です。
| 概要 | |
|---|---|
| マシン | iBook Clamshell SE (Firewire) |
| CPU | PowerPC 750cxe 466 MHz |
| メモリ | 64 MB (OnBoard) + 512 MB (PC-100) |
| 内臓ディスク | PATA/IDE 2.5" HDD (4200 rpm) 10 GB |
| 内臓 DVD | 4x DVD-ROM |
| 要件 |
|---|
| 1. インストール中にアップデートなどの取得を行う場合は、iBook の内臓 Ethernet でインターネットにつながること。 |
| 2. インストール DVD ディスクはあらかじめ焼いておくこと。(ubuntu-mate-16.04.1-desktop-powerpc.iso) *1 |
| *1 →Ubuntu MATE 16.04.6 LTS (Xenial Xerus) |
1. LIVE ディスク起動
[option] を押しながら電源入れてブート選択が出てからディスク入れて起動するか、手早くディスクをセットして [c] キー押しながら起動。
デスクトップにアイコンが見えてから Welcome が表示されるまで、3 分ぐらいかかります。Welcome が出る前に何か操作しても激遅いだけで大したことはできないと思われるので、おとなしく何もしないで待ちましょう。
2. インストール
- "ようこそ" で日本語を選んでからインストールを開始。
- "Ubuntu のインストール準備" で、[Ubuntu MATE のインストール中にアップデートをダウンロードする] と [グラフィックス、Wi-Fi機器、Flash、MP3やその他のメディアに必要なサードパーティーソフトウェアをインストールする] の両方のチェックを ON にするほうがいいのですが、このオプションを選んだ場合のインストール時間は 150 分越えになるかと思います。
- "インストールの種類" で、[ディスクを削除してUbuntuをインストール] するしかないでしょう。ディスクは 10 GB しかありません。
- "キーボードレイアウト" は、日本語 - 日本語。
3. インストール後のいろいろな設定
iBook Clamshell の場合は何もしなくても内臓スピーカーから音が出るので、その点はラクですね。
0. 最新の状態にする
60 分越えます。
sudo apt update
sudo apt upgrade
1. AirMac Classic (PCMCIA) で Wifi 接続可能にする
AirMac カードを持っている場合はそれを使えるようにしてみましょう。使えるようにするにはいろいろな方法があるみたいなのですが、だまされてはいけないのは b43-fwcutter を入れるというものです。PCMCIA の AirMac カードには Broadcom は入っていないと思います。いろいろ調べていくとわかるかと思いますが、結果的につぎのことをするのが一番確率が高いのではないかと思います。
sudo apt install wicd
sudo apt remove network-manager
その後、再起動します。
2. mouseemu を入れる
iBook Clamshell の場合、トラックパッドはマウスとして認識されています。これを普通にトラックパッドとして使うには、かなり面倒な作業になる感じのようです。そこで、mouseemu を入れて右クリックをキーボードのキーに割り当てることによって、手っ取り早く不便利な状況を切り抜けるのがラクかと思います。
sudo apt install mouseemu
その後、再起動します。デフォルトで、マウスの右ボタンは [F12] に割り当たっています。
3. Mozc が見つからないのであきらめて Anthy 入れる
Ubuntu 16.04 LTS の場合は、日本語入力で Fcitx + Mozc がデフォルトということなんだけど、PowerPC だとどう見ても Mozc が入ってない。定番の sudo apt install ibus-mozc やってもダメ。仕方がないので ibus + anthy を入れてみます。
sudo apt install ibus-anthy
4. Firefox をカスタマイズする
とにかく動きが遅いので、カスタマイズして動作を軽くしておくほうがいいかと思います。
・起動時に空白ページを開く。
・新しいタブを空白にする。
・ホームを about:blank にする。
これだけでもかなり状況は変わるのではないかと思います。
5. 最後に
300 MHz の機種では結果的にダメでした。xorg.conf どれだけいじり倒してもダメでした。ATI Rage 128 か Rage Pro LT あたりが最低要件っぽい感じですね。