時は 2019 年。何を今さらな話なのですが、iBook G4 に Ubuntu MATE 16.04 LTS を入れるというお話。ノスタルジアだね。
環境など
概要 | |
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マシン | iBook G4 (A1134, M9848J/A) |
CPU | PowerPC 7447a (G4) |
メモリ | 512 MB (OnBoard) + 512 MB (PC-2700) |
内臓ディスク | PATA/IDE 2.5" HDD (4200 rpm) |
内臓 DVD | 4x SuperDrive |
グラフィック | AGP 4x ATI Radeon 9550 with 32 MB of SDRAM |
要件 |
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1. iBook の内臓 Ethernet でインターネットにつながること。 |
2. インストール DVD ディスクはあらかじめ焼いておくこと。(ubuntu-mate-16.04.1-desktop-powerpc.iso) *1 |
*1 →Ubuntu MATE 16.04.6 LTS (Xenial Xerus) |
1. LIVE ディスクを起動
- [option] を押しながら電源入れてブート選択が出てからディスク入れて起動するか、手早くディスクをセットして [c] キー押しながら起動。ちなみに、Lubuntu すら desktop 版を入れるにはインストール時に 384 MB 必要と言ってるので、メモリを 512 MB 積んでないとどうなってしまうのかは不明。
- いきなり洗礼を浴びる。真っ黒コンソールで boot: が出てきたら、live radeon.agpmode=-1 と入力して起動を続ける。(PPC Mac で Radeon に特有な話)
2. インストール
- "ようこそ" で日本語を選んでからインストールを開始。
- "Ubuntu のインストール準備" で、[Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする] と [グラフィックス、Wi-Fi機器、Flash、MP3やその他のメディアに必要なサードパーティーソフトウェアをインストールする] の両方のチェックを ON にしないとマジ厳しい。後からパッケージの追加とかトラブルシュートとか、結構やってらんない。
- "インストールの種類" で、[ディスクを削除してUbuntuをインストール] しちゃいましょう。2019 年という今とあっては、もうメイン機にはなり得ないし。ただ、残したいものがあるときには [それ以外] を選んでカスタムでパーティション設定するしかないですね。
- "キーボードレイアウト" は、日本語 - 日本語。
3. インストール後の初回再起動 (PPC Mac で Radeon に特有な話)
- 真っ黒なコンソールが出たら、[l] を押して進み、boot: ですかさず、boot:
Linux radeon.agpmode=-1
を入れて起動する。 - 起動したら、ターミナルを立ち上げて、真っ先に vim を入れる。
sudo apt-get install vim
これは、conf いじろうとして vi 立ち上げたはいいが、方向キー押してゴミ入る問題を速攻で回避できる手段だから。 - yaboot.conf を書き換える。
sudo vi /etc/yaboot.conf
。imaage=/boot/vmlinux の下にある append に radeon.agpmode=-1 を加える。append="quiet splash radeon.agpmode=-1"
-
sudo ybin -v
を実行して、yaboot に反映したら即再起動。reboot
4. その後のいろいろな設定
0. まず、最新にしておく
2019/3 時点で 16.04.6 にまで上がりますね。
sudo apt update
sudo apt upgrade
1. AirMac Extreme で Wifi 接続可能にする
Late 2004 以降の iBook G4 では AirMac Extreme カードが標準で入ってるので (ただし、カードが抜きとられた中古を入手したとか不幸が起こっていなければ。)、これを動くようにして Ethernet ケーブル接続からおさらばしちゃいましょう。
ちなみに、"AirMac" の名前は商標絡みで日本だけそうなってる。他の国では "AirPort"。ググるときに要注意。
sudo apt-get install firmware-b43-installer
その後、再起動すると使える。
2. エラー報告ダイアログがウザいので OFF る
まず、サービスを止める。
sudo service apport stop
続いて無効にする。
sudo vi /etc/default/apport
enabled=0
にして保存したら再起動する。
3. レポジトリを追加しておく
Ubuntu Japanese Team のレポジトリを追加しておく。ただ、PowerPC だと効果あるのかはわからず。
wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/xenial.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
sudo apt update
sudo apt upgrade
4. Mozc が見つからないのであきらめて Anthy 入れる
Ubuntu 16.04 LTS の場合は、日本語入力で Fcitx + Mozc がデフォルトということなんだけど、PowerPC だとどう見ても Mozc が入ってない。定番の sudo apt install ibus-mozc
やってもダメ。仕方がないので ibus + anthy を入れる。
sudo apt install ibus-anthy
5. iBook G4 本体の内臓スピーカーから音を出す
Why do I have no sound? によれば、モジュールが blacklist にあるから、音が出ないらしい。
https://ubuntuforums.org/showthread.php?t=2196554 に沿って設定すればいいらしいのだけど、とりあえず、sudo vi /etc/modules
で一番下に snd-aoa-i2sbus
を突っ込んで再起動すればモジュールはロードされる。
しかし、その時点で音は出てない。何でよと思って調べてみたら、ボリュームがデフォルトで 0 な項目があるらしく、alsamixer
を起動する。
見ると、一番右の PCM が 0 になってるのでこれをとりあえず 50 にしてみる。
すると、音が出た。Firefox 立ち上げて Yahoo! Japan の動画ニュース再生して音声聞こえてきますね。ただ、さすがにマシンは轟音唸るし再生もブチブチ(笑)
5. 最後に
お遊びするなら、iBook G4/PowerBook G4 よりも ~2010 までの Macbook 旧シリーズ使うのがいいでしょうね。2019 年とあってはマシンのオークション価格とかもあんまり変わらないし、MacBook は Intel 入ってるし。Intel なだけで使える情報量の多さが桁違いに多くなりますね。ただ、OS X Tiger/Leopard よりは使える今どきなソフト (アプリ) もそこそこありそうなので、その意味では無価値というわけでもないのかも。