sig_atomic_t型について
鉄腕
鉄腕アトムと聞くと高田馬場駅を思い出されます。
なぜかは調べてみてください。
ラララ~ ラララ~ ラララ~
目次
1. sig_atomic_tとは
sig_atomic_t
は、C言語(およびC++)で使用される特別なデータ型で、シグナル処理の文脈でのアトミック(不可分)操作を保証するために設計されています。
この型は、<signal.h>
(C言語)または<csignal>
(C++)ヘッダファイルで定義されています。sig_atomic_t
型の変数への読み書きは、シグナルハンドラとプログラムの他の部分との間で、割り込みが入らずに一つの操作で完了することを保証します。
わかりやすく書くと『シグナルを受け取った時に、安全に読み書きができる特別な種類の変数』という意味です。
sig_atomic_tの単語の意味
sig_atomic_t
の名前は、「Signal Atomic Type」の略です。
「Signal」は、この型がシグナル処理の文脈で使用されることを指します。
「Atomic」は、「分割不可能な」や「一つの単位として扱われる」という意味で、sig_atomic_t
型の変数への読み書きが途中で割り込まれることなく、一連の操作として完結することを意味しています。
つまり、sig_atomic_t型の変数に対する操作は、中断されることなく始めから終わりまで安全に行われることが保証されています。
2. volatileとの関係
volatile
型修飾子は、プログラミング言語(特にCやC++)において、変数が予期せずに変更される可能性があることをコンパイラに伝えるために使用されます。
この型修飾子が変数に適用されると、コンパイラはその変数の値がいつでも変更され得ると仮定し、その変数に対する読み込みや書き込み操作を最適化しないようにします。
つまり、プログラムがその変数を使用するたびに、コンパイラは直接メモリからその値を読み取るか、または直接メモリに値を書き込むようにします。
参考
volatile
volatileの単語の意味
volatile
は「揮発性のある」や「不安定な」という意味ですが、プログラミングの文脈では「予期せずに変更されうる変数」という意味で使われます。
volatileとsig_atomic_tの関係
sig_atomic_t型の変数は、シグナルハンドラとプログラムの他の部分との間で安全にデータをやり取りするために設計されています。
一方で、volatile型修飾子は、その変数が予期しない方法で変更されうることを示すために使用されます。
シグナルハンドラ内でsig_atomic_t型の変数を使用する際にvolatile型修飾子を併用することは、その変数がシグナル処理によって予期せず変更され得るという事実をコンパイラに伝え、適切な読み書き操作が行われるようにするために有効です。
特性/役割 | volatile |
sig_atomic_t |
---|---|---|
目的 | コンパイラに変数が予期せずに変更され得ることを通知する。 | シグナル処理中の変数への読み書きが一回の操作で完了することを保証する。 |
役割 | 最適化による読み書きの省略を防ぎ、毎回直接メモリから値を読み書きするようにする。 | シグナル処理と通常のプログラム実行の間でのデータの安全なやり取りを確実にする。 |
使用シーン | - 外部イベントや割り込みによる更新 - マルチスレッド環境での変数共有 - ハードウェアからのデータ読み取り |
- シグナルハンドラ内で使用する変数 - シグナル処理と通常のプログラム実行間のデータ共有 |
コンパイラ最適化 | 最適化を抑制し、変数の読み書きを直接行う。 | 特に指定なし(型自体は最適化の抑制ではなく、操作のアトミック性を保証)。 |
例 | volatile int flag; |
sig_atomic_t flag; |
まとめると
volatile
+ sig_atomic_t
= 安全かつ予期せず変更され得る変数の、安定した扱いをする型。
です。
3. コード例
#include <signal.h>
#include <stdio.h>
volatile sig_atomic_t flag = 0;
void signal_handler(int sig) {
flag = 1;
}
int main() {
signal(SIGINT, signal_handler);
while (!flag) {
// メインループの処理を続ける
}
printf("SIGINT received, exiting.\n");
return 0;
}
この例では、SIGINT(通常はCtrl+Cによって生成される)シグナルを受け取ると、flag変数が1に設定され、プログラムが終了するまでのループを抜けることができます。
flagがvolatile sig_atomic_t型であることにより、シグナルハンドラ内でのこの変数への書き込みが安全に行われることが保証されます。
4. おわりに
あんまりよくわかってなかったので、理解できてよかったです。
正直これ外したから、バグったという経験がないので、もしもコードバグるコード例があればコメントに書いていただけると助かります。