電子工作をこれから始めるうえでまだ早い話題かもしれませんが、いろいろな「やりたいこと」をみなさんに聞いてみると「IoT」がゴールだったりするので、まずはIoTについて綴りたいと思います。
ほぼ己への備忘録的な目的のまとめ記事です(専門家ではないので解釈ずれてるところありましたらご容赦ください)。
IoTとはなんぞや
まずは大御所NTTコミュニケーションズさんの表現する「IoTとは」
IoT(Internet of Things)は、あらゆるモノをインターネット(あるいはネットワーク)に接続する技術であり、日本語ではモノのインターネットと訳されます。
出典:https://www.ntt.com/bizon/glossary/e-i/iot.html
インターネットの技術を経由して物理デバイスで何らかの動作をさせる、データをとる、そのような技術のようです。とはいえ「IoT」というものは最近できたものでもなく、昔は「データロガー」という名前があったそう。今でもデータを集めて保存するシステムがそう呼ばれていますね。
遠隔で、何かをコントロールする、何かを動かす。そのためにインターネット経由で通信しているものとでもざっくりイメージできればいいと思います。
電子工作の上でこれから進めるIoTのイメージ
世の中の企業様方が作っているIoTはこのとおり、インターネットを介して「モノ」(センサやアクチュエータ、ほかにも人や家電、さまざまな物理的なもの)を動かしています。インターネットでいろいろな情報を集め、処理するような構造です。むずかしいっすね。
いきなり個人レベルでここまでのものは作れないので(予算や時間や手間が際限ない)、小さくこんなイメージで組み立てます。
【IoTエッジ】 各種センサやスイッチ、カメラなどの入力デバイス、リレーやRCサーボなど各種操作器、ほかラズパイやArduinoなどの処理装置に接続してデータ収集、制御実行します。
【ゲートウェイ(センター装置)との接続】 有線、無線など各種通信システムを使用。IoTエッジから直接クラウドに接続する構成もあります。
【ゲートウェイ(センター装置)】 パソコンやラズパイなどを使用し、複数のIotエッジからの情報を収集します。アプリケーションで処理した後で、IoTエッジの制御実行することもあります。
【クラウド】 データをインターネット公開することで、どこからでもデータ監視できるようにします。(個人的になるべく無償のでやりたいです)
IoTシステムに必要な技術範囲
進めていくうえで獲得していきたい技術をざっくりまとめます(書籍に書かれていることの抜粋)。こういうものの知見を得ていくよ、いきなり製品作るは無理だよ、てニュアンス伝わりますように。実際は少しずつ体験して、理解して、一歩ずつ進めましょう(自分に言い聞かせ)
1 IoTデバイス(IoTエッジ)の開発
・ハードウェア開発では、マイコンなどの小規模プロセッサ技術が必要になる
・小型電池で長時間動作させるための低消費電力化技術が必要になる場合もある
・外部インタフェース開発には、アナログ回路、各種の信号変換回路技術、シリアル通信技術も必要となる
・ソフトウェア開発では、組み込みソフト技術が基本となる。LinuxなどのOS技術が必要となる場合もある
2 通信システムの開発
・有線通信、無線通信いずれも使われる
・通信距離、通信速度、消費電力、実装方法など、特に無線通信では特有の技術が必要になる
3 ゲートウェイの開発
・ハードウェア開発では、IoTデバイス側との通信技術、上位側とのインターネットを含めたネットワーク技術が重要になる
・ソフトウェア開発ではOSの技術が必要
・プログラミングもネットワークを使う技術が必要となる
・クラウドとの接続では、セキュリティ技術が必要
4 クラウドとの接続
・クラウドが提供する機能でアプリケーションを作成する技術が必要
・各種のネットワークサービスを使う技術が必要
・セキュリティの技術が必要
・場合によってはビックデータを扱う技術が必要
IoTエッジについて
IoTシステムを構築する場合にまず必要なのが、IoTエッジ機器です。
ここではセンサやアクチュエータ自身は含みません。
IoTエッジ機器では、次のような機能が必要となります。
1 センサやアクチュエータを接続し制御する機能
・アナログ入力、I2C、SPIなどのシリアルインタフェース機能
・オンオフ制御や、PWMなどの操作機器の制御機能
・カメラの画像転送処理機能
2 上位システムとの通信機能
・単純なシリアル通信、イーサネットLANなどの有線通信機能
・Wi-Fiなどの高速無線通信機能
3 データ処理
・収集したデータの集計、保存などの処理機能
4 表示機能
・センサやデータ、状態などの表示機能
これらの機能について網羅したワンボードマイコンについては、次の記事にまとめます。
ゲートウェイ(センター)で使われる機器
センター装置の基本機能として必要な機能は次のようなものになると想定されます。切れ以外に、それぞれのアプリケーションとして必要な処理はありますがいったん省略します。
1 IoTエッジ機器を接続する機能
・基本的に通信することになりますので、シリアル通信やLAN,Wi-Fiなどの有線・無線の通信機能が必要
・距離が離れている場合や多数のIoTエッジを接続する場合には、LoRa、LPWAなどの長距離無線が必要
2 上位のサーバやクラウドとの通信機能
・インターネット経由での接続になる場合が多いので、LANやWi-Fi機能が必要
・セキュリティ対策も必要
3 データ処理
・多数のデータの集計、保存や統計処理などが必要
・上記のデータをつかって、何らかの予測をすることもあり得る
4 表示処理
・データの処理や予測結果などの通知に、グラフ表示など高度な表示処理が必要
センター装置で使われるのは、ここではPCやラズパイです。
長くなりましたがそれぞれIoTに必要なもの、必要な機能などをまとめました。
次の記事にてエッジ側で使われるデバイスについてまとめます。