python3の除算は型に注意 A//B != int(A/B)

大きな数($10^9$程度)の割り算で、以下のような罠にハマったので解説します。

A//B != int(A/B)

問題点

Python3では/演算子を使用した場合、floatに変換して除算が行われます。
そのため、以下のコードを実行すると問題が生じます。

a = 123
b = 456

A = 10**9 + 123
B = 10**9 + 456

c = a*b/2
d = a*b//2

C = A*B/2
D = A*B//2

print("a*b/2       =",c)
print("int(a*b/2)  =",int(c))
print("a*b//2      =",d)

print("A*B/2       =",C)
print("int(A*B/2)  =",int(C))
print("A*B//2      =",D)

結果は以下の通り、a,bが小さいときには問題ありませんが、A,Bが大きいと結果が一致しません。

a*b/2       = 28044.0
int(a*b/2)  = 28044
a*b//2      = 28044
A*B/2       = 5.00000289500028e+17
int(A*B/2)  = 500000289500028032
A*B//2      = 500000289500028044

原因

python3ではint型は無限の桁数を持つのに対して、float型は有限です、そのため/演算子によりA*Bがfloat型で実行され、大きい数字の場合には以下の様な結果となってしまうのです。お気をつけあれ。

A = 10**9 + 123
B = 10**9 + 456

c = (A*B)
d = float(A*B)

if c != d:
    print("一致しません")
    print("c", c)
    print("d", d)

結果

一致しません
c 1000000579000056088
d 1.000000579000056e+18