M1 MacBook Air に Windows環境を構築
はじめに
長年購入をためらっていたMacBookを購入。
選んだモデルはM1 MacBook Air です。
MacBook Proも候補として考えましたが、動画編集等の作業は行いませんので、高スペックは必要ありません。
軽さは正義、というわけではありませんが、持ち運ぶ際の荷物のことも考え、MacBook Airをせんたくしました。
メインマシンとして使用するわけではなく、あくまでメインは母艦のMac mini、このMacBookはサブです。
しかし、母艦のMac mini(late 2012)に比べ、明らかに性能がMacBookのほうが勝っています。
とても快適ですし、ここまでの性能であれば、Windowsの仮想環境も動かしたい、そう考え始めました。
現在、中古で購入したタワーPCにUbuntuを稼働させKVMでWindows10の環境を稼働させています。
このWindows10に対して、外出先からもリモートデスクトップで接続したりして使っていますが、
レスポンスがよろしくありません。
ここはやはりMacBookにWindows環境を構築し、いつでも手元でWindows環境が使えるようにしたい、
そんな思いから今回の環境構築にチャレンジを始めることになりました。
挫折編
安易に考えていました...
このM1 MacBook、シリコンMacとも呼ばれているらしく、CPUがARMです。
つまり、Intel製のCPUではないので、これまでKVMやVMで使っていたWindowsのISOが
使えないのです。
現在、AppleはまだシリコンMacでWindowsをサポートするとは発表されていません。
では成すすべがないのか?
そこは先人たちが情報を残してくれています。
「UTM」というアプリを使用し、更には、ARM版のWindowsの媒体を用意すれば、
シリコンMacでも稼働できるというのです。
早速挑戦しましたが、結果はNGでした。
詳しい手順等については他の方が投稿されていますので割愛します。
何がNGだったのか。
Windows10も、Windows11も、起動はしました。
ですが、ネットワーク接続ができませんでした。
これはUTMの設定を見直せばなんとかなるとは思いましたが、致命的だったのが再起動とを行うと、起動時にエラーが発生して二度と起動しなくなる現象です。
これは何度も何度も環境を構築し直しても改善できませんでした...
UTM以外にも、VMware Fusionも試しました。
こちらも同じような事象、もしくは起動途中にインストール要件を満たしていないと判断され、インストールすらできないという結果に終わりました。
インストール要件を満たしていない場合の対処方法ももちろん存在し、試しましたが、結局はWindowsが起動するには至らず、インストーラーの途中で無応答になるなどの症状で挫折しました。
妥協編
上記のUTMやVMware Fusionの手順等を調べているときに気づいていました。
唯一、成功している事例が、Parallels Desktopを使用する方法です。
ただし、こちらは無償提供期間があるとはいえ、基本的にはサブスクリプションが必要なアプリ。
年間8,345円かかってしまいます。
UTMとVMware Fusionの失敗で疲れ果てており、物は試しにとParallels Desktopをインストール。
起動するとそのままWindows11のインストールを促され、手順に沿って進めると、あれよあれよという間に、あっけないほど簡単にWindows11が起動しました。
ネットワーク接続も問題なし、母艦であるMacBookとのファイル共有も最初から有効になっているなど、素晴らしい完成度でした。
利用頻度はさほど高くはないのですが、あまりの完成度と感動した対価として、サブスクリプションを購入。
無事にM1 Mac Book AirでWindows環境が起動しました。
おわりに
AppleがなぜARM版Windowsの情報を出さないかについては諸説あるようです。
もうしばらく待てば情報が出てくるかもしれませんし、対応するかもしれません。
そうしたら再度、UTMやVMware Fusionを試してみて、成功すればParallels Desktopのサブスクリプションは1年のみで継続しなければいいだけです。
ちなみに、なぜこんなにWindows環境に固執しているのかというと、「リモートアシスト」機能が使いたいからです。
遠く離れたITに少々疎い親兄弟から質問されることがあり、言葉だけでは通じないので、こちらから遠方の環境に接続し、リモートで設定を見てあげたり問題解決をしています。
そのためにもどうしても「リモートアシスト」機能が必要だったのです。
結局、有償ソフトに頼る結果となってしまいましたが、検証結果は無駄になりませんし、検証の過程で知った、Windows Insider Programの存在も大きな収穫でした。
かなり苦戦し、無償版では期待した結果を得ることができませんでしたが、かなり楽しい検証時間を過ごすことができました。