Azure仮想マシン作成時のストレージパラメータについて考慮すべき点はなに?
仮想マシンのディスクの設定パートですが、以下画面となっております。いまいち直感的に判断できないので各パラメータについて確認した内容を説明します。
まず概要については以下図をご覧ください。
詳細を以降でご説明いたします。
OSディスクの種類
※[エフェメラル OS ディスクを使用する]を有効にしているとVMサイズなどにより
※自動決定されるのでグレーアウトして設定できなくなる。
WindowsのCドライブ、Linuxの"/"が格納されるディスクをここで指定する。
[Premium SSD]
128GBで¥2500くらい。
パフォーマンスが保証されている。基本的にディスクサイズがでかいほどパフォーマンスが良い。ディスクサイズによっては、バースト機能でIOPSやディスクへの帯域が一時的に通常性能の最大約30倍の性能を出せる。正直OSのCドライブやルートパーティションにそこまでのスペックが必要かと考えると要らないと思う。
[Standard SSD]
128GBで¥1000くらい。
[Standard HDD]
128GBで¥650くらい。なんかよく事例としてAzureに移行したらクソ遅くなったっていう話あるけど、SSDにしてなおったってケース多いみたい。
暗号化の種類
ここで設定する暗号化はMSなどのマニュアル上ではSSEと呼ばれる機能の暗号化のこと。Azureのサービスを提供しているデータセンター内の物理リソースであるストレージ機器がテロなどで物理的に損失した際に、該当のストレージハードウェア以外で中身が見れない、中身のデータが流出しないようにする機能みたい。いまいちMSのマニュアルにはっきり書いているの見たことない。OSレイヤではなく、ストレージ機能側による暗号化でこの機能によるパフォーマンス影響はない。選択肢としては以下が存在。
[プラットフォームマネージドキーを使用した保存時の暗号化]
MSが用意した鍵を使って暗号化
[カスタマーマネージドキーを使用した保存時の暗号化]
自分で用意した鍵を使った暗号化
[プラットフォームマネージドキーとカスタマーマネージドキーを使用した二重暗号化]
MSが用意した鍵と自分で用意した鍵を両方使って暗号化
Ultra Diskの互換性を有効にする
OSが乗っかるシステムディスクではなく、データを格納する別ディスクとしてUltra Diskを利用するかのオプション。後から有効化できるし仮想マシン作成タイミングでUltra Diskを付けたいとかの要件が無ければ無効でいいはず。
データ ディスク
データを格納する別ディスクの指定。
実際に画面を進めると以下になる。
[ソースの種類]
ディスクを追加する際、すでに作成済みのスナップショットやBLOBストレージから作成することもできるため、そのためのオプション。
なし:ソースなどを指定せず新規に作成。
BLOBストレージ:事前作成しているディスクイメージのURIを指定して作成。
スナップショット:事前取得しているスナップショットをもとに作成
[共有ディスクを有効にする]
複数の仮想マシンに同時に接続させるためのオプション。クラスタソフトウェアなどで共有ディスクを利用するケースがあるが、利用ケースとしてはその認識でよい。
[ホストキャッシュ]
なし:その名の通り。キャッシュを使わない。
読み取り専用:その名の通り。読み取りデータはキャッシュ上に保管され読み取り時のパフォーマンスが向上する。
読み取り/書き込み:読み取りキャッシュに加え、書き込み時はキャッシュ書き込みによってアプリケーションが書き込み完了ステータスを受け取るので書き込み処理が早くなる。ただし、障害が発生してキャッシュデータが失われた場合、その分のデータが失われる可能性がある。
詳細
[マネージド ディスクを使用]
マネージドディスクはAzure側で管理しているディスクのこと。Azure仮想マシン向けのディスク。
アンマネージドディスクはストレージアカウントを通して作成してページBLOBストレージのこと。
[エフェメラル OS ディスクを使用する]
※注意 この機能を使うとRecovery Serviceコンテナからのバックアップができない仮想マシンが出来上がる。
イメージ的にあんまり可用性の高くないディスクに保存すると考えればよい。Microsoft側はホストサーバにOSディスクを作成するという表現を使っているが、Azure仮想マシンが動いているAzure Hyper-Vのホストサーバのディスク領域を使っているということみたい。
前段の”基本”VM作成画面でVMのサイズを選ぶが、PremiumストレージをサポートしているVMサイズでなおかつ選択したVMの一時サイズがOSで必要な最低限のサイズを満たしているものを選択した場合にのみ利用可能な模様。利用ケースとしては、一時的なサーバだったり、踏み台サーバなどのVMでは有用かと思われる。
なお、これを選択した場合、OSディスクサイズが利用できないVMサイズを選択していた場合には「選択したイメージは、選択したインスタンスの OS キャッシュに対して大きすぎます。」が表示されてこの機能を有効化できない。
さらに、このオプションを使うとポータル画面から仮想マシン停止ができない。
以下のように停止ボタンがグレーアウトしていて選択できない。
さらになお、注意書きにも記載したがエフェメラル OS ディスクを使用している場合、Recovery Serviceコンテナからのバックアップやサイトリカバリ設定ができない。後続の管理タブ画面からRecovery Serviceコンテナの設定を行うのだが、設定したバックアップは「UserErrorBCMUnsupportedEphemeralDisk」と失敗してしまう。
だけど、OSログインしてshutdown -h nowとかは実行できちゃう。
そして/ファイルシステムにテスト的に保存していたデータは消えなかった。なにこれ。。。いまいち機能わかんないわこれまじで。