LoginSignup
33
15

More than 5 years have passed since last update.

字幕オペレーター的タイピング効率化のススメ その1~タイピング編~

Last updated at Posted at 2018-12-19

この記事はリンク情報システムの2018年アドベントカレンダーのリレー記事です。
engineer.hanzomon のグループメンバによってリレーされます。
(リンク情報システムのFacebookはこちらから)

1. きっかけ

実は弊社では秋からアドベントカレンダーをしていて、その当時、「おっ、何か新しいことをしようとしている!面白そう!」と思ったものの、普段IT企業にいるにもかかわらず全くそういった業務をしない自分にとって、この企画はかなりハードルが高く感じたのです。
でも今回、再び全社で募集がかかり、周りからの誘いもあって参加することにしました。
他のみんなのような横文字いっぱいの格好いい記事は書けませぬので、字幕オペレーターである私の業務から結び付けた、タイピングによる作業効率化について20日目担当の@cl_bumpがゆる~く書きたいと思います~!

2. …で、字幕オペレーターって何してるの?

テレビのリモコンに「字幕」っていうボタンがありますよね?
そのボタンを押すと出てくる、聴覚障害者向けの字幕を制作しています。
いわゆる「クローズドキャプション」というやつです。
その字幕にも制作方法が2種類あって

①収録済みの番組映像に字幕を付与し、納品する
②リアルタイムで文字を入力し、字幕を送出する

…というものがあります。
①はアニメ・ドラマをはじめ様々な番組に付与されており、わりと一般的な方なのかなと思うのですが、では、②はどういうことかというと…

そう、スポーツ中継やロケ番組などの生放送番組の対応です。

なので、字幕が出るタイミングでいうと
① 音が出るのと同時に字幕が出る
② その場で入力しているため、音が出てから字幕が出るまで数秒のタイムラグがある
といった感じです。

私は①、②どちらの制作にも携わっているのですが、今回はタイピングに焦点を当てるということで、入力スピードが求められる②の業務で得た内容が主になります。

3. 生放送の入力ってどうやってやるの?

専用のキーボード使ったり、音声認識ソフトを使用したりなど、入力方法はいくつかあるのですが、弊社では、専用の入力ソフトを使い、3人1組でのリレー連携入力(ローマ字入力)を行っています。(※参考)

なんで3人でやるの?と思われそうですが、例えば、単純に1人で入力業務を行うとします。
実際に入力する音声と、自分たちの入力速度を比べてみると…

・某局アナウンサーがニュース等で話す速度  分速およそ350文字
・弊社のタイピング爆速お姉さまの入力速度  分速およそ190文字(変換作業込み)
・入力自体はそんな速くない筆者の入力速度  分速およそ170文字(変換作業込み)
(自分たちの入力スピードは、速記音声の入力結果を参考に算出しました。)

…どう頑張っても追いつけなくないですか??
頭では分かってはいたけど、あまりにも無理ゲーすぎませんか????

弊社の某爆速お姉さまも、最初は音声と同じ速度で入力しているんです。
でも、漢字に変換したり、視聴者が読みやすいように改行したりしていると、どんなに速くても遅れが出てしまいますし、そんなにたくさんは内容を覚えられません。
また、最初に挙げた2つのやり方だと、ある程度の費用・訓練期間が必要となります。

なので3人で分担して入力しようということで、この入力方法が生まれました。
このやり方は入力量が分担できる代わりに「今、誰がどこを入力しているのか」という入力者間での状況把握が必要となるため、入力以外のスキルも必要ですが、分からない用語が出た際に教え合ったりできるという利点もあります。
(スポーツなら競技用語など、ジャンル特有の用語にいきなり遭遇することが多いのです… ってそりゃそうだ、生放送だもん。)

字幕業務でいうと、他にも漢字などの表記が決まっていたり、誰が発言しているのかも特定しなくてはいけないなど、もっとたくさん決まりがあるのですが、それはまたの機会に。

…とまあ、私の業務について簡単に書きましたが、こういう仕事をしている人間が使っている方法なんだなというのを念頭に置いて読み進めていただければ幸いです。
それでは、次は本題であるタイピングの効率化について書いていきます!

4. タイピングを効率よくするには?

タイピングの速度を上げる!!!

…まあ、普通に考えれば、まずはそこですよね(笑)
やはり効率よくタイピングするにはホームポジションを覚えて速く入力するしかないので、実際に弊社の研修でも使用している&個人的にやっていた練習方法を紹介します!

その1. タイピングソフト&サイトを利用する

①ホームポジションを習慣づける

スーパー特打メソッド
ホームポジション習得可否にかかわらず、うちの部署に新人が入ったらまずこれをやってもらっています。
各々に合ったペースでトレーニングできるのと、数字、記号含め細かくポジション練習できるので、タイピング基礎の習得に役立ちます。

②いろんなパターンの入力をして、タイピングに慣れていく

P検定
私の研修当時は、生放送字幕事業立ち上げ時期で情報が少なく手探り状態ということで練習メニューが少なく、基本的にP検定の日本語入力を行っていました。
文章のタイピングなので、業務上必要となる句点入力の練習になったし、1回の入力時間も調整でき、打鍵数に対しての誤打数や正打率が表示されるので指標にしやすいです。
慣れると出題文を覚えてしまいますが…。

e-typing
私はあまり使用していませんでしたが、最近入った新人たちはよく利用しているようです。
サイト内のメニューが充実していて、P検定とは少し違いますが入力結果も出るので、自分の苦手なキーなど、入力傾向がつかみやすいです。

タイプウェル
個人的に3つの中で一番手軽にできて、お気に入り。
(文章量の多さが、どれだけ気に入っているかを物語っている…(笑))
サイトを見るといろいろありますが、私は「タイプウェルR」を使用しています。
打ち終わったタイムが記録で残るのでゲーム感覚でできるし、◯回ミスしたら強制終了~などの設定もできます。

また、タイプミスが多い単語は苦手語句として別メニューで集中練習できます。
同じ単語を、タイムリミットまでに10回打つという、場合によってはちょいスパルタ感…。

私の場合は、ミス制限を10〜15回に設定して各コース一巡できると、その日のメニューはこなせたかなという感じです。
他のソフトは使用したことなかったのですが、今見てみたら活用できそうなのもあったので今度使ってみようかな…!

同業他社では、基本常用語モードで40秒台が合格目安と言われてるとか言われてないとか。
まあでも、60秒を切れるようになれば、基本的なタイピングは問題ないと思います。

その2. アルファベットを10分間打ち続ける

これは、タイピング練習を始めたころに個人的にやっていた練習です。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
abcde…
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
上記のように、10分間ひたすらアルファベットをa~zまで入力します。
当時、私が新人だった頃はまだスーパー特打メソッドが導入されていなかったので、ホームポジションでまんべんなく指を使えるよう、1日に何回も繰り返すというよりは、業務前の準備運動的な感じで毎日やっていました。
何回打てたか毎日記録すると、長期的に成長しているのが分かるので良いです◎

ホームポジションを習得したいけど、ソフトを買うほどでは…って方はこのやり方が良いかもしれないです。
慣れると英字タイピングも楽になるので、アルファベット+記号も取り入れるとプログラミングに生かせるかも…!?

その3. 聞き打ち

読んで字のごとく、音声を聞きながら入力を行います。
聞きながら入力という時点で、まさに私の仕事ならではの練習法だなと思うのですが、この練習法があったからこそ、今のタイピングスピードが身についたのだなと感じています。
使用する音声はニュースでもなんでも大丈夫ですが、まず、音声のスピードが速いので基本的にずっと音声に追いつくというのはどれだけやっても不可能です。
ですが、基本的なタイピングが身についた状態で音声に食らいつく練習を繰り返すことにより、タイピングスピードを向上させることができます。

これはさすがに動画でないと伝わらないと思うので、ご参考までにこちらをどうぞ。


(ちなみにこの動画では、「読み上げ『ゆっくり棒読みトーク』」(Android版iOS版)というアプリでこの項目の最初の段落を読み上げています。)

感覚的な練習になるのですごく分りづらいのですが、単語単位で音声に追いつけなくなったと感じたら打つのをやめて、仕切り直しています。
こういった音声入力を10分間行い、入力結果を見ながら音声を流して入力できた箇所を見直し、また同じところを10分間入力する…といった流れを1か所につき、3回繰り返します。
これを繰り返すことで指が徐々に慣れ、自然と力が抜けた状態で速い入力ができるようになります。

私はこの練習をするまではタイピング時に手に力が入ってしまい、長時間入力すると手を痛めていましたが、脱力状態での速いタイピングを習得したことで入力作業がだいぶ楽になりました。(そもそもタイピングにスピードを求められることってそうそうないし、無理は禁物ですが。。)

この動画見てると「打つの遅くね?」って感じなんですが、普段使用しているちゃんとしたキーボードじゃないのと(ただの言い訳)、自力で撮影するために顎とテーブルでiPhoneを支えて撮影するという愚行をしたのでこのスピード&カメラアングルになっておりますゆえ、なにとぞご容赦を…!

たまにはこうやって動画を撮ることで自分の入力を見直すのはもちろん(その場合は手元も込みでの撮影推奨)、他の人のタイピングを見るのもかなり勉強になるのでおすすめです。

…というわけで、以上の練習方法で、私はホームポジションが全くできていない状態から1年弱分速170文字の入力ができるまで速くなりました!

5. 最後に

タイピングの効率化ということで、本来ならIMEを使用した辞書登録などを扱いたかったのですが、ボリュームがやばいことになりそうなので今回は断念しました。。
…が、私の入力スピード向上のカギはIMEちゃんなので、次回はそれについてたっぷり記事を書きたいと思います!乞うご期待!
(今回いろいろ紹介したものの、私は研修で扱ったものしか触ってこなかったので、もしおすすめの練習法やタイピングサイト&ソフト等あれば教えていただけたら嬉しいです…!)

今回参加してみて、改めてタイピング練習について見直すことができたので良かったのと、技術系に疎い分、記事を書くだけでも一苦労だったけど貴重な経験になりました。

明日は、私の1つ下のかわいい後輩 @hawa君が担当です。お楽しみに!

33
15
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
33
15