この記事ではVScodeとWSLを用いてWindows上で動くPythonの実行環境を作成する方法を解説します。
メリット
具体的な構築方法に入る前にまず、多くあるPython実行環境の中でこれを選ぶメリットを解説したいと思います。
- VSCode上でステップ実行等の高度な機能が利用できる
- インストールするパッケージの管理が容易
- 必要な機能を選んで使用することができる。
まず1に関してVSCodeを用いることで特別な設定をほぼ行うことなくプログラムのステップ実行(一行ずつ挙動を確認しながら実行すること)やオートフォーマット(スペーシングなどのプログラムの見た目の調節を自動で行う機能)を利用することができます。
次に2に関して。この環境ではPythonにデフォルトで備わっている仮想環境の機能を使用します。そのため、pipによるコマンドベースでのパッケージの管理を行うことができます。また、VSCodeから使用することでactiveな仮想環境の切り替えを容易に行うことが可能です。
最後に3つ目に関してです。今回構築する環境でインストールするのはVSCode関連では拡張機能のRemote-WSLとPython、WSL関連ではPythonのみです。ミニマムな構築からVSCodeの拡張機能を用いた便利機能満載の構築まで自分で選択して行うことができます。
構築手順
それでは実際の構築手順を確認していきます。すでに多くの記事が存在しているため、VSCodeのインストールおよびWSLのインストールに関しては省略させていただきます。
##WSL側のセットアップ
Pythonのインストール。お好みでバージョン指定なんかを入れてください。
プロジェクトのディレクトリを作り、その配下に仮想環境フォルダを作成します。
cd sample_project
python3 -m venv venv
VS Code側のセットアップ
拡張機能の「Remote-WSL」をインストールしてください。
その後、一度Remote-WSLを開き(左下、緑色のアイコン)、Remote-WSL側に拡張機能の「Python」をインストールしておいてください。(Windows側とRemote-WSL側で拡張機能が分けて管理されています。すでにPythonの拡張をインストールしている場合でも追加の設定が必要です)
#コード実行方法
Remote-WSLの機能を用いてVS Code上からWSL上に作成したsample_projectフォルダを開きます(メニューのファイル→フォルダを開くより)。
この状態でVS Codeがフォルダに配置されている仮想環境を認識し、自動で読み込みを行ってくれます。実行したい.pyファイルを開き、F5キーを押すことでフォルダ内の仮想環境がactivateされた状態でコード実行を行うことができます。ブレイクポイントの設定等も可能です。