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LaTeXで全角記号を一括で字詰め(疑似カーニング)する方法

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気になること

日本語論文では、かっこ・コロン等の記号(約物)は全角記号を使います。

ここでは(かっこ)について考えます。

全角かっこを使うとなんだか間延びして見えます。
一方で半角かっこを使うと、ベースラインが下にあるのであまり囲めている感じがしません。

image.png

記号を字詰めして、スッキリ見えるようにしましょう。

newunicodecharを使う

preamble (\begin{document}より前の部分) に以下のように記述します。

preamble部分
\usepackage{newunicodechar}
\newunicodechar{}{\hspace{-5pt}} % 全角括弧の空きを詰め、間延び感をなくす
\newunicodechar{}{\hspace{-5pt}}

と書きます。
newunicodecharでは、

\newunicodechar{元の文字}{置換後の文字}

で文字が自動置換されるパッケージです。
\hspace{-5pt}によって、負のスペース、つまり字詰めを実現できます。

つまり、左全角かっこの前と、右全角かっこの後が字詰めされるというわけです。

これを実行すれば、以下のようになります。

image.png
前後の空きが小さくなり、バランスが良くなりました!!

他にも置換するといいもの

同様に簡単に置換できるものがあります。

句読点を置換する

本体ファイルでは「。、」の句読点を使用し、
コンパイルしたPDFでは「.,」と全角ピリオド・全角カンマを使いたいときがあります。
そんなときは、

\usepackage{newunicodechar}
\newunicodechar{}{}
\newunicodechar{}{}

とプリアンブルに記入すれば、自動で置換されます。

\documentclass[11pt]{jlreq}
\usepackage{newunicodechar}
\newunicodechar{}{\hspace{-5pt}} % 全角括弧の空きを詰め、間延び感をなくす
\newunicodechar{}{\hspace{-5pt}}
\newunicodechar{}{}
\newunicodechar{}{}
\begin{document}
全角かっこは(こんな感じ)になります。

半角かっこは(こんな感じ)になります。

句点を「。」で表し、読点を「、」で表します。
\end{document}

句読点を「。、」のままファイルに書いています。

これをコンパイルすると、
image.png

このように、句読点が変換されていることがわかります。

句読点が混在しなくなるので、非常に便利ですね!

非常に汎用性が高い方法なので、ぜひ活用してみてください!

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