はじめに
4月に秋月電子から新たなGNSSモジュールが発売されました。
裕中企業股份有限公司(YUECHUNG INTERNATIONAL CORP. (YIC))のGT-902PMGGというモジュールで、u-blox M8チップセットを搭載しており、日本の準天頂衛星システム(QZSS)を含む各国の測位衛星の受信が可能となっています。
マグネットと両面ステッカーが付いたプラスチックのケースに入っており、予め配線が引き出されています。
背景
このモジュールは電源入力がVCCのみ引き出されており、バックアップ電源についてデータシートやメーカーのページ等を確認しても記述がはっきりしません。
唯一書かれているのは、データシートの電気的特性の欄に書かれたバックアップ電源入力電圧と電流の項目。
ケース内にバッテリーを内蔵しているのか、引き出されていないバックアップ電源ラインがあるのかがはっきりしないので、これを確認するべく分解しました。
分解
まず、いい匂いがする両面ステッカーを剥がします。
すると、マグネットとネジが出てきます。
ネジを外すと、GNSSモジュール本体が載った基板が顔を出します。
ハーネスと基板の間にコネクタがありました。JSTのSHコネクタのようです。
引き出されている線は5本ですが、コネクタは6極あります。
この基板も両面ステッカーでケースに固定されているため、基板のコの字の切欠きにマイナスドライバーを突っ込んで丁寧に剥がします。しっかり粘着している上に基板が薄く曲がりやすいので、破損させないようにパッチアンテナの下から起こします。
基板の表裏はこのとおりです。(マットなレジストと黒のシルクがかっこいい)
寸法はおおよそ30x30x8でした。
パッチアンテナ側にパイロッドLEDがありました。Fixすると点滅します。
(表から見えるようにしてくれれば良かったのに…)
アンテナ裏側の基板上にボタン形の小さいバッテリーらしきものが実装されていました。
このモジュールに使われている電池の正体はわかりませんが、秋月で販売されているMS621FEと同じような種類の2次電池と考えられます。
(おまけ)コンフィグ保持
私が初めてu-bloxのモジュールを扱う上でハマった、コンフィグ保持の方法についてまとめておきます。
u-centerのConfiguration Viewからコンフィグを変更しSendを押しただけではバックアップ電池の電圧が十分でもコンフィグは保持されず、次回電源投入時には初期状態に戻ってしまいます。
コンフィグ変更後、Sendを押してからメニューバーのReceiver > Action > Save Configを押すことで電源再投入時に初期化されなくなりました。
バックアップ電池の電圧が定格を下回る0.7Vでも、上記の操作をした時点のコンフィグを保持していました。
Save Configを実行することで不揮発性の媒体にコンフィグが保存されるようです。
まとめ
バックアップ電源→内部にボタン形二次電池
コンフィグ保持→変更後に Send と Receiver > Action > Save Config