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Azure Web App for Containers を使って WordPress サイトを 1 時間で立てた

Last updated at Posted at 2020-03-18

Azure Web App for Containers の勉強がてら、公式チュートリアル に従い、WordPress サイトを立ててみました。
データベースは Azure Database for MySQL を使いました。
(そしてその WordPress サイトが無事動作しているのを確認したらすぐに消しました) (課金回避) (リソースの消し方についてはこの記事の最後に説明があります)

リファレンス

Web App for Containers とは

image.png

Microsoft Azure の PaaS のひとつで、
一言でいうと、「Web アプリに最適化された、Docker コンテナの実行基盤」です。

コンテナイメージを使用して Web アプリをデプロイできるコンテナホスト環境を提供するものです。

Docker Hub 上の公式イメージやカスタムイメージを、
Azure Container Registry (ACR) や Docker Hub 経由で
簡単にデプロイすることができます。

もともと Linux VM で動いているコンテナベースのアプリをターゲットにしたものでしたが、去年 Windows コンテナも対応しました。

まずは Azure にログイン

Microsoft Azure のポータルサイト ( https://portal.azure.com/ ) に行きましょう。

Cloud Shell を開く

ポータル画面右上の、↓のアイコンをクリックして、Cloud Shell を開きます

イラスト7.jpg

すると、画面下にターミナルが開くので、そこにコマンドを打っていきます。
まずは作業用のディレクトリを切り、そこに移動します

mkdir quickstart
cd quickstart

image.png

Dockerfile などを GitHub から落とす

Microsoft 公式の Azure Web App for Containers のサンプル git リポジトリ を clone します。
WordPress をインストールする記述のある Dockerfile などが入っています。

git clone https://github.com/Azure-Samples/multicontainerwordpress

cd multicontainerwordpress

image.png

リソース グループを作成する

Azure 用語『リソース グループ』とは、
リソース (Azure 上で作ったインスタンス。DB とか VM とか) を
まとめて管理するフォルダみたいなものです。
例えば、リソースグループごと消すことで、リソースの「まとめて削除」などができて便利です

image.png

Azure 用のコマンド az を使って、
リソースグループを作ってみましょう。

az group create \
--name wordpress-rg \
--location "Japan East"

イラスト.png

wordpress-rg という名前で、東日本リージョンに作ってみました。
西日本が良い場合は Japan West と書けばよいです。

物理サーバのようなもの、App Service Plan について

image.png image.png image.png

App Service Plan は、アプリが動く物理サーバのようなもので、
Web アプリを実行するための一連のコンピューティング リソースを定義します。

例えば、

  • RAM は 何 GB のやつ?
  • 裏で立つ VM インスタンスの数はどうする?
  • VM は他の人との雑居サーバ (他のお客様のアプリを含む他の App Service アプリと同じ Azure VM 上でアプリを実行) でいい? それとも俺専用 VM にする?
  • リージョンはどこに設置する?(東日本?)
  • VM に載ってる OS は Windows? Linux?

など。

公式ドキュメント:Azure App Service プランの概要

お金をかければかけるほど性能の良いサーバーで Web アプリを動かせます。

価格帯は、安い順から

  • Free (無料!) - 雑居 VM 上で動く。とはいえ無料は正義
  • Shared
  • Basic - 俺専用 VM 上で動くようになる
  • Standard
  • Premium
  • PremiumV2
  • Isolated - 専用の Azure 仮想ネットワーク上で専用の Azure VM が実行される

ひとつの App Service Plan を立てたら、その上で複数のアプリを動かすことができます。

App Service Plan の作成

Cloud Shell で az appservice plan create コマンドを使用して、
先ほど作成した wordpress-rg リソース グループに App Service Plan を作成します。
今回は myAppServicePlan という名前で作っています。

az appservice plan create \
--name myAppServicePlan \
--resource-group wordpress-rg \
--sku S1 \
--is-linux

* 今回は Standard 価格帯で作ってみましたが、無料版を作りたい場合は --sku S1 のところを --sku FREE にして叩きます

また、今回は (Windows ではなく) Linux VM を立てるので --is-linux を付けています。

イラスト.png

叩くと、以下のようなアウトプットが返ってきます。

{
  "freeOfferExpirationTime": null,
  "geoRegion": "Japan East",
  "hostingEnvironmentProfile": null,
  "hyperV": false,
  "id": "/subscriptions/aaaa/resourceGroups/myResourceGroup/providers/Microsoft.Web/serverfarms/myAppServicePlan",
  "isSpot": false,
  "isXenon": false,
  "kind": "linux",
  "location": "Japan East",
  "maximumElasticWorkerCount": 1,
  "maximumNumberOfWorkers": 10,
  "name": "myAppServicePlan",
  "numberOfSites": 0,
  "perSiteScaling": false,
  "provisioningState": "Succeeded",
  "reserved": true,
  "resourceGroup": "wordpress-rg",
  "sku": {
    "capabilities": null,
    "capacity": 1,
    "family": "S",
    "locations": null,
    "name": "S1",
    "size": "S1",
    "skuCapacity": null,
    "tier": "Standard"
  },
  "spotExpirationTime": null,
  "status": "Ready",
  "subscription": "aaaa",
  "tags": null,
  "targetWorkerCount": 0,
  "targetWorkerSizeId": 0,
  "type": "Microsoft.Web/serverfarms",
  "workerTierName": null
}

Docker で WordPress アプリを作成する

Cloud Shell で az webapp create コマンド を使って、
先ほど作った myAppServicePlan App Service Plan に
コンテナ上で動く Wordpress の Web アプリを作成します。

az webapp create \
   --resource-group wordpress-rg \
   --plan myAppServicePlan \
   --name 自分のアプリの名前 \
   --deployment-container-image-name wordpress:latest

この「自分のアプリの名前」のところは、デプロイ後の URL の一部になるので、世界中で一意になるものを入れてください。

http://自分のアプリの名前.azurewebsites.net/

という URL になります。

確認

さて、これで Web App が立ったので、
早速アクセスしてみましょう!

http://自分のアプリの名前.azurewebsites.net/
Web ブラウザでアクセスしてみましょう

image.png

わーい! 一見すると WordPress のサイトが立った!
と見えますが、
ここで先に進んでみると

image.png

「データベースが無いよ」というページになってしまいます😒

ということで、これから データベースを準備していきましょう!😁

現在の状態を確認

Azure ポータル画面から、
リソースグループ wordpress-rg の中を見てみましょう。

image.png

リソースグループを選んで、その中の wordpress-rg を選択すると、
このリソースグループの中にどんなリソースが作られているかが確認できます。

現在、App Service Plan と、その上で動いている App Service の2つだけですね。

イラスト3.jpg

データベースに接続

リソース操作は今まで Azure CLI でやってきましたが、
このままちょっと画面ポチポチもやってみましょう。

MySQL サーバを作成

このリソースグループ wordpress-rg の画面の左上、「追加」をクリックし、
Azure Database for MySQL で検索します

image.png

「作成」を押し、設定をポチポチ入力していきます。

image.png
サーバ名ですが、これも、URL の一部になるため、一意のものである必要があります。

サーバ名.database.windows.net

というような URL になります。

次に、管理者アカウント設定です。
パスワード、かなり強めのものじゃないとはじかれるので、この出ている制約に沿ったものを設定しましょう

image.png

全部記入したら作成します

image.png

現在の状況の確認

リソースグループ wordpress-rg の中に何が入っているか確認してみましょう

イラスト5.png

3つになりましたね! MySQL サーバが増えています。

サーバーのファイアウォールを構成する

また Azure CLI に戻ります。

az mysql server firewall-rule create コマンドを使用して、MySQL サーバでクライアント接続を許可するためのファイアウォール規則を作成します。

開始 IP と終了 IP の両方が 0.0.0.0 に設定されている場合、ファイアウォールは他の Azure リソースに対してのみ開かれます。

az mysql server firewall-rule create \
--name allAzureIPs \
--server 自分のDBの名前 \
--resource-group wordpress-rg \
--start-ip-address 0.0.0.0 \
--end-ip-address 0.0.0.0

これを叩きます。

image.png

すると、以下のようなアウトプットが出ます。

{
  "endIpAddress": "0.0.0.0",
  "id": "/subscriptions/aaaa/resourceGroups/wordpress-rg/providers/Microsoft.DBforMySQL/servers/db4wordpress/firewallRules/allAzureIPs",
  "name": "allAzureIPs",
  "resourceGroup": "wordpress-rg",
  "startIpAddress": "0.0.0.0",
  "type": "Microsoft.DBforMySQL/servers/firewallRules"
}

WordPress データベースを作成する

WordPress データベースを作成しましょう!
このコマンドを Cloud Shell に打ち込みます。

az mysql db create \
--resource-group wordpress-rg \
--server-name 自分の MySQL サーバの名前 \
--name wordpress

image.png

以下の情報が表示されます

{
  "charset": "latin1",
  "collation": "latin1_swedish_ci",
  "id": "/subscriptions/aaaa/resourceGroups/wordpress-rg/providers/Microsoft.DBforMySQL/servers/db4wordpress/databases/wordpress",
  "name": "wordpress",
  "resourceGroup": "wordpress-rg",
  "type": "Microsoft.DBforMySQL/servers/databases"
}

WordPress でデータベース変数を構成する

いくつかの環境変数を設定し、

WordPress アプリからこの新しい MySQL サーバーに接続できるようにしましょう

az webapp config appsettings set \
--resource-group wordpress-rg \
--name "自分のアプリの名前" \
--settings \
WORDPRESS_DB_HOST="自分の MySQL サーバの名前.mysql.database.azure.com" \
WORDPRESS_DB_USER="chomado@自分の MySQL サーバの名前" \
WORDPRESS_DB_PASSWORD="任意のパスワード" \
WORDPRESS_DB_NAME="wordpress" \
MYSQL_SSL_CA="BaltimoreCyberTrustroot.crt.pem"

イラスト6.png

[
  {
    "name": "WORDPRESS_DB_HOST",
    "slotSetting": false,
    "value": "自分の MySQL サーバの名前.mysql.database.azure.com"
  },
  {
    "name": "WORDPRESS_DB_USER",
    "slotSetting": false,
    "value": "admin@自分の MySQL サーバの名前"
  },
  {
    "name": "WORDPRESS_DB_PASSWORD",
    "slotSetting": false,
    "value": "設定したパスワード"
  },
  {
    "name": "WORDPRESS_DB_NAME",
    "slotSetting": false,
    "value": "wordpress"
  },
  {
    "name": "MYSQL_SSL_CA",
    "slotSetting": false,
    "value": "BaltimoreCyberTrustroot.crt.pem"
  }
]

確認しよう

さて、これで Web App が立ったので、
早速アクセスしてみましょう!

http://自分のアプリの名前.azurewebsites.net/
Web ブラウザでアクセスしてみましょう。
(さっきから開いたままの方は、必ず再読み込みをしてください)

image.png

ここまでは先ほどと同じですね!

先に進んでみます。

image.png

おお!
さっきは「データベースがありません」って言われてたのに
今はちゃんと動いてる!

image.png

やったー!動いた!

(そしてその WordPress サイトが無事動作しているのを確認したらすぐに消しました)(課金回避)

データの永続化

データの永続化については こちら を参照

課金されないように、リソースのお掃除

!!これをやったら作った WordPress のサイト消えます!!

今回 WordPress のサイトを作ったのは、ただのお勉強目的で、
動いて満足でしたら、
作ったリソースを全部消しましょう。

image.png

az group delete --name wordpress-rg
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