(0)はじめに
うちで使っている東芝製テレビREGZAで使用しているハードディスク(HDD)が認識されなくなった。差し直しやテレビのリセット(電源ボタン長押し)をやってもダメ。困っていたところ 「REGZA HDD Easy Repair」 というソフトがあり、修復できるとのこと。
ところがこのソフトは ubuntu 上で稼働するということ。そんなマシンは無いので、うちの WindowsPC に VirtualBox をインストールし、 VirtualBox 上の仮想マシンに ubuntu をインストールして、そのうえで 「REGZA HDD Easy Repair」 を動かすことにした。
なお、 WindowsPC のスペック概要は以下の通り。(低スペックマシンでは実用に耐えない可能性あり)
CPU:Ryzen5 5600G
メモリ:16GB
ディスク:SSD512GB+HDD2TB(HDDは古いPCからの移行)
OS:Windows11 23H2
なお、以下の文章における最新版とは2024年1月時点のものである。
(1)VirtualBoxのインストール
Oracle VM VirtualBox の最新版7.0.10のWindows Installer(64bit)を以下のOracleのサイトからダウンロード。
https://www.oracle.com/jp/virtualization/technologies/vm/downloads/virtualbox-downloads.html
インストールしようとしたら、 「VC++ 2019 redistributable」 が必要と言ってくる。
ということで、以下のMicrosoftのサイトから「Visual Studio 2015、2017、2019、および 2022」のX64用をダウンロード。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/cpp/windows/latest-supported-vc-redist?view=msvc-170
※ マイクロソフトのサイトは結構頻繁に変わるので、リンクが辿れなかったら検索して探してください。
これをインストールして、再び VirtualBox をインストールしようとすると今度は 「python core」 と 「win32api bindings」 が必要と言ってくる。
ということで、以下のpythonのサイトから最新版3.12.1のWindows版をダウンロード。
https://www.python.org/downloads/
インストールの際には下記のように「Add python.exe to PATH」に☑を入れる。
さらにコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行する。
※ pipの新しいモジュールがあるというメッセージが出たので、pipのアップグレードも実施している。
python.exe -m pip install --upgrade pip
python.exe -m pip install pywin32
確認のため、以下のコマンドを実行する。
python.exe -m pip list
これでPackageにpipとpywin32がリストされればOK。ようやく VirtualBox がインストールできる。 VirtualBoxのインストールは全てデフォルトでOK。
(2)ubuntuのインストール
最初 ubuntu の最新版22.04.3で仮想マシンを構築したが、結論としてはこのバージョンでは 「REGZA HDD Easy Repair」 は動かせなかった。
ということで 「REGZA HDD Easy Repair」 の推奨?バージョンと思われる ubuntu11.10 で仮想マシンを構築することにした。以下のサイトから「64-bit PC (AMD64) desktop CD」(isoイメージ)をダウンロードした。
https://old-releases.ubuntu.com/releases/11.10/
VirtualBox から「新規」ボタンを押し、ダウンロードしたisoイメージを指定する。
後の画面でパスワードだけ設定すれば、あとはデフォルトで構わない。注意点が1つあり、この方法だと 英語キーボード になる。パスワードに記号を指定するとハマるので注意。
他の用途にも使う人や英語キーボードで困る人は、「Skip Unattended Installation」に☑を入れ、カスタムインストールを実施する。(この場合、インストール後、仮想マシンは自動起動しない。)
自動的に仮想マシンが起動するので、設定したパスワードを入力してログインする。さらにホストマシンとの共有フォルダを使用するため、 Guest Addtions をインストールする。仮想マシンの「デバイス」メニューから 「Guest Addtions CD イメージの挿入」 を選択。CD上のプログラムが自動実行されるので、「OK」、「Run」と選択する。パスワードを聞かれるので、設定したパスワードを入力。インストールが終わったらReturnキー(Enterキー)を押す。
(3)「REGZA HDD Easy Repair」のインストール
★これら非公式サイトからのダウンロードは自己責任でお願いします★
まず、 「REGZA HDD Easy Repair」 をダウンロードする。私は以下のサイトから 「regza-hdd-easy-repair-x64-1.0.deb」 をダウンロードした。
http://www.netbuffalo.net/regza/RgzHddEasyRepair/download.html
この後、 「regza-hdd-easy-repair-x64-1.0.deb」 をインストールしようとすると 「xfsprogs」 が必要と言ってくる。この 「xfsprogs」 も ubuntu11.10 にマッチしたものを用意する必要があり、色々と試行錯誤した結果 「xfsprogs 3.1.7」 を使えばよいと分かり、下記サイトから 「xfsprogs_3.1.7_amd64.deb」 をダウンロードした。
https://launchpad.net/ubuntu/+source/xfsprogs/3.1.7/+build/2986449
さらに 「xfsprogs 3.1.7」 をインストールするためには、 「readline5 5.2-11」 が必要と分かり、下記サイトから 「libreadline5_5.2-11_amd64.deb」 をダウンロードした。
https://launchpad.net/ubuntu/+source/readline5/5.2-11/+build/2860015
仮想マシンの「デバイス」メニューの「共有フォルダー設定」を選択し、共有フォルダをマウントする。WindowsPC側ではダウンロードした 「regza-hdd-easy-repair-x64-1.0.deb」「xfsprogs_3.1.7_amd64.deb」「libreadline5_5.2-11_amd64.deb」 をそのフォルダ(下記例だとデスクトップの「VMfolder」)
へ入れる。
いちいちsudoするのが面倒なので、ここからの作業は「sudo passwd root」とrootのパスワードを設定し、「su -」でrootになって作業した。ターミナル画面で以下のコマンドを実行してインストールする。
dpkg -i libreadline5_5.2-11_amd64.deb
dpkg -i xfsprogs_3.1.7_amd64.deb
dpkg -i regza-hdd-easy-repair-x64-1.0.deb
これで 「REGZA HDD Easy Repair」 のインストールまで完了。
(4)HDDの修復
下記のように ubuntu 上で 「REGZA HDD Easy Repair」 を起動する。
起動すると以下のような画面が表示される。
修復したいHDDをWindowsPCのUSBに接続する。 仮想マシン「デバイス」メニューの「USBの設定」を選択する。
右側の「+」をクリックし、USB接続したHDDをを選択する。 仮想マシン「デバイス」メニューの「USB」をセレクトした状態で右側の表示されるUSB一覧の HDDに☑が入っていること を確認する。☑が入っていない場合、右側の一覧から選択し、☑が入った状態にする。(その際にエラーが発生することがある。私の場合、USB3のポートからUSB2のポートへ差し直したら上手くいった。VirtulBox側USBコントローラをUSB3.0に変えた場合は上手くいかなかった。)
「REGZA HDD Easy Repair」 の画面で 「(2)機器検索」 のボタン(丸矢印)を押す。 「(3)修復する録画機器を選択」」 のプルダウンメニューにUSB接続したHDDが表示されれば 「(4)修復する記憶領域を選択」 も自動表示されるので、あとは 「(5)修復実行」 を押すだけ。
なお、「(2)機器検索」 のボタン(丸矢印)を押しても 「(3)修復する録画機器を選択」」 のプルダウンメニューにUSB接続したHDDが表示されない場合もある。その場合はこのソフトでは修復できません。(私の場合、認識されなくなったHDDが2台あり、1台は修復できたが、もう1台はプルダウンに表示されなかった。)